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第111話 調査の収穫
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翌朝、昨日の疲れもあるということで9時ぐらいの遅めの出発となったが、僕らはサイシアールを後にするのだった。
4日間の移動で無事セイクリッドストーンに着く。
騎士団と別れる時には、一人一人にお礼を言われ恥ずかしかったが、悪い気はしなかった。僕達も戦闘面では矢面にたってもらっていた為お互い様なのだが、そんな事は気にしない兵士達の男らしさ。
兵士達と分かれ、僕ら5人は拠点までの道を進む。
「帰ってこれたな、今回は中々ハードな依頼だったぜ」
「もう少し考えて依頼受けてくださいよ」
「でもうちは行けてよかったよ、気持ちの整理できたし」
「私もー危険な状況だったけど、そこまでピンチって思わなくて恐怖心なかったなー」
「ティアさんにシスレーさん・・・こっちは命がけだったのに・・・こんな危ない依頼初めてだったわ」
「でも、なんともなかったでしょ?」
「そうだけど、それは結果オーライなだけよ」
「そのうちサリアも慣れるぜ」
「・・・英雄の側は危険がつきものなのですわね」
「いやそうじゃねーよ。ノエルがいればなんとかしてくれるってな」
「いやちょっと!何、無責任なこと教えてるんですか!プレッシャーに弱いのでやめて貰えますか!」
「うちもそう思ってるよ、でも助けてくれるんでしょ?」
「そうだよ大魔法使い(予定)ノエル」
「だよな、おれもそれきいたぜ」
「シ、シスレーー!」
変な期待のされ方をして僕達は拠点に帰ってきたのだった。
拠点ではナタリーが出迎えてくれている。イベントリから取り出した夕食を広げ今回の成果の話を共有することに。
「ねえねえ、結局今回のドロップ品ってどれぐらいあるの?」
「だよな!俺も気になってたが、ノエルがまたやってたからな、騎士と一緒の時に聞けなかったんだよな」
やっぱりアルはセーフティーエリアから出る時に僕がやったことを見ていたようだ。
「何したの?」
「ノエル見せてくれよ」
「フッフッフ、いいでしょう」
スキルブックを積み重ね、武器を取り出して、肉を並べ、鍋いっぱいの魔石を取り出した。
「えぇ!?多くない!?」
「こんなに倒したのですか?おつかれさまですわ」
「それにしても多くない?こんなにうちら倒したっけ?」
「そうね、多い気がするわね」
シスレー達は僕が脱出時に拾っていたのを知らない為に、初日で稼いだ分と森に入った時の分だけを思っていた為に驚いている。
「そりゃそうだろ、セーフティーエリアから出る時ノエルが片っ端に拾い集めながら脱出してたんだからな」
アルがニヤっとネタバラシをし、僕も黙ってドヤ顔をした。
「あの時そんな余裕あったっけ・・・?」
「いえ、みんな必死だったわ」
「だろサリア、俺も自分の目を疑ったが平然と魔石1つ残らず拾ってたからな。俺たちがさっき言ったのも分かるだろ?あんな危機的状況にも関わらずノエルはそんな余裕な態度を見せるんだからな」
「いや言い方!」
「そうね・・・そう言われたらそうかもしれないわね・・・」
「いやサリアさんも納得しない!」
「セーフティーエリア出てからも、亡くなった騎士や兵士の防具も拾ってたよな」
「あぁあれは形見とかいるかなと思って、ついでですね。明日騎士団に行く時に返しますよ、というか渡すので返しといて下さい」
「・・・人の心も一応のこってるか」
「一応じゃないですが!」
「だよねー、ノエル君はエマ達にも丁寧に接してくれたもんねー。うちは今回そのことが一番感激だよ。ドロップ品を盗もうが優しいもんね」
「・・・それフォローになってます?」
ダンジョンの話もひと段落終えると・・・シスレーがエマさん達の話もナタリーにするようで、同じようにサリアさんも食い入るように一緒に聞いている。よっぽど気に入っているようだ。
「さっきのダンジョンの話と大違いですわね・・・」
「アハハ・・・」
「何度きいても温まるわ、ノエルが泣き崩れたシスレーさんを抱えてエマさん達に語り掛けて魔法を使うシーンなんて最高ですわ・・・そうよ!ちょっと再現してくれません?」
サリアさんのいいようはもうおとぎ話の一部の感想のようだ。
「えぇ~、恥ずかしいけど仕方ないな~」
「えっやりませんよ!?」
「いいじゃねーかよ、シスレーがやるって言ってんだから付き合ってやれよ」
「そうだそうだ、みたいみたーい」
シスレーはおもむろに立ち上がり、広いところにいくと・・・
泣き崩れた演技で
「えまぁ・・・しぃん・・・」
やけに感情籠った演技だな・・・日頃泣き真似とかしてるから?いやシスレーはモノマネも上手だったなと思い返す。もとから芸達者のようだ。
渋々僕も立ち上がり、シスレーに近づき
「しすれー・・・ここからはぼくがやりますね」
「ううぅ・・・うちもたたかう~・・・」
「このためにじゅんびしてたので、まかせてください」
シスレーをお姫様抱っこで抱えて、少しだけブリンクをして
「えまさん、しんさん、しすれーはぼくがまもるのであんしんしてください!ほーりーらいと!」
部屋の中なのでホーリーライトでなくライトを使った
「ぷっ・・・いや、いい話だな・・・ノエル下手くそすぎだろギャハハ」
「ブリンクまで使ってノリノリじゃん」
「ちょっとノエル君真剣にやってよ!笑い話になるじゃん!」
「えぇ・・・頑張ったのに」
「素敵・・・シスレーさんがお姫様にみえましたわ」
「シスレーが元気になってよかったですわ」
シスレーとの演技の違いに、ギャップが出過ぎてサリアさん以外はみんな笑っていた。
僕はこの日から何度もこのお芝居を練習させる事になるのは、今はまだ知らないことだった
4日間の移動で無事セイクリッドストーンに着く。
騎士団と別れる時には、一人一人にお礼を言われ恥ずかしかったが、悪い気はしなかった。僕達も戦闘面では矢面にたってもらっていた為お互い様なのだが、そんな事は気にしない兵士達の男らしさ。
兵士達と分かれ、僕ら5人は拠点までの道を進む。
「帰ってこれたな、今回は中々ハードな依頼だったぜ」
「もう少し考えて依頼受けてくださいよ」
「でもうちは行けてよかったよ、気持ちの整理できたし」
「私もー危険な状況だったけど、そこまでピンチって思わなくて恐怖心なかったなー」
「ティアさんにシスレーさん・・・こっちは命がけだったのに・・・こんな危ない依頼初めてだったわ」
「でも、なんともなかったでしょ?」
「そうだけど、それは結果オーライなだけよ」
「そのうちサリアも慣れるぜ」
「・・・英雄の側は危険がつきものなのですわね」
「いやそうじゃねーよ。ノエルがいればなんとかしてくれるってな」
「いやちょっと!何、無責任なこと教えてるんですか!プレッシャーに弱いのでやめて貰えますか!」
「うちもそう思ってるよ、でも助けてくれるんでしょ?」
「そうだよ大魔法使い(予定)ノエル」
「だよな、おれもそれきいたぜ」
「シ、シスレーー!」
変な期待のされ方をして僕達は拠点に帰ってきたのだった。
拠点ではナタリーが出迎えてくれている。イベントリから取り出した夕食を広げ今回の成果の話を共有することに。
「ねえねえ、結局今回のドロップ品ってどれぐらいあるの?」
「だよな!俺も気になってたが、ノエルがまたやってたからな、騎士と一緒の時に聞けなかったんだよな」
やっぱりアルはセーフティーエリアから出る時に僕がやったことを見ていたようだ。
「何したの?」
「ノエル見せてくれよ」
「フッフッフ、いいでしょう」
スキルブックを積み重ね、武器を取り出して、肉を並べ、鍋いっぱいの魔石を取り出した。
「えぇ!?多くない!?」
「こんなに倒したのですか?おつかれさまですわ」
「それにしても多くない?こんなにうちら倒したっけ?」
「そうね、多い気がするわね」
シスレー達は僕が脱出時に拾っていたのを知らない為に、初日で稼いだ分と森に入った時の分だけを思っていた為に驚いている。
「そりゃそうだろ、セーフティーエリアから出る時ノエルが片っ端に拾い集めながら脱出してたんだからな」
アルがニヤっとネタバラシをし、僕も黙ってドヤ顔をした。
「あの時そんな余裕あったっけ・・・?」
「いえ、みんな必死だったわ」
「だろサリア、俺も自分の目を疑ったが平然と魔石1つ残らず拾ってたからな。俺たちがさっき言ったのも分かるだろ?あんな危機的状況にも関わらずノエルはそんな余裕な態度を見せるんだからな」
「いや言い方!」
「そうね・・・そう言われたらそうかもしれないわね・・・」
「いやサリアさんも納得しない!」
「セーフティーエリア出てからも、亡くなった騎士や兵士の防具も拾ってたよな」
「あぁあれは形見とかいるかなと思って、ついでですね。明日騎士団に行く時に返しますよ、というか渡すので返しといて下さい」
「・・・人の心も一応のこってるか」
「一応じゃないですが!」
「だよねー、ノエル君はエマ達にも丁寧に接してくれたもんねー。うちは今回そのことが一番感激だよ。ドロップ品を盗もうが優しいもんね」
「・・・それフォローになってます?」
ダンジョンの話もひと段落終えると・・・シスレーがエマさん達の話もナタリーにするようで、同じようにサリアさんも食い入るように一緒に聞いている。よっぽど気に入っているようだ。
「さっきのダンジョンの話と大違いですわね・・・」
「アハハ・・・」
「何度きいても温まるわ、ノエルが泣き崩れたシスレーさんを抱えてエマさん達に語り掛けて魔法を使うシーンなんて最高ですわ・・・そうよ!ちょっと再現してくれません?」
サリアさんのいいようはもうおとぎ話の一部の感想のようだ。
「えぇ~、恥ずかしいけど仕方ないな~」
「えっやりませんよ!?」
「いいじゃねーかよ、シスレーがやるって言ってんだから付き合ってやれよ」
「そうだそうだ、みたいみたーい」
シスレーはおもむろに立ち上がり、広いところにいくと・・・
泣き崩れた演技で
「えまぁ・・・しぃん・・・」
やけに感情籠った演技だな・・・日頃泣き真似とかしてるから?いやシスレーはモノマネも上手だったなと思い返す。もとから芸達者のようだ。
渋々僕も立ち上がり、シスレーに近づき
「しすれー・・・ここからはぼくがやりますね」
「ううぅ・・・うちもたたかう~・・・」
「このためにじゅんびしてたので、まかせてください」
シスレーをお姫様抱っこで抱えて、少しだけブリンクをして
「えまさん、しんさん、しすれーはぼくがまもるのであんしんしてください!ほーりーらいと!」
部屋の中なのでホーリーライトでなくライトを使った
「ぷっ・・・いや、いい話だな・・・ノエル下手くそすぎだろギャハハ」
「ブリンクまで使ってノリノリじゃん」
「ちょっとノエル君真剣にやってよ!笑い話になるじゃん!」
「えぇ・・・頑張ったのに」
「素敵・・・シスレーさんがお姫様にみえましたわ」
「シスレーが元気になってよかったですわ」
シスレーとの演技の違いに、ギャップが出過ぎてサリアさん以外はみんな笑っていた。
僕はこの日から何度もこのお芝居を練習させる事になるのは、今はまだ知らないことだった
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