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第1章『二人の絆』
第3話「ジェイド」
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どうしたら、キャシーお嬢様と仲直り出来るかなあ…!?
ソトは考えに考えていた。
この状況はまずい…、しかも追い出され越しに、お嬢様のすすり泣く声まで聞こえていた。
事態は深刻だ。
そんな時、ふと浮かんだのは―――
そうだっ!ジェイドさんに相談すればいいんだ。
老執事のジェイド。彼なら人生の酸いも甘いも知り尽くしていることだろう。この際、ジェイド氏に教えを乞うて、何とか事態を回復させよう、そう、ソトは思った。
そして、早速ジェイドの休憩室まで行って、
「ジェイドさ~ん、いらっしゃいますかあ~?」
と、ドアを数回ノックした。
暫く返答が無かったが、数十秒後、小さな声で
「入りなさい」
という声が聞こえた。
ソトは遠慮無くドアを開けて、
「失礼します。実は相談があってですね―」
「バッカモーー―ンッ!」
ジェイドの怒声。顔は怒りに満ちていた。しかも、いつも品行方正なジェイドとは思えない言葉遣い―
「お嬢様から電話がありました。彼女、泣いておりました。あなた、この意味が分かりますか?」
ソトは何も言えなかった。
「お嬢さまはいつもは何かと悪態こそつきますが、根はとても優しい、純粋な方です。そんな純粋なお嬢様に冗談とは言え、舐めた態度をとる、というのは私には許しがたい…。このままで済むと思っておられで?」
ソトはかしこまって―
「クビ、ということでしょうか?」
ジェイドはやっと落ち着いた様子に戻って―
「そうは言ってない」
「じゃあ、どうしろと?」
「明日は幸い、キャシーお嬢様の誕生日だ。大体、言いたいことは分かるでしょう?」
ソトは考えた―
返答を待たずにジェイドは―
「キャシーお嬢様を心から喜ばすプレゼントを用意するのです。これしか君の挽回の余地はありません。よく考えることですね。では私は忙しいので、部屋から出て行ってもらいましょうか」
ドアの閉め際に、ジェイドはほんの少し、笑顔だった気が、する…。
ソトは考えに考えていた。
この状況はまずい…、しかも追い出され越しに、お嬢様のすすり泣く声まで聞こえていた。
事態は深刻だ。
そんな時、ふと浮かんだのは―――
そうだっ!ジェイドさんに相談すればいいんだ。
老執事のジェイド。彼なら人生の酸いも甘いも知り尽くしていることだろう。この際、ジェイド氏に教えを乞うて、何とか事態を回復させよう、そう、ソトは思った。
そして、早速ジェイドの休憩室まで行って、
「ジェイドさ~ん、いらっしゃいますかあ~?」
と、ドアを数回ノックした。
暫く返答が無かったが、数十秒後、小さな声で
「入りなさい」
という声が聞こえた。
ソトは遠慮無くドアを開けて、
「失礼します。実は相談があってですね―」
「バッカモーー―ンッ!」
ジェイドの怒声。顔は怒りに満ちていた。しかも、いつも品行方正なジェイドとは思えない言葉遣い―
「お嬢様から電話がありました。彼女、泣いておりました。あなた、この意味が分かりますか?」
ソトは何も言えなかった。
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「そうは言ってない」
「じゃあ、どうしろと?」
「明日は幸い、キャシーお嬢様の誕生日だ。大体、言いたいことは分かるでしょう?」
ソトは考えた―
返答を待たずにジェイドは―
「キャシーお嬢様を心から喜ばすプレゼントを用意するのです。これしか君の挽回の余地はありません。よく考えることですね。では私は忙しいので、部屋から出て行ってもらいましょうか」
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