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150・不快な結果と⑧
しおりを挟む受けない方がいい招待。
勿論そんなもの、受けるつもりなどない。
なにせおおよそ俺を害するつもりがあるだろう者達の元へなど、何故好き好んでいかなければならないのか。回避できるのなら回避するのなんて当たり前の話。
特に俺は自分を大事にしていこうと決めたばかり。
かと言って、放置し続けるわけにもいかないと思う。
何より、いつまでも狙われ続けるというのも煩わしい。そんな存在、王妃だけで充分だ。他になぞ要らない、うんざりとそう思う。
だから、放置はできなくて。だが、受けるわけにもいかなくて。特にこちらから向こうへ出向くなど論外だろう。それならむしろ逆に、こちらへと迎え入れた方が幾分も良い。
そこまで思考を巡らせて、うん? 本当にそちらの方がいいのではないか? と、思い至ったからこその先程の発言だった。
もっとも、例えば対象の人達を招待したとして、応じてくるかどうかは別の話なのだけれど、不要な無能ばかりのはずなのだから、のこのこと足を運んでくるかもしれない。
実際に来るか来ないのか、それは正直な所どっちでもいい。もし来るようなら、正真正銘の馬鹿だという証となり、来ないようなら、余程後ろ暗いことがあるのだろうと判断できた。
俺の発言を受けて、ディーウィは眉間にしわを寄せて、険しい顔つきとなっていて、ラサスの方は流石と言うべきなのだろう、顔色一つ変えることがなかった。
むしろ俺がそう言うのは想定内なのだろうか。それとも内心で驚いていたとして、顔に出さないように努めただけなのか。
少なくとも反対ならもう少し表情を変化させるだろうから、特に止めるようなこととも認識していないということなのだろう。
その証拠に、
「こちらから招待、ですか。宜しいのではないでしょうか。少々お時間さえ頂ければ、万全の準備をお約束しましょう」
と、賛同する姿勢を見せ、微笑みかけてくる。
むしろ招待客や今回の思惑はどうあれ、茶会そのものは今回のような懸念事項があってもなくても、今後、全く開かないなどというわけにはいかないのだろうから、ラサスとしてはそれの練習も踏まえてと言った所なのだろう。
対照的にディーウィは溜め息を吐いた。おそらく彼としては反対なのだと思う。だけどディーウィはあくまでも従者。出来ることと言えば窘める程度が精々で。主人になど、逆らい切れるはずがない。
おまけにある意味では彼の上司とも言える執事は賛同している。
ディーウィは諦めたのか、割り切ったのか、それ以上の反対する素振りのようなものなどは見せなかった。
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