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80.襲撃
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「非常事態だ、行くぞ」
屋敷で待機していた私たちは戦闘準備を整えた
出向くのは私とロキ、ダビアとマロニエ、そしてフロックスだ
「シュロ、屋敷の者を頼む」
「分かってる」
頷いたシュロを残し私たちは走り出した
冒険者として魔物と戦っていても、騎士の経験のないシュロには前線に出るよりも守りに回ってもらった方がいいというのはロキの判断だった
私も騎士の経験はないけど相手がソンシティヴュということで前線に出ることになった
途中防空壕やカフェに向かう町の者とすれ違う
どの顔も不安が浮かんでいるのを見ると少しでも早く収めたいと思う
「あれは…ナルシスか?」
前衛に立つゴージャスな装備を纏う男に顔を顰める
「ナルシスとオナグルは曲がりなりにも王族だ。壁はその力で破壊したんだろう。だがゴールドとシルバーの者が見当たらないのが気になるな」
「ああ、あとから乗り込んでくるのか、それとも同意を引き出すことが出来なかったのか…」
瓦礫となった壁の一部を見ながらロキとフロックスが言葉を交わす
「オリビエは俺と来い、ダビアとマロニエは騎士達の援護を、フロックス!」
「俺は騎士団と連携しながら調査にあたる」
皆まで言わなくてもわかるとフロックスはニヤリと笑う
「頼んだ」
ロキのその言葉に私達は分かれる
「オリビエ」
「ん?」
「頼むから無茶だけはするなよ」
「ロキもね」
こぶしを重ねた瞬間纏う気が変わる
「ナルシス!」
「…」
呼び捨てにしたロキを恨めしそうに見る
「馬鹿な真似を」
「喧しい!丁度いい、お前も家族の元に送ってやる」
対峙したナルシスはニヤリと笑う
その顔は醜く歪んだように見えた
「!」
殺気を感じて迫ってきた剣を受け止めるとそこにはオナグルが立っていた
ダビアとマロニエ、元特攻は町の者に向かおうとする騎士達と対峙している
「女、お前がこんなところにいるとはな…あいつらの隙をついて隠れていて正解だったようだ」
隠れてたって…乗り込んで来たくせに何言ってんの?
「おい!歌姫をどこにやった」
「はい?」
まるで私が隠したような物言いに首を傾げる
「これだけ探しても見つからない。考えられるのはお前が隠したということくらいだ」
「あほらし」
「何だと?」
叫びながら切りつけて来るのを適当にかわしながら考える
ソンシティヴュではまだイモーテルの行方を掴めていないのかと
まぁ閉ざされてしまった以上、外からの情報も入らないから仕方ないのかしら?
「死にたくなければ歌姫を連れて来い」
「それ、連れてこれたとしても死ぬ未来しか見えないんだけど?」
「クックッ…少しは頭が働くらしい」
「自分の望む相手に逃げられるような馬鹿に言われても嬉しくないわね」
「な…貴様!」
「でも今のあなたを見る限り…イモーテルじゃなくても逃げたくなるんじゃない?」
あえて煽る様に言う
「この…!」
単純な男は簡単に挑発に乗った
怒りに任せて動きが荒くなる
大きく振り上げた瞬間、風魔法で剣を持つ腕を切断した
「ぐあぁぁぁぁっ!!」
目の前を落ちていく自らの腕を見送りオナグルは喚いた
右腕のあった部分を抱えるようにうずくまるオナグルをこちらの騎士が拘束した
「これを」
「ありがとうございます」
魔封じの枷を受け取った騎士はオナグルの足首にそれを嵌めた
ロキを見ると同様にナルシスの腕に魔封じの枷を嵌めていた
ダビア達もケリがついている
でも周りはまだ終わったわけではない
私とロキは一般の騎士に拘束を任せて加勢に回る事にした
「非常事態だ、行くぞ」
屋敷で待機していた私たちは戦闘準備を整えた
出向くのは私とロキ、ダビアとマロニエ、そしてフロックスだ
「シュロ、屋敷の者を頼む」
「分かってる」
頷いたシュロを残し私たちは走り出した
冒険者として魔物と戦っていても、騎士の経験のないシュロには前線に出るよりも守りに回ってもらった方がいいというのはロキの判断だった
私も騎士の経験はないけど相手がソンシティヴュということで前線に出ることになった
途中防空壕やカフェに向かう町の者とすれ違う
どの顔も不安が浮かんでいるのを見ると少しでも早く収めたいと思う
「あれは…ナルシスか?」
前衛に立つゴージャスな装備を纏う男に顔を顰める
「ナルシスとオナグルは曲がりなりにも王族だ。壁はその力で破壊したんだろう。だがゴールドとシルバーの者が見当たらないのが気になるな」
「ああ、あとから乗り込んでくるのか、それとも同意を引き出すことが出来なかったのか…」
瓦礫となった壁の一部を見ながらロキとフロックスが言葉を交わす
「オリビエは俺と来い、ダビアとマロニエは騎士達の援護を、フロックス!」
「俺は騎士団と連携しながら調査にあたる」
皆まで言わなくてもわかるとフロックスはニヤリと笑う
「頼んだ」
ロキのその言葉に私達は分かれる
「オリビエ」
「ん?」
「頼むから無茶だけはするなよ」
「ロキもね」
こぶしを重ねた瞬間纏う気が変わる
「ナルシス!」
「…」
呼び捨てにしたロキを恨めしそうに見る
「馬鹿な真似を」
「喧しい!丁度いい、お前も家族の元に送ってやる」
対峙したナルシスはニヤリと笑う
その顔は醜く歪んだように見えた
「!」
殺気を感じて迫ってきた剣を受け止めるとそこにはオナグルが立っていた
ダビアとマロニエ、元特攻は町の者に向かおうとする騎士達と対峙している
「女、お前がこんなところにいるとはな…あいつらの隙をついて隠れていて正解だったようだ」
隠れてたって…乗り込んで来たくせに何言ってんの?
「おい!歌姫をどこにやった」
「はい?」
まるで私が隠したような物言いに首を傾げる
「これだけ探しても見つからない。考えられるのはお前が隠したということくらいだ」
「あほらし」
「何だと?」
叫びながら切りつけて来るのを適当にかわしながら考える
ソンシティヴュではまだイモーテルの行方を掴めていないのかと
まぁ閉ざされてしまった以上、外からの情報も入らないから仕方ないのかしら?
「死にたくなければ歌姫を連れて来い」
「それ、連れてこれたとしても死ぬ未来しか見えないんだけど?」
「クックッ…少しは頭が働くらしい」
「自分の望む相手に逃げられるような馬鹿に言われても嬉しくないわね」
「な…貴様!」
「でも今のあなたを見る限り…イモーテルじゃなくても逃げたくなるんじゃない?」
あえて煽る様に言う
「この…!」
単純な男は簡単に挑発に乗った
怒りに任せて動きが荒くなる
大きく振り上げた瞬間、風魔法で剣を持つ腕を切断した
「ぐあぁぁぁぁっ!!」
目の前を落ちていく自らの腕を見送りオナグルは喚いた
右腕のあった部分を抱えるようにうずくまるオナグルをこちらの騎士が拘束した
「これを」
「ありがとうございます」
魔封じの枷を受け取った騎士はオナグルの足首にそれを嵌めた
ロキを見ると同様にナルシスの腕に魔封じの枷を嵌めていた
ダビア達もケリがついている
でも周りはまだ終わったわけではない
私とロキは一般の騎士に拘束を任せて加勢に回る事にした
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