65 / 402
ドューワ国編
100.土竜とか、海月とか、海星とか、心太とか、
しおりを挟む
「じゃあ、ユキノちゃんが人間の文字を読み書きできるようになるのと、俺が魔物文字を読み書きできるようになるの、どっちが早いか競争ね? 負けたほうは勝ったほうの言うことを、何でも一つ聞くの」
ぴしりと、音を立てて雪乃は石化した。
ムツゴロー湿原に入ってしばらくした頃から、雪乃はノムルにこの世界の文字を教えてもらっていた。
基本の文字は憶えたのだが、そこから中々進んでいないのだ。騒動があったことはもちろんだが、雪乃は元々、短期間で異国語をマスターできるほど、高スペックではない。
ぎぎぎっと、錆びた金属のような音を立てて見上げると、ノムルがにっこり笑みを浮かべていた。
「ハンデはしっかり与えてるよね?」
と、目が言っている。
先に学び始めたのは雪乃であるし、難易度も日本語に比べれば低いはずだ。
有無を言わさぬ視線に抵抗できなかった雪乃の首は、意思に反して頷いていた。
(だ、大丈夫。いざとなったら、土竜とか、海月とか、海星とか、心太とか、土筆とか、負けない方法はある!)
何とも小賢しい手段を思い浮かべているようだ。それらがこの世界にあるとは限らないと、思い至ることもなく。
「良いでしょう。その勝負、受けて立ちます!」
きゅぴーんっと葉をきらめかせて言い放った雪乃は、自分が追い込まれようとしていることに、気付いていなかった。そして、
「言質は取ったからねー。約束を破っちゃだめだよー」
「……ハイ」
すぐに自分の言動に後悔したのだった。
ご機嫌なノムルは、森の中を鼻歌交じりにずんずん進んで行く。後ろを行く雪乃は、肩を落としてどんより進んで行く。
「ほらー、ユキノちゃん、もっと明るくしないとー」
「誰のせいですか?」
恨みがましい視線を向けても、ノムルに効果はない。何度目かの溜め息を吐き出して、雪乃は付いて行く。
「わー」
「やあ、何を見つけてきたんだい?」
「わー」
通常運転のマンドラゴラに連れられて、雪乃とノムルは進む方角を変えた。そして現れたのは、
「も、」
「も?」
「もふもふです!」
目の前に現れたのは、バロメッツだ。
綿花を知らないヨーロッパの人々が、アジアでは植物から羊毛が取れると聞き、羊の生る木があると勘違いして誕生した、得体の知れない植物である。
ただし、この世界のバロメッツには、羊ではなくヤギが実っていたのだが。
それはさておき、雪乃は目を輝かせた。
パピパラさんに続く、癒し生物との対面である。
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「おおーっ!」
雪乃はさらに目を輝かせた。
ノムルは耳をふさいで顔をしかめた。
マンドラゴラは……
「わー」
やっぱり通常運転だった。
「ちょっと! うるさいよ! 何なの?!」
ノムルはキレた。
「何を仰るのですか? ノムルさん。洒落にならない煩さで発せられる、心からの叫び。この鬱陶しくも素敵なダミ声こそ、彼等の真骨頂ですよ!」
「いやいやいや、ユキノちゃん?! それ何か間違っているから! というか、それ褒めてるの?」
実際にヤギは、声が枯れそうなほどの、素晴らしい叫び声を披露してくれることがある。間違ってはいけない、『鳴き声』ではなく『叫び声』である。
あれは町の中に迎え入れてはいけない。近所迷惑どころか、ヤギがいると知っているはずの人間でさえ、挙動不審になってしまうレベルだ。
雪乃も始めて聞いた時は、その凄まじい威力に腰砕けになって笑い続けたほどなのだから。
うっとりとバロメッツを見つめる雪乃を、ノムルは引いた目で眺めている。
「せっかく見事な美声を披露して下さったところ恐縮なのですが、吸収させて頂いてもよろしいでしょうか?」
雪乃はバロメッツに近付くと、フードを外して敬意を表し尋ねた。
バロメッツはじいっと雪乃を見つめる。そして、
「もっしゃもっしゃ」
「……」
雪乃の顔を、食んだ。
植物化しているとはいえ、彼等もやはり、草食動物なのである。
「あのー、メリーさん?」
彼等の名前はバロメッツであり、メリーさんは羊の主の名前なのだが、雪乃はそう呼びかけてみた。
「私を食べるのではなく、吸収させて頂いても……」
「もっしゃもっしゃ」
「……」
雪乃はその場に根を折り、枝を突く。
「ゆ、ユキノちゃん?! 大丈夫?」
慌ててノムルが駆け寄り、
「わー」
マンドラゴラが登頂に成功する。
雪乃は四つん這いになったまま、ふるふると震えた。
「わ、私は……」
「うん。どうしたの?」
心配する声で、ノムルは慰めるように問う。
「私はア○パ○マ○じゃありません!」
「……。ごめん、意味か分からないんだけど?」
ノムルは混乱していた。彼の吹っ飛んだ思考回路でも、現状を正しく理解することは困難だった。
「ぬう。つまりバロメッツさんは、私に取り込まれるのはお嫌ということですね?」
意思を持つ相手ならば、無理強いするつもりのない雪乃は、目の前のバロメッツに尋ねた。
バロメッツはじいっと雪乃を見つめる。そして、
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
と、素晴らしい叫び声を披露した。
「そうですか、残念ですが仕方ありません。他の方を探します。お邪魔しました」
ぺこりとお辞儀をして、雪乃はバロメッツの下を去る。
「え? ユキノちゃん? 俺が引っこ抜こうか?」
見かねてノムルが言い出たが、雪乃は首を横に振り、その申し出を断わる。
「無理強いはしたくありません。他のバロメッツさんが協力してくれるかもしれませんし、ご足労をお掛けして申し訳無いのですが、今回は諦めさせてください」
しょんぼりと萎れる雪乃に、ノムルもマンドラゴラも、強くは言えない。
「気にしなくていいよ。ユキノちゃんのやりたいようにやりなよ」
「ありがとうございます」
笑顔を作ってノムルは雪乃を励ました。マンドラゴラも雪乃の肩まで登り、頬擦りをするように身を寄せてくれる。
「ありがとう」
いつもは自由気ままなマンドラゴラの優しさが嬉しくて、優しく撫でる。マンドラゴラも満足そうに、雪乃の肩で跳ねた。
「じゃあ、次を探そうか」
「はい」
雪乃とノムルが歩きだすと、マンドラゴラも地面に飛び降り、森の奥へと走っていく。
昼が近くなる頃には、随分と奥まで入ってきていた。冒険者達の姿も見当たらない。
「そろそろ休憩にしようか?」
「そうですね」
適当な倒木に腰を下ろしたノムルは、空間魔法から包みを取り出す。その中から出てきたのは、どう見ても昼食ではなかった。
「ノムルさん、それはいったい?」
困惑と頭痛を全霊で押さえつけながら、雪乃はノムルに冷めた眼差しを向ける。
ぴしりと、音を立てて雪乃は石化した。
ムツゴロー湿原に入ってしばらくした頃から、雪乃はノムルにこの世界の文字を教えてもらっていた。
基本の文字は憶えたのだが、そこから中々進んでいないのだ。騒動があったことはもちろんだが、雪乃は元々、短期間で異国語をマスターできるほど、高スペックではない。
ぎぎぎっと、錆びた金属のような音を立てて見上げると、ノムルがにっこり笑みを浮かべていた。
「ハンデはしっかり与えてるよね?」
と、目が言っている。
先に学び始めたのは雪乃であるし、難易度も日本語に比べれば低いはずだ。
有無を言わさぬ視線に抵抗できなかった雪乃の首は、意思に反して頷いていた。
(だ、大丈夫。いざとなったら、土竜とか、海月とか、海星とか、心太とか、土筆とか、負けない方法はある!)
何とも小賢しい手段を思い浮かべているようだ。それらがこの世界にあるとは限らないと、思い至ることもなく。
「良いでしょう。その勝負、受けて立ちます!」
きゅぴーんっと葉をきらめかせて言い放った雪乃は、自分が追い込まれようとしていることに、気付いていなかった。そして、
「言質は取ったからねー。約束を破っちゃだめだよー」
「……ハイ」
すぐに自分の言動に後悔したのだった。
ご機嫌なノムルは、森の中を鼻歌交じりにずんずん進んで行く。後ろを行く雪乃は、肩を落としてどんより進んで行く。
「ほらー、ユキノちゃん、もっと明るくしないとー」
「誰のせいですか?」
恨みがましい視線を向けても、ノムルに効果はない。何度目かの溜め息を吐き出して、雪乃は付いて行く。
「わー」
「やあ、何を見つけてきたんだい?」
「わー」
通常運転のマンドラゴラに連れられて、雪乃とノムルは進む方角を変えた。そして現れたのは、
「も、」
「も?」
「もふもふです!」
目の前に現れたのは、バロメッツだ。
綿花を知らないヨーロッパの人々が、アジアでは植物から羊毛が取れると聞き、羊の生る木があると勘違いして誕生した、得体の知れない植物である。
ただし、この世界のバロメッツには、羊ではなくヤギが実っていたのだが。
それはさておき、雪乃は目を輝かせた。
パピパラさんに続く、癒し生物との対面である。
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
「おおーっ!」
雪乃はさらに目を輝かせた。
ノムルは耳をふさいで顔をしかめた。
マンドラゴラは……
「わー」
やっぱり通常運転だった。
「ちょっと! うるさいよ! 何なの?!」
ノムルはキレた。
「何を仰るのですか? ノムルさん。洒落にならない煩さで発せられる、心からの叫び。この鬱陶しくも素敵なダミ声こそ、彼等の真骨頂ですよ!」
「いやいやいや、ユキノちゃん?! それ何か間違っているから! というか、それ褒めてるの?」
実際にヤギは、声が枯れそうなほどの、素晴らしい叫び声を披露してくれることがある。間違ってはいけない、『鳴き声』ではなく『叫び声』である。
あれは町の中に迎え入れてはいけない。近所迷惑どころか、ヤギがいると知っているはずの人間でさえ、挙動不審になってしまうレベルだ。
雪乃も始めて聞いた時は、その凄まじい威力に腰砕けになって笑い続けたほどなのだから。
うっとりとバロメッツを見つめる雪乃を、ノムルは引いた目で眺めている。
「せっかく見事な美声を披露して下さったところ恐縮なのですが、吸収させて頂いてもよろしいでしょうか?」
雪乃はバロメッツに近付くと、フードを外して敬意を表し尋ねた。
バロメッツはじいっと雪乃を見つめる。そして、
「もっしゃもっしゃ」
「……」
雪乃の顔を、食んだ。
植物化しているとはいえ、彼等もやはり、草食動物なのである。
「あのー、メリーさん?」
彼等の名前はバロメッツであり、メリーさんは羊の主の名前なのだが、雪乃はそう呼びかけてみた。
「私を食べるのではなく、吸収させて頂いても……」
「もっしゃもっしゃ」
「……」
雪乃はその場に根を折り、枝を突く。
「ゆ、ユキノちゃん?! 大丈夫?」
慌ててノムルが駆け寄り、
「わー」
マンドラゴラが登頂に成功する。
雪乃は四つん這いになったまま、ふるふると震えた。
「わ、私は……」
「うん。どうしたの?」
心配する声で、ノムルは慰めるように問う。
「私はア○パ○マ○じゃありません!」
「……。ごめん、意味か分からないんだけど?」
ノムルは混乱していた。彼の吹っ飛んだ思考回路でも、現状を正しく理解することは困難だった。
「ぬう。つまりバロメッツさんは、私に取り込まれるのはお嫌ということですね?」
意思を持つ相手ならば、無理強いするつもりのない雪乃は、目の前のバロメッツに尋ねた。
バロメッツはじいっと雪乃を見つめる。そして、
「んめ゛え゛え゛え゛え゛ええええーーーーーっっ!!」
と、素晴らしい叫び声を披露した。
「そうですか、残念ですが仕方ありません。他の方を探します。お邪魔しました」
ぺこりとお辞儀をして、雪乃はバロメッツの下を去る。
「え? ユキノちゃん? 俺が引っこ抜こうか?」
見かねてノムルが言い出たが、雪乃は首を横に振り、その申し出を断わる。
「無理強いはしたくありません。他のバロメッツさんが協力してくれるかもしれませんし、ご足労をお掛けして申し訳無いのですが、今回は諦めさせてください」
しょんぼりと萎れる雪乃に、ノムルもマンドラゴラも、強くは言えない。
「気にしなくていいよ。ユキノちゃんのやりたいようにやりなよ」
「ありがとうございます」
笑顔を作ってノムルは雪乃を励ました。マンドラゴラも雪乃の肩まで登り、頬擦りをするように身を寄せてくれる。
「ありがとう」
いつもは自由気ままなマンドラゴラの優しさが嬉しくて、優しく撫でる。マンドラゴラも満足そうに、雪乃の肩で跳ねた。
「じゃあ、次を探そうか」
「はい」
雪乃とノムルが歩きだすと、マンドラゴラも地面に飛び降り、森の奥へと走っていく。
昼が近くなる頃には、随分と奥まで入ってきていた。冒険者達の姿も見当たらない。
「そろそろ休憩にしようか?」
「そうですね」
適当な倒木に腰を下ろしたノムルは、空間魔法から包みを取り出す。その中から出てきたのは、どう見ても昼食ではなかった。
「ノムルさん、それはいったい?」
困惑と頭痛を全霊で押さえつけながら、雪乃はノムルに冷めた眼差しを向ける。
0
お気に入りに追加
3,551
あなたにおすすめの小説
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
自重知らずの転生貴族は、現在知識チートでどんどん商品を開発していきます!!
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
無限の時空間の中、いきなり意識が覚醒した。
女神の話によれば、異世界に転生できるという。
ディルメス侯爵家の次男、シオン・ディルメスに転生してから九年が経ったある日、邸の執務室へ行くと、対立国の情報が飛び込んできた。
父であるディルメス侯爵は敵軍を迎撃するため、国境にあるロンメル砦へと出発していく。
その間に執務長が領地の資金繰りに困っていたため、シオンは女神様から授かったスキル『創造魔法陣』を用いて、骨から作った『ボーン食器』を発明する。
食器は大ヒットとなり、侯爵領全域へと広がっていった。
そして噂は王国内の貴族達から王宮にまで届き、シオンは父と一緒に王城へ向かうことに……『ボーン食器』は、シオンの予想を遥かに超えて、大事へと発展していくのだった……
婚約者が隣国の王子殿下に夢中なので潔く身を引いたら病弱王女の婚約者に選ばれました。
ユウ
ファンタジー
辺境伯爵家の次男シオンは八歳の頃から伯爵令嬢のサンドラと婚約していた。
我儘で少し夢見がちのサンドラは隣国の皇太子殿下に憧れていた。
その為事あるごとに…
「ライルハルト様だったらもっと美しいのに」
「どうして貴方はライルハルト様じゃないの」
隣国の皇太子殿下と比べて罵倒した。
そんな中隣国からライルハルトが留学に来たことで関係は悪化した。
そして社交界では二人が恋仲で悲恋だと噂をされ爪はじきに合うシオンは二人を思って身を引き、騎士団を辞めて国を出ようとするが王命により病弱な第二王女殿下の婚約を望まれる。
生まれつき体が弱く他国に嫁ぐこともできないハズレ姫と呼ばれるリディア王女を献身的に支え続ける中王はシオンを婿養子に望む。
一方サンドラは皇太子殿下に近づくも既に婚約者がいる事に気づき、シオンと復縁を望むのだが…
HOT一位となりました!
皆様ありがとうございます!
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
夫に家を追い出された女騎士は、全てを返してもらうために動き出す。
ゆずこしょう
恋愛
女騎士として働いてきて、やっと幼馴染で許嫁のアドルフと結婚する事ができたエルヴィール(18)
しかし半年後。魔物が大量発生し、今度はアドルフに徴集命令が下った。
「俺は魔物討伐なんか行けない…お前の方が昔から強いじゃないか。か、かわりにお前が行ってきてくれ!」
頑張って伸ばした髪を短く切られ、荷物を持たされるとそのまま有無を言わさず家から追い出された。
そして…5年の任期を終えて帰ってきたエルヴィールは…。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。