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*185・俺と試練の夜⑤(リシェ視点)
しおりを挟む挿れたい。
それはいっそ衝動だった。
だって俺は知っているのだ。そうするとどれだけ気持ちいいかっていうことを。
ふるふると震えるサフィルはきっと一生懸命なのだろう。
羞恥からか緊張ゆえか、全身を真っ赤に染めて、必死に、おそらくは不快感に堪えている。
痛みは、多分ないとは思うけれども、こんな場所、俺自身が誰かに、今俺がしているように触れられたことなどないからわからない。
時折びくっと震えながら、いつしか俺の手指から目を逸らせないでいるサフィルの目尻にはもはやすっかり涙が溜まっていて、それはいつ流れ落ちてもおかしくないような状況で。
こんなサフィルの様子は、いっそ憐れを誘うほど幼気だとも思うのに、俺はただ興奮するばかりだった。
勃ちあがりきった股間が痛い。
まるで全身の熱が其処に集中しているのかのようだ。
挿れたい。
早く、早く、この熱を開放してしまいたい。
今、俺の指が触れているこの狭くぬかるんだ場所に、股間の熱を突っ込んで、腰を振って、そうしたらどれほど気持ちいいことだろう!
俺はもうそれを知っている、あの夜の快感を。
でも。同時に我に返った時に見た、血に染まったサフィルのことも思い出されて、幸か不幸か、それが俺の衝動を抑えてでもいるかのようだった。
怖いのだ。
だからこそ俺はこうして、サフィルの腹の中を、指で触り続けている。
すでに俺の指は三本、サフィルの窄まりへと沈めていた。
香油を使用したのが功を奏したのだろう、その場所は初めとは比べ物にならないぐらいに柔らかく、ぬるぬるしていて。だけどぎゅっと痛いぐらい、俺の指を締め付けてくることだけは変わらない。
この見るからに狭い中を、俺の腰のものでかき回す。
想像するだけで気が急いた。
息が上がって、妄想することしか、考えられなくなっていく。
ぐちゅ、ぐちゅ、香油を足しながら、サフィルの可憐な窄まりをかき回す。
俺にもある器官と同じだとは全く思えない、愛しいばかりに美しいサフィルの股間。
サフィルの両手はずっと、サフィル自身を抑えたまま、時折ぎゅっと握り込んでいるように見えるのは、サフィルも興奮しているからなのだろうか。
そうならいいとぼんやり思う。
指を押して、引いて、何度も何度も繰り返す。時折ぐりゅんと指を回したり、少しだけ曲げたりして見ると、その度ビクン、ビクンとサフィルは震えた。
「ん、ん、んんっ……!」
鼻にかかったような微かな声がサフィルから漏れている。
サフィルが今感じているのは快感ではないのだろう、かと言って、嫌悪や恐怖でなければいい。
くらくらと、挿れたい、ともすればそんな衝動だけで埋め尽くされそうな思考の片隅で、それでも何とかそんなことだけを願っていた。
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