それでも僕は空を舞う

mission UNKNOWN Don't flag it！

前半ガチ目の話
後半ネタ






ビーチへの上陸作戦から２日、
陸上部隊は快進撃を進め
2日間で首都まで残り500km地点まで進軍した
まぁその間、戦地がどんどん離れていく基地航空隊にとっては暇だったのだが



「なぁ芹奈、お前なんでこんな仕事選んだんだ？」

「え、面白くもない話聞く？」

「あぁ、出撃もないし暇だしな」

「あたし、ヒリョー諸島の出身なんだよね」

ヒリョー諸島、レモラとの国境に位置し
今回の戦争で一番最初にレモラに占領された地域
大小様々な島々が浮き漁業が盛んな南方の島々だ

「大人たちには言ってなかったんだけど、
　VTOL戦闘機とかが飛んできてたんだよねレモラから」

「は……」

「で、ヘリポートみたいなのも作ってあって子供は
　よくレモラのパイロットたちに遊んでもらってたわけ
　ひこーきかっこいなって思ってたら整備士になってた」

芹奈の話を信じるとすれば10年以上前から
この戦争は考えられていたことになる
それに、VTOL戦闘機…？

「その中に、1人なんか優しいパイロットの人がいてね
　なんだったけなぁ……ハリアーじゃねぇや
　マリアー？　あっそうそうセントス・マリアーだ」

「今じゃ結構のおじさんだろうけど
　その人の腕がすごくてね加速した状態からレシプロ機みたいに急旋回したり
　今考えるとパイロットじゃなくて飛行機の性能だったのかも」


「…………セントス……マリアー……レモラ空軍少佐……あのアンノウン機の……」

「ん？どうした」

「そいつ………仇かたきだ」

「え、まさか……」

「そのまさかだろう…… まぁ過ぎたことだがな」

「芹奈、そのVTOL機の形状は」

芹奈にはあのアンノウン機の特徴は言っていない

「こんな感じ」

そう言って土に描いた機体は
三面翼スリーサーフェイスの前進翼機

「黒か」

「え」

「完全にあの機体と一緒だ」

「………」

「もういい　今更考えても仕方のないことだ」



「……………空音、なんであんたはパイロットに？」

「俺の場合は単純さ、家の裏が基地だった
　毎日のように轟音を響かせながら空を舞う戦闘機に憧れたんだ」

「単純明快ね」

「まぁ、その基地に配備されてたのは戦闘機じゃなくてAー5ヴィジランティだったけどな」

「……………」

「なぁ芹奈………………この戦争終わったら、俺と……」

「はーい　ストップー！　フラグ立てんな！」

芹那が投げたスパナがまた空音を直撃した