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第48話 豪邸の内見
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次の日の朝僕が目を覚ますと珍しくアルもシスレーも起きていたのだ
「あれ?おはようございます、時間は7時・・・はやいですね二人とも」
「おう・・・あのあと目が覚めて金貨2000枚が頭から離れない・・・」
「おはよ・・・うちも同じ・・・」
「以外に繊細なんですね二人とも」
「いやお前がおかしいだろ・・・多分これから冒険者として生きていく中でこれ以上のものは手に入らないんじゃないかと思うぜ」
「うん・・・金貨2000枚・・・手足が震えるもん・・・」
PTメンバーの中でもガサツ担当の二人がこんなになっているのは笑えるのだ
「フフフ、2人が面白いので当分絵は所有しとこうかな、それかどちらかに持ってもらうのもいいですね」
「ばっか、お前!責任もってお前が管理しろ!家を購入できるまで絶対死ぬんじゃねーぞ!」
「そうよ!絶対うちにわたさないでよ!破いたりでもしたら・・・せんせーに殺されちゃうかもしれないわ!」
ふふふ今日は朝から楽しいや
2人はなにも手をつかないし考えられない様で部屋にいるとのことだった
僕はメルさんのとこに行く前に市場でブラブラしてよさそうなものを購入し、メルさんのとこへ手土産をもってリコールを掛けにいった
リコールを掛けたあとに一緒にお茶をしながら、お客さんもよくきていたので接客なんかも少し手伝った、前世は営業だった為に、コミュ障ではあるが接客となると切り替えて出来るのだ
「ふー、ノエル君なんでも出来るのねー、冒険者やめてうちで働いてよー」
「それはちょっと難しいですね・・・でも、僕も楽しいのでこんな感じでお手伝いできる日はやりますよ」
前世ではお世辞にも仕事が好きとは言えなかった。生活の為仕方なくという感じだ、でもこの異世界だとなぜかやること全てが新鮮に感じ楽しいのだ
「あら本当?助かるわー」
メルさんにはこれからもお世話になるのだ、お互いがWinWinの関係を築くためにも日頃から恩返しをして置かなければ返せないのだ
午後となったので、宿屋に戻りアル達と合流した
ターナー先生のアトリエに着くまでにアルに釘をさす
「アル、ターナー先生に失礼のないようにお願いしますよ」
「いやお前がいうなよ」
「アハハいつも二人はじゃれあってるね」
今日はアルがいるのでゆっくりと街を見ることも無く、早足でターナー先生の家に着いた
コンコンとシスレーが昨日と同様に挨拶をする
「せんせー、こんにちはー」
すると中からダダダッと足音が聞こえ
ガチャっとドアが開かれた
「おぉノエル様、お待ちしておりましたよ!早速ですが現地を見にいきましょう!」
ノエル様?もうシスレーの仲間ではなくお客様扱いされてるのかな?少し寂しい
「ターナー先生、ノエルでいいですよ。こちら僕のPTリーダーのアルフレッドです」
「アルフレッドです、ターナーさん今回はよろしくお願いします」
アルは丁寧にあいさつをしたので以外だったが、金貨2000枚をだす相手だからそうなるか
「こちらこそよろしくお願いします、では早速いきましょう」
ターナー先生を先頭に物件へ向かうことになった、あの急かし様はテレシアが早く欲しいのだろう
候補は南側2軒と東側1軒の全部で3つらしい
まず東側が一番ちかいので歩いていくことになった
1軒のまえでターナ先生が止まりこちらですと紹介された
その家は豪邸と言えるものだった建物は3階建て、部屋数は3階に6部屋2階に8部屋、1階は大きな部屋が2つ
お風呂も大きなのがひとつ大浴場
庭も広く門もしっかりしていた、周りの環境もいいように感じる
「おいおいおい、とんでもねー豪邸だな・・・」
「ですねーすごい大きいですよこれは」
「お気に召して頂けましたか?こちらは私が調べた中でも一番のおすすめですよ」
ターナー先生も自信をもっていってるので本当にいい物件なのだろう
「ただこの地域は指定区域なので庭は広いですが簡易なものでも、増設ができませんことはご了承ください」
こんな完成されたものに増築なんて必要なさそうだが、なにか考えるひともいるんだな
「俺はかなり気に入ってるが、2人はどうだ?」
「僕もいいと思いますよ」
「う~ん・・・うちもいいと思うけど、せっかくだから南側もみてみたいな。先生が気合いれてさがしたのだから、そっちもいいはずだよ」
「それもそうか、ターナーさん南側も案内してもらえるか?」
「もちろんです、こちらより少し見劣りするかもしれませんが良い物件ですので、ではこちらの専用馬車で向かいましょう」
ターナーさんは馬車を手配し待機させていたのだ
馬車に揺られること10分、南側と言っても南東だったので直ぐについた
歩いても20分かそこらだったかもしれないのに、わざわざ馬車を用意していたターナー先生の気合の入り様が、また垣間見えた
「こちらが南側の2軒になります」
ターナー先生にそう紹介されたのは隣同士に隣接する2軒だったのだ
「この並んでいる2軒ですか?」
いちおう念の為確認をしてみる
「左様でございます、こちらは私が以前アトリエと家を兼ねて最初に建てたものだったのですが、アトリエの方が手狭になりましたので手放したものです。先ほどの物件にしたら1つ1つは見劣りしますが、もとは2つで1つのものですのでこちらは2軒での紹介になります」
ふむふむ、確かに先ほどの家よりいは1つ1つは小さいが合わせると、敷地はこちらの方が広いだろう
「なるほどな、俺たちの場合はこっちでもありだな」
「だねー、ほらうちの言った通り見といてよかったでしょ」
「ふふ、表の顔は孤児院で裏の顔はアルの隠れ家って感じですね」
「なんだよ隠れ家って・・・、ターナーさんどうしてアトリエと屋敷の間に柵を作ったんだ?これは売却用につけたのか?」
「いえこちらは・・・絵を描いているときは集中したいのですが、家族の口出しが年々大きくなってきてまして・・・」
「で、邪魔されないようにつけてそのままってことか」
「その通りでございます」
趣味人のような人そうだもんな、家族も苦労してるんだろうな
「せんせー、中もみたいです」
「うむ、ではこっちからみてみたまえ、お二人もこちらへどうぞお願いします」
向かって左がアトリエ、右が住居になっている物件だ
アトリエの方が住居より少し大きく感じるが気のせいだろうか・・・
どちらともお風呂はあり、台所もあることからターナー先生はアトリエで暮らすこと前提で建てたに違いない
住居の方が、建物の位置的な構造上庭が広く、家庭菜園やもう一棟建てても余るくらいの庭がある
こうなるとアトリエは僕達PT、住居は孤児院の割り振りになりそうだなと考えている
「ここは指定区域ではございませんので、増築や改築は自由に行えます」
「うん?じゃあ何でターナー先生は増築をしなかったのですか?先ほど手狭になったからと言ってたような」
矛盾があるような感じがしたので聞いてみる
「そうですね・・・はっきり言いますと、家族と離れて趣味には自由に接したかったが一番の理由ですかね・・・」
「なるほど・・・隣なので柵を作ってもあまり意味が無さそうですもんね」
2棟とも全体をみた感じ大した汚れや壊れている場所もなく、綺麗な状態だった
リコールを掛けて、家具をある程度揃えればすぐに住めるだろうと感じた
「アル、正直ぼくはこちらの2軒の方が好きです」
向こうは洋館風ですごい豪華で良かったが、住んでみたら落ち着かないような感じがしたからだ
「俺もだ、向こうは向こうで良かったがこっちの方が気を使わなくて済む」
「うちもこっちの方が落ち着くな」
シスレーも庶民派のようだ
「どうする?もう今決めるか?」
アルの行動力が炸裂しようとしている、でもこの建物で税金とかはどうなっているのだろうかこの大きさで孤児院は払い続けることは可能なのだろうか・・・
「ターナー先生、税金などはどうなっているのですか?」
「10年分の税金を上乗せした金額が売却価格になっております」
「ふむふむ・・・1年で2軒合わせるとどのくらいでしょうか?」
「なるほど、そこも気になっておいでですね・・・分かりました。50年は私どもの商会で負担させて頂きます」
え・・・こっちの維持費を知りたかっただけなのに、何やら交渉のようなことをしてしまったか・・・
「ターナーさん、今日買わせてもらうぜ!さっきの言葉が撤回されないうちに契約にはいろう」
「ではこちら2棟の購入でよろしいでしょうか」
「はい、いいよな二人とも?」
「はい、まだ考えたいような気もしますがアルに任せます」
「うちは早く自分の部屋を持ちたいから賛成!」
アルよ契約とかめんどくさそうな書類書きや説明はまかせました
「じゃあターナーさんこの2軒でよろしく頼むな」
「分かりました、ではアルフレッド様が契約主でよろしいでしょうか?」
ここだ、このタイミングだ
「はい、リーダーですのでお願いします。僕はリコールを掛けていてもいいですか?」
「ノエルお前さらっとめんどくさいこと擦り付けたな?」
呆れた目でこちらを見てくる
「いえいえ、ではアルが魔法なしで掃除をこの2軒ともしますか?」
「それもそうだな、俺はこういうのも慣れていかなければいけないしな」
「そうですよ、適材適所という言葉がありますから」
「ではアルフレッド様はこちらのもと住居のほうで書類の方をお願います、ノエル様はアトリエの方を自由にしていてください」
「シスレーはどうしますか?」
もう自分の部屋のインテリアのこと考えてるのかな?僕たちが話をしている間、上の空だったので一応声を掛けてみる
「うちはノエル君と掃除するよ、それにどの部屋がいいか吟味したいし」
部屋は早いもん勝ちかな~?シスレーにいい部屋占領されそうな気がした
「では、アルよろしくお願いします。ターナー先生も終わったらテレシアを指定場所に持っていきますので声を掛けてくださいね」
「おう、綺麗にしとけよー明日から住もうぜ!」
「テレシア!?ささっアルフレッド様私たちも急ぎましょう、説明することがやまほどありますゆえ」
そそくさとアルを引っ張るようにターナー先生は向こうの建物にいってしまった
「シスレー僕達も早速掃除をしましょう、といってもリコールを使うのですぐ終わると思いますが」
「すぐ終わったら、さっきは急ぎ足でみたから一部屋一部屋ゆっくりみていこうかな」
「ですね、インテリアや家具のレイアウトも考えて、長さや幅を図っておくのもいいかもしれませんね」
「そうよ!そうしよう!明日家具も見に行こう!」
やっぱり新居って気持ちが高まるな、インテリアや置くものいろいろと考えるだけでも楽しいもんね
全ての部屋をリコールで綺麗にし、部屋の寸法を簡単に図るが僕は空間魔法のおかげなのだろうか、物差しやメジャーがなくても感覚的に部屋の縦横が分かるのだ
アトリエの部屋割はこんな感じだ
1階はリビングと食堂と12畳の部屋が2、2階に10畳ぐらいの部屋が5
1階にお風呂がまあまあ大きい、大人が3人は入れるぐらいの浴槽があった
ターナーさんはかなりのお風呂好きなのだろう
地下室もありすこしひんやりしている。やはり電気がないので冷蔵庫がない為、食料は地下保管が基本のようだった
キッチンもあるがコンロのような物はない、何かいい物があるか探しにいこうと必要そうな物をメモしていく
一通りゆっくりみると、これは本当にアトリエなのだろうかと思えるほど住居としても完成されていた
「シスレーどこがいい部屋か目星はつきましたか?」
「う~ん、2階の南側の出窓がある部屋かな~、いや、その隣の小さいバルコニーが付いているのも捨てがたい・・・」
「確かにどの部屋もよかったですよね、壁紙もバラバラでしたもんね」
「せんせーのこだわりが見えたね、どこにしよう・・・」
シスレーがう~んと悩んでいる間にターナー先生とアルが契約を結んで戻ってきた
「おーう、おっめちゃ綺麗になってるじゃねーか」
「アルお疲れ様です、無事に終わりましたか?」
「おう、後はお前がターナーさんに無事絵画を渡して、この書類にサインを書けば終わりだ」
「おぉ!こんなに早くPTで拠点をもてるとは・・・ターナー先生ありがとうございました」
「いやいやお礼をいうのはこちらの方だよ、さっそくだが私のアトリエに来ていただけるかな?」
「分かりました、アルたちはどうしますか?」
ターナー先生がソワソワしているのがもう抑えれないのだろう、汗すらかいているようだ
「俺は疲れた、ここで休んでから、宿に戻る」
「うちももう少し部屋を吟味したいから、残るねー」
僕は二人と別れ、ターナー先生のアトリエに戻ることになった。待機していた馬車に乗り込み来た道を戻って行く
「ターナー先生、家具とかでいいお店しってますか?」
「うちの商会の系列に家具を取り扱っている店もあるので、そちらを紹介いたします。あとで私の名刺をお渡ししますので、そちらの店で見せて頂ければ、2割引きで買う事ができますよ」
「おぉ、ありがとうございます」
明日シスレーとアルを連れていってみようかな
「そうだノエル君、もし仕事の依頼をしたらいくらで受けて頂けますか?」
「仕事ですか?内容にもよりますが、僕は駆け出しでPTはまだシスレー以外Eランクですので、護衛などはまだ受けれないと思いますよ」
「いえ、先ほどアトリエだった家があんなにも綺麗になっていましたので、私どもが所有する他の物件にもその魔法を活用して頂きたく、依頼をしたいのです」
短時間で外壁の黒くなった部分がなくなり、建物自体が新築のような綺麗さになってたらそう思うかな
「そのくらいなら依頼と言わずにただでいいですよ」
「いえいえ、あの技術をただでとは流石に・・・」
「う~ん・・・知り合いの錬金術師さんにはただで掛けているので、ターナー先生だけからお金とるのも・・・また何かあれば相談に乗って頂ければ嬉しいのですが」
流石にお互いに益があったとはいえ、これ以上得するようなことはさけたいのだ
簡単にお金や価値ある物が手に入りすぎてる為、レベル上げを怠りそうになりかねない
「なるほど、まぁノエル君と私の仲です、困ったことがあればいつでも言ってください」
「後テレシアを渡したら、そのお客様対応もやめて頂けたらと・・・僕も絵が好きでターナー先生がいっていた、絵画から描かれている情景が読み取ることがあるのです、僕の場合、風景画しか読み取ることができませんので」
「おぉ!?ノエル君もあの感覚が分かるのですね!なるほど、次回より同士として対応いたしましょう。ですが今日は砕けてしまうと商談とはかけ離れた話になりかねなかった為、最終締結が終わるまではここままでご了承ください・・・」
ターナー先生も頑張ってるんだな・・・
「分かりました、リコールを使う物件などのお話する際に、絵のこと教えて頂ければ嬉しいです。あっついたみたいですよ」
「そうですね、ではこちらにお願いします」
その後ターナー先生のアトリエの地下室でテレシアを渡し、サインを締結した瞬間に人が変わったようにターナー先生は喋りだしたのだ、ある程度話を聞いたら切り上げるように、今日は一人で地下室にこもるとのことだった
ぼくはそそくさとその場を後に宿屋へ歩いて帰るのだった
「あれ?おはようございます、時間は7時・・・はやいですね二人とも」
「おう・・・あのあと目が覚めて金貨2000枚が頭から離れない・・・」
「おはよ・・・うちも同じ・・・」
「以外に繊細なんですね二人とも」
「いやお前がおかしいだろ・・・多分これから冒険者として生きていく中でこれ以上のものは手に入らないんじゃないかと思うぜ」
「うん・・・金貨2000枚・・・手足が震えるもん・・・」
PTメンバーの中でもガサツ担当の二人がこんなになっているのは笑えるのだ
「フフフ、2人が面白いので当分絵は所有しとこうかな、それかどちらかに持ってもらうのもいいですね」
「ばっか、お前!責任もってお前が管理しろ!家を購入できるまで絶対死ぬんじゃねーぞ!」
「そうよ!絶対うちにわたさないでよ!破いたりでもしたら・・・せんせーに殺されちゃうかもしれないわ!」
ふふふ今日は朝から楽しいや
2人はなにも手をつかないし考えられない様で部屋にいるとのことだった
僕はメルさんのとこに行く前に市場でブラブラしてよさそうなものを購入し、メルさんのとこへ手土産をもってリコールを掛けにいった
リコールを掛けたあとに一緒にお茶をしながら、お客さんもよくきていたので接客なんかも少し手伝った、前世は営業だった為に、コミュ障ではあるが接客となると切り替えて出来るのだ
「ふー、ノエル君なんでも出来るのねー、冒険者やめてうちで働いてよー」
「それはちょっと難しいですね・・・でも、僕も楽しいのでこんな感じでお手伝いできる日はやりますよ」
前世ではお世辞にも仕事が好きとは言えなかった。生活の為仕方なくという感じだ、でもこの異世界だとなぜかやること全てが新鮮に感じ楽しいのだ
「あら本当?助かるわー」
メルさんにはこれからもお世話になるのだ、お互いがWinWinの関係を築くためにも日頃から恩返しをして置かなければ返せないのだ
午後となったので、宿屋に戻りアル達と合流した
ターナー先生のアトリエに着くまでにアルに釘をさす
「アル、ターナー先生に失礼のないようにお願いしますよ」
「いやお前がいうなよ」
「アハハいつも二人はじゃれあってるね」
今日はアルがいるのでゆっくりと街を見ることも無く、早足でターナー先生の家に着いた
コンコンとシスレーが昨日と同様に挨拶をする
「せんせー、こんにちはー」
すると中からダダダッと足音が聞こえ
ガチャっとドアが開かれた
「おぉノエル様、お待ちしておりましたよ!早速ですが現地を見にいきましょう!」
ノエル様?もうシスレーの仲間ではなくお客様扱いされてるのかな?少し寂しい
「ターナー先生、ノエルでいいですよ。こちら僕のPTリーダーのアルフレッドです」
「アルフレッドです、ターナーさん今回はよろしくお願いします」
アルは丁寧にあいさつをしたので以外だったが、金貨2000枚をだす相手だからそうなるか
「こちらこそよろしくお願いします、では早速いきましょう」
ターナー先生を先頭に物件へ向かうことになった、あの急かし様はテレシアが早く欲しいのだろう
候補は南側2軒と東側1軒の全部で3つらしい
まず東側が一番ちかいので歩いていくことになった
1軒のまえでターナ先生が止まりこちらですと紹介された
その家は豪邸と言えるものだった建物は3階建て、部屋数は3階に6部屋2階に8部屋、1階は大きな部屋が2つ
お風呂も大きなのがひとつ大浴場
庭も広く門もしっかりしていた、周りの環境もいいように感じる
「おいおいおい、とんでもねー豪邸だな・・・」
「ですねーすごい大きいですよこれは」
「お気に召して頂けましたか?こちらは私が調べた中でも一番のおすすめですよ」
ターナー先生も自信をもっていってるので本当にいい物件なのだろう
「ただこの地域は指定区域なので庭は広いですが簡易なものでも、増設ができませんことはご了承ください」
こんな完成されたものに増築なんて必要なさそうだが、なにか考えるひともいるんだな
「俺はかなり気に入ってるが、2人はどうだ?」
「僕もいいと思いますよ」
「う~ん・・・うちもいいと思うけど、せっかくだから南側もみてみたいな。先生が気合いれてさがしたのだから、そっちもいいはずだよ」
「それもそうか、ターナーさん南側も案内してもらえるか?」
「もちろんです、こちらより少し見劣りするかもしれませんが良い物件ですので、ではこちらの専用馬車で向かいましょう」
ターナーさんは馬車を手配し待機させていたのだ
馬車に揺られること10分、南側と言っても南東だったので直ぐについた
歩いても20分かそこらだったかもしれないのに、わざわざ馬車を用意していたターナー先生の気合の入り様が、また垣間見えた
「こちらが南側の2軒になります」
ターナー先生にそう紹介されたのは隣同士に隣接する2軒だったのだ
「この並んでいる2軒ですか?」
いちおう念の為確認をしてみる
「左様でございます、こちらは私が以前アトリエと家を兼ねて最初に建てたものだったのですが、アトリエの方が手狭になりましたので手放したものです。先ほどの物件にしたら1つ1つは見劣りしますが、もとは2つで1つのものですのでこちらは2軒での紹介になります」
ふむふむ、確かに先ほどの家よりいは1つ1つは小さいが合わせると、敷地はこちらの方が広いだろう
「なるほどな、俺たちの場合はこっちでもありだな」
「だねー、ほらうちの言った通り見といてよかったでしょ」
「ふふ、表の顔は孤児院で裏の顔はアルの隠れ家って感じですね」
「なんだよ隠れ家って・・・、ターナーさんどうしてアトリエと屋敷の間に柵を作ったんだ?これは売却用につけたのか?」
「いえこちらは・・・絵を描いているときは集中したいのですが、家族の口出しが年々大きくなってきてまして・・・」
「で、邪魔されないようにつけてそのままってことか」
「その通りでございます」
趣味人のような人そうだもんな、家族も苦労してるんだろうな
「せんせー、中もみたいです」
「うむ、ではこっちからみてみたまえ、お二人もこちらへどうぞお願いします」
向かって左がアトリエ、右が住居になっている物件だ
アトリエの方が住居より少し大きく感じるが気のせいだろうか・・・
どちらともお風呂はあり、台所もあることからターナー先生はアトリエで暮らすこと前提で建てたに違いない
住居の方が、建物の位置的な構造上庭が広く、家庭菜園やもう一棟建てても余るくらいの庭がある
こうなるとアトリエは僕達PT、住居は孤児院の割り振りになりそうだなと考えている
「ここは指定区域ではございませんので、増築や改築は自由に行えます」
「うん?じゃあ何でターナー先生は増築をしなかったのですか?先ほど手狭になったからと言ってたような」
矛盾があるような感じがしたので聞いてみる
「そうですね・・・はっきり言いますと、家族と離れて趣味には自由に接したかったが一番の理由ですかね・・・」
「なるほど・・・隣なので柵を作ってもあまり意味が無さそうですもんね」
2棟とも全体をみた感じ大した汚れや壊れている場所もなく、綺麗な状態だった
リコールを掛けて、家具をある程度揃えればすぐに住めるだろうと感じた
「アル、正直ぼくはこちらの2軒の方が好きです」
向こうは洋館風ですごい豪華で良かったが、住んでみたら落ち着かないような感じがしたからだ
「俺もだ、向こうは向こうで良かったがこっちの方が気を使わなくて済む」
「うちもこっちの方が落ち着くな」
シスレーも庶民派のようだ
「どうする?もう今決めるか?」
アルの行動力が炸裂しようとしている、でもこの建物で税金とかはどうなっているのだろうかこの大きさで孤児院は払い続けることは可能なのだろうか・・・
「ターナー先生、税金などはどうなっているのですか?」
「10年分の税金を上乗せした金額が売却価格になっております」
「ふむふむ・・・1年で2軒合わせるとどのくらいでしょうか?」
「なるほど、そこも気になっておいでですね・・・分かりました。50年は私どもの商会で負担させて頂きます」
え・・・こっちの維持費を知りたかっただけなのに、何やら交渉のようなことをしてしまったか・・・
「ターナーさん、今日買わせてもらうぜ!さっきの言葉が撤回されないうちに契約にはいろう」
「ではこちら2棟の購入でよろしいでしょうか」
「はい、いいよな二人とも?」
「はい、まだ考えたいような気もしますがアルに任せます」
「うちは早く自分の部屋を持ちたいから賛成!」
アルよ契約とかめんどくさそうな書類書きや説明はまかせました
「じゃあターナーさんこの2軒でよろしく頼むな」
「分かりました、ではアルフレッド様が契約主でよろしいでしょうか?」
ここだ、このタイミングだ
「はい、リーダーですのでお願いします。僕はリコールを掛けていてもいいですか?」
「ノエルお前さらっとめんどくさいこと擦り付けたな?」
呆れた目でこちらを見てくる
「いえいえ、ではアルが魔法なしで掃除をこの2軒ともしますか?」
「それもそうだな、俺はこういうのも慣れていかなければいけないしな」
「そうですよ、適材適所という言葉がありますから」
「ではアルフレッド様はこちらのもと住居のほうで書類の方をお願います、ノエル様はアトリエの方を自由にしていてください」
「シスレーはどうしますか?」
もう自分の部屋のインテリアのこと考えてるのかな?僕たちが話をしている間、上の空だったので一応声を掛けてみる
「うちはノエル君と掃除するよ、それにどの部屋がいいか吟味したいし」
部屋は早いもん勝ちかな~?シスレーにいい部屋占領されそうな気がした
「では、アルよろしくお願いします。ターナー先生も終わったらテレシアを指定場所に持っていきますので声を掛けてくださいね」
「おう、綺麗にしとけよー明日から住もうぜ!」
「テレシア!?ささっアルフレッド様私たちも急ぎましょう、説明することがやまほどありますゆえ」
そそくさとアルを引っ張るようにターナー先生は向こうの建物にいってしまった
「シスレー僕達も早速掃除をしましょう、といってもリコールを使うのですぐ終わると思いますが」
「すぐ終わったら、さっきは急ぎ足でみたから一部屋一部屋ゆっくりみていこうかな」
「ですね、インテリアや家具のレイアウトも考えて、長さや幅を図っておくのもいいかもしれませんね」
「そうよ!そうしよう!明日家具も見に行こう!」
やっぱり新居って気持ちが高まるな、インテリアや置くものいろいろと考えるだけでも楽しいもんね
全ての部屋をリコールで綺麗にし、部屋の寸法を簡単に図るが僕は空間魔法のおかげなのだろうか、物差しやメジャーがなくても感覚的に部屋の縦横が分かるのだ
アトリエの部屋割はこんな感じだ
1階はリビングと食堂と12畳の部屋が2、2階に10畳ぐらいの部屋が5
1階にお風呂がまあまあ大きい、大人が3人は入れるぐらいの浴槽があった
ターナーさんはかなりのお風呂好きなのだろう
地下室もありすこしひんやりしている。やはり電気がないので冷蔵庫がない為、食料は地下保管が基本のようだった
キッチンもあるがコンロのような物はない、何かいい物があるか探しにいこうと必要そうな物をメモしていく
一通りゆっくりみると、これは本当にアトリエなのだろうかと思えるほど住居としても完成されていた
「シスレーどこがいい部屋か目星はつきましたか?」
「う~ん、2階の南側の出窓がある部屋かな~、いや、その隣の小さいバルコニーが付いているのも捨てがたい・・・」
「確かにどの部屋もよかったですよね、壁紙もバラバラでしたもんね」
「せんせーのこだわりが見えたね、どこにしよう・・・」
シスレーがう~んと悩んでいる間にターナー先生とアルが契約を結んで戻ってきた
「おーう、おっめちゃ綺麗になってるじゃねーか」
「アルお疲れ様です、無事に終わりましたか?」
「おう、後はお前がターナーさんに無事絵画を渡して、この書類にサインを書けば終わりだ」
「おぉ!こんなに早くPTで拠点をもてるとは・・・ターナー先生ありがとうございました」
「いやいやお礼をいうのはこちらの方だよ、さっそくだが私のアトリエに来ていただけるかな?」
「分かりました、アルたちはどうしますか?」
ターナー先生がソワソワしているのがもう抑えれないのだろう、汗すらかいているようだ
「俺は疲れた、ここで休んでから、宿に戻る」
「うちももう少し部屋を吟味したいから、残るねー」
僕は二人と別れ、ターナー先生のアトリエに戻ることになった。待機していた馬車に乗り込み来た道を戻って行く
「ターナー先生、家具とかでいいお店しってますか?」
「うちの商会の系列に家具を取り扱っている店もあるので、そちらを紹介いたします。あとで私の名刺をお渡ししますので、そちらの店で見せて頂ければ、2割引きで買う事ができますよ」
「おぉ、ありがとうございます」
明日シスレーとアルを連れていってみようかな
「そうだノエル君、もし仕事の依頼をしたらいくらで受けて頂けますか?」
「仕事ですか?内容にもよりますが、僕は駆け出しでPTはまだシスレー以外Eランクですので、護衛などはまだ受けれないと思いますよ」
「いえ、先ほどアトリエだった家があんなにも綺麗になっていましたので、私どもが所有する他の物件にもその魔法を活用して頂きたく、依頼をしたいのです」
短時間で外壁の黒くなった部分がなくなり、建物自体が新築のような綺麗さになってたらそう思うかな
「そのくらいなら依頼と言わずにただでいいですよ」
「いえいえ、あの技術をただでとは流石に・・・」
「う~ん・・・知り合いの錬金術師さんにはただで掛けているので、ターナー先生だけからお金とるのも・・・また何かあれば相談に乗って頂ければ嬉しいのですが」
流石にお互いに益があったとはいえ、これ以上得するようなことはさけたいのだ
簡単にお金や価値ある物が手に入りすぎてる為、レベル上げを怠りそうになりかねない
「なるほど、まぁノエル君と私の仲です、困ったことがあればいつでも言ってください」
「後テレシアを渡したら、そのお客様対応もやめて頂けたらと・・・僕も絵が好きでターナー先生がいっていた、絵画から描かれている情景が読み取ることがあるのです、僕の場合、風景画しか読み取ることができませんので」
「おぉ!?ノエル君もあの感覚が分かるのですね!なるほど、次回より同士として対応いたしましょう。ですが今日は砕けてしまうと商談とはかけ離れた話になりかねなかった為、最終締結が終わるまではここままでご了承ください・・・」
ターナー先生も頑張ってるんだな・・・
「分かりました、リコールを使う物件などのお話する際に、絵のこと教えて頂ければ嬉しいです。あっついたみたいですよ」
「そうですね、ではこちらにお願いします」
その後ターナー先生のアトリエの地下室でテレシアを渡し、サインを締結した瞬間に人が変わったようにターナー先生は喋りだしたのだ、ある程度話を聞いたら切り上げるように、今日は一人で地下室にこもるとのことだった
ぼくはそそくさとその場を後に宿屋へ歩いて帰るのだった
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長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
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ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
人気MMOの最恐クランと一緒に異世界へ転移してしまったようなので、ひっそり冒険者生活をしています
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二〇八✕年、一世を風靡したフルダイブ型VRMMO『ユグドラシル』のサービス終了日。
七年ぶりにログインしたユウタは、ユグドラシルの面白さを改めて思い知る。
しかし、『時既に遅し』。サービス終了の二十四時となった。あとは強制ログアウトを待つだけ……
なのにログアウトされない! 視界も変化し、ユウタは狼狽えた。
当てもなく彷徨っていると、亜人の娘、ラミィとフィンに出会う。
そこは都市国家連合。異世界だったのだ!
彼女たちと一緒に冒険者として暮らし始めたユウタは、あるとき、ユグドラシル最恐のPKクラン、『オブト・ア・バウンズ』もこの世界に転移していたことを知る。
彼らに気づかれてはならないと、ユウタは「目立つような行動はせず、ひっそり生きていこう――」そう決意するのだが……
ゲームのアバターのまま異世界へダイブした冴えないサラリーマンが、チートPK野郎の陰に怯えながら『ひっそり』と冒険者生活を送っていた……はずなのに、いつの間にか救国の勇者として、『死ぬほど』苦労する――これは、そんな話。
*60話で完結(10万文字以上)→続編も決定!
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