大昔の小説

保健室の先生と生徒の秘密

Act 1-3

「………はあ…、頭痛い―…」

あれから俺は、雨にずぶ濡れになって家に帰宅した。走って帰ったけど結局間に合わなくて。びしょびしょになって風呂にも入らず寝たことが今の事態を招いているらしい。

目の前で繰り広げられているバトルに俺は溜め息をつかずにはいられなかった。
どうして見学しなかったのだろうとか今思えば後悔ばかり。そう、俺はこのくそだるい体を動かさなくてはならない体育の授業に珍しくも参加していた。
本当、何でだか俺にもわからない。授業内容がサッカーだと聞いて休みたくなかったとでも言うのか。

そうだと決めつけてキーパーの俺は向かってくるボールへ戦闘態勢に入った。頭がぐわんぐわんする中、俺じゃ役に立たないだろう…、とか思いつつ凄いスピードでこちらに向かってくるボールを止めようとしている俺は本当に馬鹿だと思う。

味方に迷惑をかけるわけにはいかないし、これは仕方がない。敵のボールがあちらこちらにパスされゴールの斜め横に転がる。それを、キャプテンらしき奴が俺目掛けて思いっきり蹴り飛ばした。ちょっ、こんなの無理！
慌てふためいてた俺の顔面に強烈なボールの一撃を喰らい、その衝撃で倒れた。色々な記憶がフラッシュバックする中、彼の、千代先生の声を思い出していた。