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第40話 騎士団の実力
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次の朝、朝日が昇る頃に目が覚めた。
目を開き上体だけを起こすと、僕の目の前に広がっていた光景はちょうど朝日が顔を出しそうな時間帯だった
この高い景色からの朝日は、この世界を独り占めした気持ちになれた。
すると下には、丁度テントからを出てきたシスレーが見えた。
こっそりと音を立てない様子でテントを出たシスレーを気にかけ、ブリンクで下へと降りる事に。
「おはようございます」
「うわぁ!?ビックリした!?」
ぼくはブリンクでシスレーの後ろにとんで挨拶をした
「まだ朝はやいですよ、早起きですね」
「いやいや何をのんきな・・・そうだ昨日はありがとうね、泣いて一晩寝たらスッキリしたよ。それにこの服に魔法も掛けてくれてるんでしょ?」
シスレーの服は、僕が着替えを渡したもので無く、いつもの服装だった。リコールをかけたことで、ほつれた部分や切り裂かれた部分は塞がっているようだが、破けて布が無くなっている部分は修復されていなかった。
昨日の様子から変わって少しは持ち直したみたいだった。ナタリーも最初であった時にもそうだったが冒険者は死に対して、割り切っているのかもしれないな。
「いえいえ、あの服装は目のやり場にこまりましたので」
「あ~、心が傷ついている乙女になんて邪な考えをしてるのかな、お姉さんは悲しいよ」
そういうシスレーはいつもの調子に少し戻っていたが、やはり昨日の今日だ、年下に見える僕の手前、無理してるようにも感じた。
何か出来ることは無いかと、あたりを見渡す
まだ朝日は登り切っていないので、シスレーにも景色をみせてあげようと思いシスレーの手を握る
「ちょっといいですか?」
「えっ」
周りには朝早いことも合って、誰もいないのでブリンクを伸び伸びと使えるのだ。
「手を離さないで下さいね、いきますよー」
「え?なになに、どこへ?」
(ブリンク!)
キョトン顔のシスレーをよそに、すぐさま先ほどの場所へブリンクした。
さきほどよりも朝日が顔を見せ始めていた
「きゃっどこ!?え!?」
「ほらシスレーさん、景色をみてください綺麗ですよ」
戸惑っているシスレーに今の瞬間をみて貰いたかったので、景色をすすめる
「どこ!ここ!?え・・・本当だきれい・・・」
慌てていたシスレーだが景色を見ると、朝日が昇りきるのを黙ってみていた。朝日が昇り終わった頃に僕は場所を告げた。
「でもここ木の枝の上なので、落ちないようにしてくださいね」
説明すると、シスレーは恐る恐る下を覗き込んだ
「たっか!?え!?どうやって!?」
そういうシスレーは僕が握ったままの手を強く握り返していた。
「アハハ、驚いてばっかりですね、こっちへどうぞ」
シスレーを枝の中央へ引っ張るように連れていき、寝ていたシートを片付けて、イベントリから取り出したテーブルとイスを並べた
「お腹すいてませんか?食事でも一緒にどうですか」
続けてホットサンドとミルクティーの入ったポット、カップを取り出し並べ終わると、その一部始終を黙って見ていたシスレーが、やっと声を発した
「ちょっと!?どこからとりだしたの!?」
僕の行動全てに驚いているようだった
「ふふ、空間魔法はPTメンバー以外は知らないことなので内緒ですよ。ほら冷めてしまいますよ、なので食べましょうよ、僕はお腹すきました」
僕は戸惑うシスレーの背中を押して椅子に座らせた後に、カップにミルクティーを注ぐ。
トクトクトクと音を立て、いい香りと湯気があがる。う~ん、落ち着くいい匂いだ。
「じゃあ僕も座って・・・いただきます!モグモグ、あっこのホットサンド美味しい!」
昨日は晩御飯も食べずに寝たということで、僕はお腹ペコペコだった。一口パクっとかじるとその美味しさに止まらずモグモグと食べていく
僕の様子をみて、シスレーもようやくホットサンドとミルクティーに手を伸ばした
「おいしい!出来立てのよう・・・ミルクティーも熱々・・・温かい・・・」
「イベントリでしまってるからですね、あとここにきたのは単距離テレポートっていう魔法です」
僕は簡単に説明をした
「君って・・・もしかしてすごい魔法使いだったの?」
手に持っているホットサンドと僕を交互に見ているシスレー
「いえ全然ですよ、駆け出しの冒険者です。祝福もまだ2回しかうけてませんよ、さっきも言いましたけど、PTメンバー以外、この魔法のことは知らないので内緒ですよ」
僕は人差し指を口の前に立ててニッと笑う
「ふ~ん・・・なんで私には魔法が使えるってばらしたの?」
「運命を感じました!ってのは冗談で、この景色を誰かと一緒に共有したかったんです。それにシスレーさんがどこかへ行ってしまいそうだったので、どこにも行けないように・・・やってることは拉致ですね」
僕は喋っている途中で、気づいて笑ってそういった
「たしかに逃げ場ないね」
シスレーも笑ってそう答え
「でも元気でた!迷ってたけど、こういう景色みる為に冒険者は続けるよ!」
シスレーはそう言って立ち上がった
「ふふ、シスレーさんは元気な方が似合ってますよ。落ち込まないでとは言いませんが、また気が滅入った時はどこかいい場所探しておくので、そこで食事や風景を楽しみましょう」
「ノエル君やさしいね・・・その時は頼むね」
シスレーが少し元気を取り戻したようで、僕たちはそこでゆっくりとご飯を食べた。
「じゃあ戻りましょうか、僕も昨日の夜からここにいたのでPTメンバーに心配掛けてると思うので」
「ご馳走さまでした。うん、そうしよう。」
シスレーの手を取り、人気がいない場所に降りた
下に降りると、シスレーと一緒にアルたちが集まっているとこに戻る。案の定、アルに頭をはたかれ、ティアとナタリーにもはたかれた。やはり戻らなかった事で心配させていたようだ。
「ったく、どこかいくなら一言ぐらいかけていけ!人が心配してたっていうのに、お前は女を連れて朝に戻ってくるって、昨日死にかけたのにお前の神経はどうなってんだ・・・」
アルはぼやいているが、何か違う勘違いもしている
「すいません・・・でも誤解であります!」
僕はシスレーを紹介して、シスレーにもアルたちを紹介した後、後発組の生き残りでPTメンバーを失くしたと説明をした
「アル、今回の討伐隊だけでもシスレーさんを一時的にPTに入れてくれませんか?」
このPTのリーダーはアルなのだ、シスレーと仲良くなったからと言って僕の判断でPTに誘うことが出来ず、アルのとこまで連れてきたのだ
「えっ!?ちょっと君、そこまで迷惑かけれないよ」
シスレーは僕の提案が唐突だった為に、困惑して否定する
「あぁ俺は別に構わないぜ」
だがアルは即答する、こういう時に悩まず即答できるアルを心から尊敬する。
「私もいいよー、昨日の戦闘を一緒に乗り切った仲間だね」
「あなたも一人では大変じゃなくて?物資もみたところないのでしょう?」
ティアとナタリーも賛成してくれた。
「えっと・・・いいのでしょうか?私としては助かるのですが」
少し、しおらしいシスレーが新鮮で面白い
「大丈夫ですよ、僕は余分にたくさん物資をもっていますし、食料もここにいる全員が3週間は食べれるだけの準備をティアとしています」
そういいティアに親指をたてると、ティアもニコっと笑い親指を立てて返事をしてくれる。
「では、少しの間ですがよろしくお願いします」
シスレーはぺこっとおじぎをした
「あんた見た所斥候職だろ?うちには今、斥候役は兼任でティアがしているが本職じゃない。今回ともに行動して気に入ってくれたら言ってくれ」
アルがまだ固いシスレーにそういってくれた
かぁっ~こいつはどこまでイケメンなのだ、僕は心の中でそう思ったがアルの優しさに笑みがこぼれ、アルをニマニマ見ていた
「あとこいつはたまに、こんなむかつく顔するからその時は、頭はたいたほうがいいぞ」
そういい頭をはたかれた
「あっ了解でーす」
そういいシスレーは少しくだけた口調になり僕の頭を軽くポンとしたのだった。
僕たちに一時的にシスレーが仲間になり、その日の討伐隊の予定は急遽変更となっていた。
サイシアールへ向かうのでなく、昨日魔物から襲撃があった森の掃討作戦になった。
魔物の数からして、森に潜んでいるやつらが大半を占めているようだったのだ
戦える者はベースキャンプに残らずに、一緒に森へ討伐に参加するようだった。
下手にベースキャンプに残ればそこを襲われたら、そっちの方が危険だからだと思う
骨砕きも左手を失ってもなお戦うのか鎧をつけ背中に武器を背負っている。
そして森の掃討戦が始まった。僕やティア、シスレーは昨日の奇襲を経験している為、森へ入ることには少しの不安が残る形ではあった。
だが騎士や兵士たちは統率のとれた歩みで森の中を進み、次々と魔物を倒していく様子は後ろから見ていても安心感があった。
僕達、冒険者は騎士達が倒した魔物の死体から魔石の回収などをする事しかないぐらいに騎士達が魔物を次々と倒していくのだ。
その中であぶれた敵などは冒険者も戦う、それぐらい騎士達だけで何とかなっていた。
その中でアルもあぶれた敵へ積極的に戦闘を仕掛けていく為に、PTの僕らもそれに続く。
シスレーをいれた最初の戦いになったが、初めてとは言えないぐらいにPTメンバーと息があっていた。
多分、シスレーがみんなに合わせているのだろうか、視野がとても広いように思えた。
シスレーはダガーの二刀流。身のこなしが軽い動きで敵を翻弄する。
攻撃力はあまりないようだが、敵を引き付け攻撃をかわし何度もきりつける手数重視の戦い方をしていた。
敵の動きが悪くなってくるとサッと引いて下がると、アルがその隙に重い一撃を叩きこむ。
ティアが遠距離から攻撃をし、敵がよろけると素早く近づき急所に一撃を与える
ダメージを負ってしまうと、ナタリーの視界に入り込むようにいい位置をとる
全員とかなり連携がとれている、打ち合わせなどはほとんどしていないのにだ
はえーと感心して僕はみんなの戦闘をみているだけだった。
そんなことで、昨日とは打って変わり、今日の森の掃討作戦は無事に死傷者を出さずに終わりを告げた。
恐らくこれが騎士団やギルドが、思い描いていた討伐の様子なのだろう。今回は急ぎという事で、すぐに出発できる騎士団と依頼を出さなければ集まらない冒険者とでのラグがあった為におきた悲劇のようだった。
ベースキャンプに戻りながら、ふとアルが声をかけてきた。
「ノエル、お前なにか今日したか?」
なにをこいつは失礼なことを!
「えっ!?戦っていたじゃないですか!・・・あれっ?戦ってない・・・?」
反論しようとしたが、思い返す中で自分は戦ってはいなかった。
あぶれた敵を倒すだけだったので、まとめて敵がいたわけではなかった。それにシスレーが活躍したおかげで僕の魔法はほぼ使う機会がなかったのだ
「あっ確かにノエル君、戦闘で魔法使ったのみてないかも」
ティアも思い出すようにいう
「あら?そうですわね・・・」
「うちもみてないよ」
ナタリーとシスレーも続く
「確かに戦闘ではシスレーさんが優秀だったので、何もやることがありませんでしたがほら!今日はそれだけじゃありませんよ!剥ぎ取りなどで活躍・・・あれ?」
弁解しようとするが、剥ぎ取りはホーンビット狩りからしないと決めていた。
みんながはぎとった素材をイベントリにしまっていたり、そのまま丸々イベントリにいれているだけだ。
「えっと!リコールと荷物運びを今日はメインにしていました!」
ナイス切り返しと僕は思ったが、アルにため息をつかれたが
「まぁ、ポーターなんて役職もあるからな、そういえば今日はオーク肉がたくさん手に入ってるよな」
アルのいいたいことが分かったのだ、討伐隊として働いていない為、今日の給仕をしろということなのだ
「もちろん!やらせていただきます!」
僕は元気よく答えて
アルもにっこりしているのでこれで、あっていたのだろう
イベントリには調理済みの食べ物があったが、野営ということなのでオーク肉の焼肉と野菜たちでBBQをした、串に肉や野菜を一緒にさして、直火でたれを上から垂らしながら焼いた
アルはもちろんシスレーも満足してくれたようだ
シスレーは前のPTでリーダーということもあり、コミュニケーション能力が高く、今日一日で僕よりもこのPTに馴染んでいる様に感じた
片付けを終えて、アルは騎士団に明日の予定を聞きにいくようだったので、僕は暇つぶしがてらアルについて行った
明日はサイシアールに向けて進軍するようだ、西門と北門に分かれて街に入るらしい
明日の予定、作戦を聞いた後に、アルと二人でPT用のテントへ帰る途中に気になる事を質問。
「明日はサイシアールですね、そういえばあの西の村はどうなってたんですか?」
サイシアールから逃げ、次の日に泊まった村のことを聞いた
「あぁあの村か・・・何も残っていなかったぜ、村人は全員殺されていた」
アルは口を重たくそういった
「そうですか・・・」
僕達でもギリギリだったのだ、そんなことは分かっていたが気になっていたのだ。その話はそれだけで終わった。
みんなの所へ戻ると今回はシスレーもいるということで、男と女のテントは分けていたのだ。
いつもダンジョンでは同じ部屋に泊まっていたが、シスレーは男仲間に昔いい思い出が無いとPTメンバーに伝えていたので、別々にしている。
「そうだ!アルいい眺めのとこがあるのですが、そこで野営しませんか」
僕はまたあの日が昇っていく景色がみたくてそう提案した
「おっそんなとこあるのか?いいぜ、いくか」
テントを張ってあったので、しまっていると他の女性たちが気になってテントから出てきた
「なんでテントしまってるの?」
ティアがきいてくる
「いい場所があるので、そこにいこうかと」
「えー、自分たちだけー?」
「いい場所って今日の朝の場所?」
僕が答えると、ティアとシスレーがきいてくる
「はいそうですよ!定員は2名なのです、ではおやすみなさい!」
そういうと同時にアルの腕をつかみ、ブリンクした
「ッ!?ぉーすげー!星がいつもより近くにかんじるぜ」
アルはその景色に楽しそうだ
「昨日の夜は景色を楽しまずに寝てしまいましたが、夜もいいですね!」
この世界は空気が澄んで星が綺麗なのだ
「なんであいつらを連れてきてやらなかったんだ?」
アルは僕がみんなを連れてこなかったわけを聞いた
「ここ高さ30mぐらい上にいるんですよ、もし落ちてしまっても一人なら助けれますが2人以上落ちてしまったら多分どちらかは助けれないので」
そう告げたあと、すり足で枝の淵までいくとアルは下を覗き込んだ
「うわっ!?たけー!?お前こんな場所で昨日ねたのか?やっぱお前おかしーわ」
(何をこいつーーー!)
折角連れてきたのに、相手を間違えたと後悔し
「アル一人をここに置いていくこともできるんですよ?」
目を細めボソっと呟くと
「あぁそうだな!まぁ人間一人になりたい時もあるか、そうだ酒もってきてるか?」
アルは手のひらをひっくり返し酒の要求をしてきた
「あの酔って絶対落ちないでよ!洒落にならないので!」
「分かってるって!ほら出してくれよ」
僕はエールとナッツを取り出して、2人で星空をみながらどうでもいい会話をしながら夜が更けていった
翌朝アルに日の出を見せたかったのに、朝寝起きが悪いアルは起きなかったのはいうまでもないだろう・・・ティアかナタリーを誘えばよかったと後悔した
サイシアールの出発時間に迫り、女性達と合流する為に下に戻るとティアとナタリーに睨まれた
「なんで置いていくのよー」
「そうですわ!」
昨日シスレーにどんな場所かきいたのだろう、朝いちばんに挨拶をとばしそう言われる
「おはようございます、えっと結構危ない場所なので、僕一人ではみんなでいくと守り切れないので」
「いやー、でも楽しかったな!あの場所で酒飲むのはなんか格別に美味しく感じたぜ」
アル・・・その素直なとこは君の美徳だ、正直朝のことで連れて行ったことを後悔したがそういわれると悪い気はしない、むしろ連れて行ってよかったと思えた
ただ今じゃないんだよ
「幅が3mぐらいあるんでしょ?シスレーから聞いたよ、全然危なくないじゃん」
ティアから突っ込みが入る
「でも地上から30mですよ、万が一があるので。それにアルは足を滑らせて落ちそうになりました!」
そうなのだ。結局酒が入り、少し足がふらついたようで落ちそうになったが、蜘蛛の魔物の糸をアルの足にこっそり括りつけていたので落ちはしなかった
アルはふ~んとすました顔でぽりぽりとほほをかいている
そんなこんなで、次のいい場所があればみんなで行くことがになった
気持ちを切り替えて、今日はサイシアールを奪還するのだ
あと魔物の数は500匹ぐらいだろうと予測されている、騎士団は500人はいるので人数的にはイーブンだ
目を開き上体だけを起こすと、僕の目の前に広がっていた光景はちょうど朝日が顔を出しそうな時間帯だった
この高い景色からの朝日は、この世界を独り占めした気持ちになれた。
すると下には、丁度テントからを出てきたシスレーが見えた。
こっそりと音を立てない様子でテントを出たシスレーを気にかけ、ブリンクで下へと降りる事に。
「おはようございます」
「うわぁ!?ビックリした!?」
ぼくはブリンクでシスレーの後ろにとんで挨拶をした
「まだ朝はやいですよ、早起きですね」
「いやいや何をのんきな・・・そうだ昨日はありがとうね、泣いて一晩寝たらスッキリしたよ。それにこの服に魔法も掛けてくれてるんでしょ?」
シスレーの服は、僕が着替えを渡したもので無く、いつもの服装だった。リコールをかけたことで、ほつれた部分や切り裂かれた部分は塞がっているようだが、破けて布が無くなっている部分は修復されていなかった。
昨日の様子から変わって少しは持ち直したみたいだった。ナタリーも最初であった時にもそうだったが冒険者は死に対して、割り切っているのかもしれないな。
「いえいえ、あの服装は目のやり場にこまりましたので」
「あ~、心が傷ついている乙女になんて邪な考えをしてるのかな、お姉さんは悲しいよ」
そういうシスレーはいつもの調子に少し戻っていたが、やはり昨日の今日だ、年下に見える僕の手前、無理してるようにも感じた。
何か出来ることは無いかと、あたりを見渡す
まだ朝日は登り切っていないので、シスレーにも景色をみせてあげようと思いシスレーの手を握る
「ちょっといいですか?」
「えっ」
周りには朝早いことも合って、誰もいないのでブリンクを伸び伸びと使えるのだ。
「手を離さないで下さいね、いきますよー」
「え?なになに、どこへ?」
(ブリンク!)
キョトン顔のシスレーをよそに、すぐさま先ほどの場所へブリンクした。
さきほどよりも朝日が顔を見せ始めていた
「きゃっどこ!?え!?」
「ほらシスレーさん、景色をみてください綺麗ですよ」
戸惑っているシスレーに今の瞬間をみて貰いたかったので、景色をすすめる
「どこ!ここ!?え・・・本当だきれい・・・」
慌てていたシスレーだが景色を見ると、朝日が昇りきるのを黙ってみていた。朝日が昇り終わった頃に僕は場所を告げた。
「でもここ木の枝の上なので、落ちないようにしてくださいね」
説明すると、シスレーは恐る恐る下を覗き込んだ
「たっか!?え!?どうやって!?」
そういうシスレーは僕が握ったままの手を強く握り返していた。
「アハハ、驚いてばっかりですね、こっちへどうぞ」
シスレーを枝の中央へ引っ張るように連れていき、寝ていたシートを片付けて、イベントリから取り出したテーブルとイスを並べた
「お腹すいてませんか?食事でも一緒にどうですか」
続けてホットサンドとミルクティーの入ったポット、カップを取り出し並べ終わると、その一部始終を黙って見ていたシスレーが、やっと声を発した
「ちょっと!?どこからとりだしたの!?」
僕の行動全てに驚いているようだった
「ふふ、空間魔法はPTメンバー以外は知らないことなので内緒ですよ。ほら冷めてしまいますよ、なので食べましょうよ、僕はお腹すきました」
僕は戸惑うシスレーの背中を押して椅子に座らせた後に、カップにミルクティーを注ぐ。
トクトクトクと音を立て、いい香りと湯気があがる。う~ん、落ち着くいい匂いだ。
「じゃあ僕も座って・・・いただきます!モグモグ、あっこのホットサンド美味しい!」
昨日は晩御飯も食べずに寝たということで、僕はお腹ペコペコだった。一口パクっとかじるとその美味しさに止まらずモグモグと食べていく
僕の様子をみて、シスレーもようやくホットサンドとミルクティーに手を伸ばした
「おいしい!出来立てのよう・・・ミルクティーも熱々・・・温かい・・・」
「イベントリでしまってるからですね、あとここにきたのは単距離テレポートっていう魔法です」
僕は簡単に説明をした
「君って・・・もしかしてすごい魔法使いだったの?」
手に持っているホットサンドと僕を交互に見ているシスレー
「いえ全然ですよ、駆け出しの冒険者です。祝福もまだ2回しかうけてませんよ、さっきも言いましたけど、PTメンバー以外、この魔法のことは知らないので内緒ですよ」
僕は人差し指を口の前に立ててニッと笑う
「ふ~ん・・・なんで私には魔法が使えるってばらしたの?」
「運命を感じました!ってのは冗談で、この景色を誰かと一緒に共有したかったんです。それにシスレーさんがどこかへ行ってしまいそうだったので、どこにも行けないように・・・やってることは拉致ですね」
僕は喋っている途中で、気づいて笑ってそういった
「たしかに逃げ場ないね」
シスレーも笑ってそう答え
「でも元気でた!迷ってたけど、こういう景色みる為に冒険者は続けるよ!」
シスレーはそう言って立ち上がった
「ふふ、シスレーさんは元気な方が似合ってますよ。落ち込まないでとは言いませんが、また気が滅入った時はどこかいい場所探しておくので、そこで食事や風景を楽しみましょう」
「ノエル君やさしいね・・・その時は頼むね」
シスレーが少し元気を取り戻したようで、僕たちはそこでゆっくりとご飯を食べた。
「じゃあ戻りましょうか、僕も昨日の夜からここにいたのでPTメンバーに心配掛けてると思うので」
「ご馳走さまでした。うん、そうしよう。」
シスレーの手を取り、人気がいない場所に降りた
下に降りると、シスレーと一緒にアルたちが集まっているとこに戻る。案の定、アルに頭をはたかれ、ティアとナタリーにもはたかれた。やはり戻らなかった事で心配させていたようだ。
「ったく、どこかいくなら一言ぐらいかけていけ!人が心配してたっていうのに、お前は女を連れて朝に戻ってくるって、昨日死にかけたのにお前の神経はどうなってんだ・・・」
アルはぼやいているが、何か違う勘違いもしている
「すいません・・・でも誤解であります!」
僕はシスレーを紹介して、シスレーにもアルたちを紹介した後、後発組の生き残りでPTメンバーを失くしたと説明をした
「アル、今回の討伐隊だけでもシスレーさんを一時的にPTに入れてくれませんか?」
このPTのリーダーはアルなのだ、シスレーと仲良くなったからと言って僕の判断でPTに誘うことが出来ず、アルのとこまで連れてきたのだ
「えっ!?ちょっと君、そこまで迷惑かけれないよ」
シスレーは僕の提案が唐突だった為に、困惑して否定する
「あぁ俺は別に構わないぜ」
だがアルは即答する、こういう時に悩まず即答できるアルを心から尊敬する。
「私もいいよー、昨日の戦闘を一緒に乗り切った仲間だね」
「あなたも一人では大変じゃなくて?物資もみたところないのでしょう?」
ティアとナタリーも賛成してくれた。
「えっと・・・いいのでしょうか?私としては助かるのですが」
少し、しおらしいシスレーが新鮮で面白い
「大丈夫ですよ、僕は余分にたくさん物資をもっていますし、食料もここにいる全員が3週間は食べれるだけの準備をティアとしています」
そういいティアに親指をたてると、ティアもニコっと笑い親指を立てて返事をしてくれる。
「では、少しの間ですがよろしくお願いします」
シスレーはぺこっとおじぎをした
「あんた見た所斥候職だろ?うちには今、斥候役は兼任でティアがしているが本職じゃない。今回ともに行動して気に入ってくれたら言ってくれ」
アルがまだ固いシスレーにそういってくれた
かぁっ~こいつはどこまでイケメンなのだ、僕は心の中でそう思ったがアルの優しさに笑みがこぼれ、アルをニマニマ見ていた
「あとこいつはたまに、こんなむかつく顔するからその時は、頭はたいたほうがいいぞ」
そういい頭をはたかれた
「あっ了解でーす」
そういいシスレーは少しくだけた口調になり僕の頭を軽くポンとしたのだった。
僕たちに一時的にシスレーが仲間になり、その日の討伐隊の予定は急遽変更となっていた。
サイシアールへ向かうのでなく、昨日魔物から襲撃があった森の掃討作戦になった。
魔物の数からして、森に潜んでいるやつらが大半を占めているようだったのだ
戦える者はベースキャンプに残らずに、一緒に森へ討伐に参加するようだった。
下手にベースキャンプに残ればそこを襲われたら、そっちの方が危険だからだと思う
骨砕きも左手を失ってもなお戦うのか鎧をつけ背中に武器を背負っている。
そして森の掃討戦が始まった。僕やティア、シスレーは昨日の奇襲を経験している為、森へ入ることには少しの不安が残る形ではあった。
だが騎士や兵士たちは統率のとれた歩みで森の中を進み、次々と魔物を倒していく様子は後ろから見ていても安心感があった。
僕達、冒険者は騎士達が倒した魔物の死体から魔石の回収などをする事しかないぐらいに騎士達が魔物を次々と倒していくのだ。
その中であぶれた敵などは冒険者も戦う、それぐらい騎士達だけで何とかなっていた。
その中でアルもあぶれた敵へ積極的に戦闘を仕掛けていく為に、PTの僕らもそれに続く。
シスレーをいれた最初の戦いになったが、初めてとは言えないぐらいにPTメンバーと息があっていた。
多分、シスレーがみんなに合わせているのだろうか、視野がとても広いように思えた。
シスレーはダガーの二刀流。身のこなしが軽い動きで敵を翻弄する。
攻撃力はあまりないようだが、敵を引き付け攻撃をかわし何度もきりつける手数重視の戦い方をしていた。
敵の動きが悪くなってくるとサッと引いて下がると、アルがその隙に重い一撃を叩きこむ。
ティアが遠距離から攻撃をし、敵がよろけると素早く近づき急所に一撃を与える
ダメージを負ってしまうと、ナタリーの視界に入り込むようにいい位置をとる
全員とかなり連携がとれている、打ち合わせなどはほとんどしていないのにだ
はえーと感心して僕はみんなの戦闘をみているだけだった。
そんなことで、昨日とは打って変わり、今日の森の掃討作戦は無事に死傷者を出さずに終わりを告げた。
恐らくこれが騎士団やギルドが、思い描いていた討伐の様子なのだろう。今回は急ぎという事で、すぐに出発できる騎士団と依頼を出さなければ集まらない冒険者とでのラグがあった為におきた悲劇のようだった。
ベースキャンプに戻りながら、ふとアルが声をかけてきた。
「ノエル、お前なにか今日したか?」
なにをこいつは失礼なことを!
「えっ!?戦っていたじゃないですか!・・・あれっ?戦ってない・・・?」
反論しようとしたが、思い返す中で自分は戦ってはいなかった。
あぶれた敵を倒すだけだったので、まとめて敵がいたわけではなかった。それにシスレーが活躍したおかげで僕の魔法はほぼ使う機会がなかったのだ
「あっ確かにノエル君、戦闘で魔法使ったのみてないかも」
ティアも思い出すようにいう
「あら?そうですわね・・・」
「うちもみてないよ」
ナタリーとシスレーも続く
「確かに戦闘ではシスレーさんが優秀だったので、何もやることがありませんでしたがほら!今日はそれだけじゃありませんよ!剥ぎ取りなどで活躍・・・あれ?」
弁解しようとするが、剥ぎ取りはホーンビット狩りからしないと決めていた。
みんながはぎとった素材をイベントリにしまっていたり、そのまま丸々イベントリにいれているだけだ。
「えっと!リコールと荷物運びを今日はメインにしていました!」
ナイス切り返しと僕は思ったが、アルにため息をつかれたが
「まぁ、ポーターなんて役職もあるからな、そういえば今日はオーク肉がたくさん手に入ってるよな」
アルのいいたいことが分かったのだ、討伐隊として働いていない為、今日の給仕をしろということなのだ
「もちろん!やらせていただきます!」
僕は元気よく答えて
アルもにっこりしているのでこれで、あっていたのだろう
イベントリには調理済みの食べ物があったが、野営ということなのでオーク肉の焼肉と野菜たちでBBQをした、串に肉や野菜を一緒にさして、直火でたれを上から垂らしながら焼いた
アルはもちろんシスレーも満足してくれたようだ
シスレーは前のPTでリーダーということもあり、コミュニケーション能力が高く、今日一日で僕よりもこのPTに馴染んでいる様に感じた
片付けを終えて、アルは騎士団に明日の予定を聞きにいくようだったので、僕は暇つぶしがてらアルについて行った
明日はサイシアールに向けて進軍するようだ、西門と北門に分かれて街に入るらしい
明日の予定、作戦を聞いた後に、アルと二人でPT用のテントへ帰る途中に気になる事を質問。
「明日はサイシアールですね、そういえばあの西の村はどうなってたんですか?」
サイシアールから逃げ、次の日に泊まった村のことを聞いた
「あぁあの村か・・・何も残っていなかったぜ、村人は全員殺されていた」
アルは口を重たくそういった
「そうですか・・・」
僕達でもギリギリだったのだ、そんなことは分かっていたが気になっていたのだ。その話はそれだけで終わった。
みんなの所へ戻ると今回はシスレーもいるということで、男と女のテントは分けていたのだ。
いつもダンジョンでは同じ部屋に泊まっていたが、シスレーは男仲間に昔いい思い出が無いとPTメンバーに伝えていたので、別々にしている。
「そうだ!アルいい眺めのとこがあるのですが、そこで野営しませんか」
僕はまたあの日が昇っていく景色がみたくてそう提案した
「おっそんなとこあるのか?いいぜ、いくか」
テントを張ってあったので、しまっていると他の女性たちが気になってテントから出てきた
「なんでテントしまってるの?」
ティアがきいてくる
「いい場所があるので、そこにいこうかと」
「えー、自分たちだけー?」
「いい場所って今日の朝の場所?」
僕が答えると、ティアとシスレーがきいてくる
「はいそうですよ!定員は2名なのです、ではおやすみなさい!」
そういうと同時にアルの腕をつかみ、ブリンクした
「ッ!?ぉーすげー!星がいつもより近くにかんじるぜ」
アルはその景色に楽しそうだ
「昨日の夜は景色を楽しまずに寝てしまいましたが、夜もいいですね!」
この世界は空気が澄んで星が綺麗なのだ
「なんであいつらを連れてきてやらなかったんだ?」
アルは僕がみんなを連れてこなかったわけを聞いた
「ここ高さ30mぐらい上にいるんですよ、もし落ちてしまっても一人なら助けれますが2人以上落ちてしまったら多分どちらかは助けれないので」
そう告げたあと、すり足で枝の淵までいくとアルは下を覗き込んだ
「うわっ!?たけー!?お前こんな場所で昨日ねたのか?やっぱお前おかしーわ」
(何をこいつーーー!)
折角連れてきたのに、相手を間違えたと後悔し
「アル一人をここに置いていくこともできるんですよ?」
目を細めボソっと呟くと
「あぁそうだな!まぁ人間一人になりたい時もあるか、そうだ酒もってきてるか?」
アルは手のひらをひっくり返し酒の要求をしてきた
「あの酔って絶対落ちないでよ!洒落にならないので!」
「分かってるって!ほら出してくれよ」
僕はエールとナッツを取り出して、2人で星空をみながらどうでもいい会話をしながら夜が更けていった
翌朝アルに日の出を見せたかったのに、朝寝起きが悪いアルは起きなかったのはいうまでもないだろう・・・ティアかナタリーを誘えばよかったと後悔した
サイシアールの出発時間に迫り、女性達と合流する為に下に戻るとティアとナタリーに睨まれた
「なんで置いていくのよー」
「そうですわ!」
昨日シスレーにどんな場所かきいたのだろう、朝いちばんに挨拶をとばしそう言われる
「おはようございます、えっと結構危ない場所なので、僕一人ではみんなでいくと守り切れないので」
「いやー、でも楽しかったな!あの場所で酒飲むのはなんか格別に美味しく感じたぜ」
アル・・・その素直なとこは君の美徳だ、正直朝のことで連れて行ったことを後悔したがそういわれると悪い気はしない、むしろ連れて行ってよかったと思えた
ただ今じゃないんだよ
「幅が3mぐらいあるんでしょ?シスレーから聞いたよ、全然危なくないじゃん」
ティアから突っ込みが入る
「でも地上から30mですよ、万が一があるので。それにアルは足を滑らせて落ちそうになりました!」
そうなのだ。結局酒が入り、少し足がふらついたようで落ちそうになったが、蜘蛛の魔物の糸をアルの足にこっそり括りつけていたので落ちはしなかった
アルはふ~んとすました顔でぽりぽりとほほをかいている
そんなこんなで、次のいい場所があればみんなで行くことがになった
気持ちを切り替えて、今日はサイシアールを奪還するのだ
あと魔物の数は500匹ぐらいだろうと予測されている、騎士団は500人はいるので人数的にはイーブンだ
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