21 / 77
19.ようやく解放されて
しおりを挟む
「あら、おはよう。まだ生きていたのね」
朝、ようやく解放されて外に出たライを、緋嶄と玉緋の兄妹が待ち受けていた。
「何とかな」
げっそりとした顔付きで、ライは面倒くさそうに返す。
「本当に強運の持ち主ね。緋凰兄様の寝室に押し入って生きてるなんて」
「だと良いけどな」
玉緋は感心したように言ったが、ライは内心で頭を抱えた。
今後の展開を考えると、ひどく頭痛がして、胃も痛む。
とりあえず、『アリス』の兄であるハンスとは連絡を取らしてもらえそうなので、ハンスの意見を求めるのが得策だろう。
あの男なら、何か良い策をひねり出してくれるはずだ。
「でも見直したわ。恋人を助けるために、命も省みず皇帝の寝室に駆け込むなんて。度胸は充分ね」
「どうも」
生返事を残し、ライは水場に向かう。昨夜はまともに寝付けず、頭が曇っている。
冷たい井戸水で顔を洗うと、何とか意識ははっきりとした。そして気付いた。城のあちらこちらから視線を感じる。
敵意は感じないが、気付かなかったとは、思っていた以上に疲弊していたようだと情けなくなる。
「何だ?」
視線に対して怪訝な表情で呟くライに、玉緋はすかさず答えた。
「あら、当然でしょ? 恋人を助けるために、緋凰兄様に歯向かった男ですもの。侍女達が放っておくと思う?」
「勘弁してくれ」
本気で脱力感を味わうライの気持ちとは裏腹に、侍女達の声が大きくなった。
何事かと侍女たちの視線の先を追えば、見慣れた少女の姿が映る。
「おはようございます。昨夜はありがとうございました」
現れたシャルは、丁寧に頭を下げる。
「お前、意外と図太いよな?」
「そうですか?」
呆れたように言うライに、シャルは小首を傾げた。
「朝まで熟睡していただろう?」
「ええ。ライさんは眠れなかったのですか?」
「お前な」
心底から不思議そうに見つめるシャルに、ライはがくりと肩を落とす。溜め息を吐きはするが、言っても無駄な心配をさせるだけだと、説明は省いた。
「あなたが噂の恋人?」
二人の様子を見ていた玉緋が、目を輝かせて身を乗り出してきた。
「噂?」
「昨夜の事が、もう城中に知れ渡ったらしい」
事態が見えず困惑しているシャルに、ライが端的に説明する。
「ええ?」
シャルは声を裏返して、顔を赤く染めた。一方のライは、朝から何度めかの溜め息を吐くと、じろりと玉緋を睨む。
「それで、わざわざのお出ましは、俺達をからかうためですか?」
「まさか。そこまで暇じゃないわ。緋凰兄様が二人も朝餉に呼ぶように、って」
「へえ?」
心外だとばかりに、玉緋は眉根を寄せた。
予想とは違う答えだが、どちらにしても下らないことになりそうだと、ライは気だるげな声を出すだけだ。
「もっと喜んだらどう? 朝餉に家族以外が呼ばれるなんて、滅多にないことよ」
来賓をもてなす晩餐会などに対して、朝食に客人を招く習慣は無い。城に来客がある場合は、それぞれの部屋に食事が運ばれるのが常識だった。
「俺はできれば部屋で食いたかったよ」
これ以上の面倒ごとはごめんだとばかりに文句を垂れるライを引き連れて、緋嶄と玉緋は、皇族が食事を取るための奥の広間に向かった。
「連れて来たわよ」
玉緋の声に、兄弟達とその母親達の視線が集まる。
「何人兄弟だよ?!」
思わず問うたライだけでなく、シャルも驚いていた。
五十は超える人数が、幾つかに別れて大卓を囲んでいるではないか。
「来たか。そこへ」
ライの質問に答える者はいなかった。
緋凰にあごで示され、ライは緋凰の隣に腰掛ける。シャルはその隣に腰掛けた。
「朝餉の席くらいしか時間が取れなくてな」
「いいえ、お気になさらず。皇帝陛下が暇していたら、そっちのほうが吃驚ですから」
皮肉たっぷりに、ライは答える。
緋龍の皇族たちは眉をひそめるが、皇帝である緋凰が何も言わないため、口をつぐんだ。
朝食でしか話せないと言うならば、ライとシャルを呼んで、別室で食事を取れば良いのにと、ライは内心で毒づく。
しかし緋龍では、城にいながら朝餉を別に取ることは、余程の理由が無くては許されない決まりだった。
「それで、用とは?」
前置きも早々に尋ねるライに、好奇の視線が集まる。こういった話への興味に、身分の上下は関係無いようだ。
「共に来ていた神官の話では、アリスの親族は、ゼノに仕えている兄が一人だけらしいな?」
「はい」
昨夜の今朝で、ずいぶんと話が早いと、ライは感心するより呆れた。
「それでライ、お前のほうは何処に書簡を届ければ良い?」
「いえ、皇帝のお手を煩わせずとも自分で報せますから、お気遣いなく」
ライは即座に断わる。
彼にはユイを初めとした弟妹や母がいるが、只人の家族を巻き込む訳にはいかない。判断を誤れば皇帝の怒りを買い、処罰されかねない状況なのだから。
どうしても身内を呼ぶ必要に迫られたなら、風の民に残っている、一つ下の弟であるルイを呼ぶしかないだろうと、ライは算段をつける。
ルイであれば、いざとなれば逃がすことも可能だ。
だがそれも最終手段だ。なるべく隠し通したい。
「それはいかぬ。日程の調整もあるからな。緋龍に来れる最短の日取りを確かめておかねばならぬ」
緋凰は大仰に眉を下げてみせた。
「ご心配頂き恐縮ですが、うちは商人なんで、捕まえるのは大変なんですよ」
「では尚更、急がねばなるまい」
ライがさらりと返せば、緋凰はにっこりと微笑む。
そのやり取りを見ていた母子達は、凍りついていた。
緋凰が柔和に微笑むなど、滅多にない。こういう表情を浮かべる緋凰は、その外面と裏腹に実は大層怒っているのだと、彼等は知っていた。
緋嶄が礫を投げてライに合図を送るが、打ち払われるに終わる。
「ぴいっ」
二人を包む吹雪のような空気を破ったのは、シャルの珍妙な声だった。
「どうした?」
ライと緋凰の雰囲気が和らぎ、眉間に皺が刻まれる。視線を向けられたシャルは、涙を浮かべていた。
「辛いです」
舌を出し、顔をゆがめている。
「ああ。緋龍の料理は香辛料が多く使われるからな。なるべく赤くないのを選べ」
「はい」
緋龍の料理は辛口で有名だ。
シャルは卓上にずらりと並んでいる料理を見比べた。緑色の細長い野菜を見つけ、小皿に取る。
それを確かめることなく、簡潔に指示を終えたライは緋凰との対話に戻っていた。
「俺の方から連絡を寄越すよう、行きそうな所に書簡を送っておきますから、御心配無く」
「それでは運任せだろう? 緋龍の交易網を使えば、すぐに見つけ出せる」
「そこまで手を煩わせる訳には……」
と言いかけたところで、再び奇声が上がる。
「今度は何だ?」
振り向くと、今度こそシャルは泣いていた。
「何食った?」
怪訝な表情を浮かべ、ライはシャルを見、それから彼女の前に置かれた小皿へと視線を下ろした。
「緑の、赤く無い」
舌が痺れているのか、シャルは片言で説明する。
小皿に残った料理を見やったライは、額を押さえた。
「阿呆か? これは唐辛子の中でも、飛びっきり辛いことで有名なんだよ。ちゃんと選んで食え」
怒鳴りつけるが、シャルは涙を流すばかりで聞いてはいない。
朝、ようやく解放されて外に出たライを、緋嶄と玉緋の兄妹が待ち受けていた。
「何とかな」
げっそりとした顔付きで、ライは面倒くさそうに返す。
「本当に強運の持ち主ね。緋凰兄様の寝室に押し入って生きてるなんて」
「だと良いけどな」
玉緋は感心したように言ったが、ライは内心で頭を抱えた。
今後の展開を考えると、ひどく頭痛がして、胃も痛む。
とりあえず、『アリス』の兄であるハンスとは連絡を取らしてもらえそうなので、ハンスの意見を求めるのが得策だろう。
あの男なら、何か良い策をひねり出してくれるはずだ。
「でも見直したわ。恋人を助けるために、命も省みず皇帝の寝室に駆け込むなんて。度胸は充分ね」
「どうも」
生返事を残し、ライは水場に向かう。昨夜はまともに寝付けず、頭が曇っている。
冷たい井戸水で顔を洗うと、何とか意識ははっきりとした。そして気付いた。城のあちらこちらから視線を感じる。
敵意は感じないが、気付かなかったとは、思っていた以上に疲弊していたようだと情けなくなる。
「何だ?」
視線に対して怪訝な表情で呟くライに、玉緋はすかさず答えた。
「あら、当然でしょ? 恋人を助けるために、緋凰兄様に歯向かった男ですもの。侍女達が放っておくと思う?」
「勘弁してくれ」
本気で脱力感を味わうライの気持ちとは裏腹に、侍女達の声が大きくなった。
何事かと侍女たちの視線の先を追えば、見慣れた少女の姿が映る。
「おはようございます。昨夜はありがとうございました」
現れたシャルは、丁寧に頭を下げる。
「お前、意外と図太いよな?」
「そうですか?」
呆れたように言うライに、シャルは小首を傾げた。
「朝まで熟睡していただろう?」
「ええ。ライさんは眠れなかったのですか?」
「お前な」
心底から不思議そうに見つめるシャルに、ライはがくりと肩を落とす。溜め息を吐きはするが、言っても無駄な心配をさせるだけだと、説明は省いた。
「あなたが噂の恋人?」
二人の様子を見ていた玉緋が、目を輝かせて身を乗り出してきた。
「噂?」
「昨夜の事が、もう城中に知れ渡ったらしい」
事態が見えず困惑しているシャルに、ライが端的に説明する。
「ええ?」
シャルは声を裏返して、顔を赤く染めた。一方のライは、朝から何度めかの溜め息を吐くと、じろりと玉緋を睨む。
「それで、わざわざのお出ましは、俺達をからかうためですか?」
「まさか。そこまで暇じゃないわ。緋凰兄様が二人も朝餉に呼ぶように、って」
「へえ?」
心外だとばかりに、玉緋は眉根を寄せた。
予想とは違う答えだが、どちらにしても下らないことになりそうだと、ライは気だるげな声を出すだけだ。
「もっと喜んだらどう? 朝餉に家族以外が呼ばれるなんて、滅多にないことよ」
来賓をもてなす晩餐会などに対して、朝食に客人を招く習慣は無い。城に来客がある場合は、それぞれの部屋に食事が運ばれるのが常識だった。
「俺はできれば部屋で食いたかったよ」
これ以上の面倒ごとはごめんだとばかりに文句を垂れるライを引き連れて、緋嶄と玉緋は、皇族が食事を取るための奥の広間に向かった。
「連れて来たわよ」
玉緋の声に、兄弟達とその母親達の視線が集まる。
「何人兄弟だよ?!」
思わず問うたライだけでなく、シャルも驚いていた。
五十は超える人数が、幾つかに別れて大卓を囲んでいるではないか。
「来たか。そこへ」
ライの質問に答える者はいなかった。
緋凰にあごで示され、ライは緋凰の隣に腰掛ける。シャルはその隣に腰掛けた。
「朝餉の席くらいしか時間が取れなくてな」
「いいえ、お気になさらず。皇帝陛下が暇していたら、そっちのほうが吃驚ですから」
皮肉たっぷりに、ライは答える。
緋龍の皇族たちは眉をひそめるが、皇帝である緋凰が何も言わないため、口をつぐんだ。
朝食でしか話せないと言うならば、ライとシャルを呼んで、別室で食事を取れば良いのにと、ライは内心で毒づく。
しかし緋龍では、城にいながら朝餉を別に取ることは、余程の理由が無くては許されない決まりだった。
「それで、用とは?」
前置きも早々に尋ねるライに、好奇の視線が集まる。こういった話への興味に、身分の上下は関係無いようだ。
「共に来ていた神官の話では、アリスの親族は、ゼノに仕えている兄が一人だけらしいな?」
「はい」
昨夜の今朝で、ずいぶんと話が早いと、ライは感心するより呆れた。
「それでライ、お前のほうは何処に書簡を届ければ良い?」
「いえ、皇帝のお手を煩わせずとも自分で報せますから、お気遣いなく」
ライは即座に断わる。
彼にはユイを初めとした弟妹や母がいるが、只人の家族を巻き込む訳にはいかない。判断を誤れば皇帝の怒りを買い、処罰されかねない状況なのだから。
どうしても身内を呼ぶ必要に迫られたなら、風の民に残っている、一つ下の弟であるルイを呼ぶしかないだろうと、ライは算段をつける。
ルイであれば、いざとなれば逃がすことも可能だ。
だがそれも最終手段だ。なるべく隠し通したい。
「それはいかぬ。日程の調整もあるからな。緋龍に来れる最短の日取りを確かめておかねばならぬ」
緋凰は大仰に眉を下げてみせた。
「ご心配頂き恐縮ですが、うちは商人なんで、捕まえるのは大変なんですよ」
「では尚更、急がねばなるまい」
ライがさらりと返せば、緋凰はにっこりと微笑む。
そのやり取りを見ていた母子達は、凍りついていた。
緋凰が柔和に微笑むなど、滅多にない。こういう表情を浮かべる緋凰は、その外面と裏腹に実は大層怒っているのだと、彼等は知っていた。
緋嶄が礫を投げてライに合図を送るが、打ち払われるに終わる。
「ぴいっ」
二人を包む吹雪のような空気を破ったのは、シャルの珍妙な声だった。
「どうした?」
ライと緋凰の雰囲気が和らぎ、眉間に皺が刻まれる。視線を向けられたシャルは、涙を浮かべていた。
「辛いです」
舌を出し、顔をゆがめている。
「ああ。緋龍の料理は香辛料が多く使われるからな。なるべく赤くないのを選べ」
「はい」
緋龍の料理は辛口で有名だ。
シャルは卓上にずらりと並んでいる料理を見比べた。緑色の細長い野菜を見つけ、小皿に取る。
それを確かめることなく、簡潔に指示を終えたライは緋凰との対話に戻っていた。
「俺の方から連絡を寄越すよう、行きそうな所に書簡を送っておきますから、御心配無く」
「それでは運任せだろう? 緋龍の交易網を使えば、すぐに見つけ出せる」
「そこまで手を煩わせる訳には……」
と言いかけたところで、再び奇声が上がる。
「今度は何だ?」
振り向くと、今度こそシャルは泣いていた。
「何食った?」
怪訝な表情を浮かべ、ライはシャルを見、それから彼女の前に置かれた小皿へと視線を下ろした。
「緑の、赤く無い」
舌が痺れているのか、シャルは片言で説明する。
小皿に残った料理を見やったライは、額を押さえた。
「阿呆か? これは唐辛子の中でも、飛びっきり辛いことで有名なんだよ。ちゃんと選んで食え」
怒鳴りつけるが、シャルは涙を流すばかりで聞いてはいない。
0
お気に入りに追加
125
あなたにおすすめの小説
美少女選抜優勝者の彼女に俺だけ塩対応してたのに、なぜか興味をもたれてめちゃめちゃ甘えてくるようになりました
遥 かずら
恋愛
全国美少女選抜に選び抜かれた美少女な生徒は高嶺の花。彼女たちをそう呼んでいるのは、今まで別学で不遇だった男子たちだ。アイドル、タレント活動が当たり前の彼女たちに近づけず声をかけることも出来ない男子たちは、苦悩する毎日を過ごしていた。そんな中、生徒会長である俺――南翔輝(みなみしょうき)は、生徒会活動に集中しすぎて共学によって起きた周りの変化に気づかずにいた。そんな俺に突然のように降りかかるインタビューは、これからの俺の高校生活を変えようとするものだった。
美少女にすら興味を持たない男の態度によって才色兼備な彼女の態度も徐々に変わっていくかもしれない、そんなストーリー。
子ども扱いしないでください! 幼女化しちゃった完璧淑女は、騎士団長に甘やかされる
佐崎咲
恋愛
旧題:完璧すぎる君は一人でも生きていけると婚約破棄されたけど、騎士団長が即日プロポーズに来た上に甘やかしてきます
「君は完璧だ。一人でも生きていける。でも、彼女には私が必要なんだ」
なんだか聞いたことのある台詞だけれど、まさか現実で、しかも貴族社会に生きる人間からそれを聞くことになるとは思ってもいなかった。
彼の言う通り、私ロゼ=リンゼンハイムは『完璧な淑女』などと称されているけれど、それは努力のたまものであって、本質ではない。
私は幼い時に我儘な姉に追い出され、開き直って自然溢れる領地でそれはもうのびのびと、野を駆け山を駆け回っていたのだから。
それが、今度は跡継ぎ教育に嫌気がさした姉が自称病弱設定を作り出し、代わりに私がこの家を継ぐことになったから、王都に移って血反吐を吐くような努力を重ねたのだ。
そして今度は腐れ縁ともいうべき幼馴染みの友人に婚約者を横取りされたわけだけれど、それはまあ別にどうぞ差し上げますよというところなのだが。
ただ。
婚約破棄を告げられたばかりの私をその日訪ねた人が、もう一人いた。
切れ長の紺色の瞳に、長い金髪を一つに束ね、男女問わず目をひく美しい彼は、『微笑みの貴公子』と呼ばれる第二騎士団長のユアン=クラディス様。
彼はいつもとは違う、改まった口調で言った。
「どうか、私と結婚してください」
「お返事は急ぎません。先程リンゼンハイム伯爵には手紙を出させていただきました。許可が得られましたらまた改めさせていただきますが、まずはロゼ嬢に私の気持ちを知っておいていただきたかったのです」
私の戸惑いたるや、婚約破棄を告げられた時の比ではなかった。
彼のことはよく知っている。
彼もまた、私のことをよく知っている。
でも彼は『それ』が私だとは知らない。
まったくの別人に見えているはずなのだから。
なのに、何故私にプロポーズを?
しかもやたらと甘やかそうとしてくるんですけど。
どういうこと?
============
番外編は思いついたら追加していく予定です。
<レジーナ公式サイト番外編>
「番外編 相変わらずな日常」
レジーナ公式サイトにてアンケートに答えていただくと、書き下ろしweb番外編をお読みいただけます。
いつも攻め込まれてばかりのロゼが居眠り中のユアンを見つけ、この機会に……という話です。
※転載・複写はお断りいたします。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。
秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚
13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。
歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。
そしてエリーゼは大人へと成長していく。
※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。
小説家になろう様にも掲載しています。
ある王国の王室の物語
朝山みどり
恋愛
平和が続くある王国の一室で婚約者破棄を宣言された少女がいた。カップを持ったまま下を向いて無言の彼女を国王夫妻、侯爵夫妻、王太子、異母妹がじっと見つめた。
顔をあげた彼女はカップを皿に置くと、レモンパイに手を伸ばすと皿に取った。
それから
「承知しました」とだけ言った。
ゆっくりレモンパイを食べるとお茶のおかわりを注ぐように侍女に合図をした。
それからバウンドケーキに手を伸ばした。
カクヨムで公開したものに手を入れたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる