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番外編
9.決別①
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4人でヨハン達の家に到着するとシャロンが出迎えた
「おかえりなさ…」
ヨハンの背後から顔を見せた私たちに固まったのが分かる
「な…んであんた達が…」
憎しみに近い目を向けられ相変わらずなのだ思った
「ちょっとね」
「とにかく上がってくれ」
答えながらヨハンに促されて中に入る
「ちょっと待ちなさいよ!私は入っていいなんて…」
「俺が招待した。シャロンには関係ないよ」
「ヨハン…様…?」
シャロンは信じられないという顔をした
「だって2人は私たちに借金を負わせた張本人なのよ?」
「その原因を作ったのは俺達だ。あれは正当な慰謝料だ。そのことは何度も話したし、国が認めたのにまだ理解できないのか?」
温度の無い声だった
「でも…血のつながった姉妹なのにあんな…」
「血のつながった姉妹にあれだけの慰謝料を払わなきゃならないほどの事を俺達はしたんだ」
「そん…な…」
シャロンがその場にしゃがみ込んだ
「イヤよ…認めないわ。私はヨハン様と幸せになるんだから…そのためにヨハン様の息子を…息子…何であんたが子供なんて…しかも息子…!」
レオンの抱くマリオに掴みかかろうとした瞬間シャロンは跳ね返された
「え…?」
「俺たちの息子には触れないでくれ」
レオンが吐き捨てるように言った
「シャロンがどれだけ望んでも息子どころか子供は出来ない」
「え?」
ヨハンの言葉にシャロンだけでなく私達も驚いた
「結婚してすぐにシャロンが異常だとわかった。半年以上前に俺は去勢の魔術を施してもらってる」
「う…そ…」
「嘘じゃない。向こう4年半くらいはその効力も消えない」
「そ…んな…」
今の時点で妊娠していないならシャロンには当分子供は望めないということだ
媚薬を使ってまで子を授かろうとしていたシャロンにとっては相当ショックな話だろう
何が起こったか理解を拒むシャロンを残して私たちは中に入った
「散らかってるからこんなとこで悪いな」
通されたのはダイニングキッチンだった
「丁度いいわ。でしょ?」
レオンを見ると頷いた
「丁度いいって?」
「多分ここにあると思うのよね。毎日自然と仕込むなら、ね」
「あぁ、そういうことか…」
ヨハンは納得したように頷いた
「マリエル、その食器棚の真ん中の引き出しだ」
「了解」
私がその引き出しを開けようとした時シャロンが飛び込んできた
「何してんのよ?人の家で勝手なことしないで!」
食器棚の前に陣取り叫ぶように訴えた
「おかえりなさ…」
ヨハンの背後から顔を見せた私たちに固まったのが分かる
「な…んであんた達が…」
憎しみに近い目を向けられ相変わらずなのだ思った
「ちょっとね」
「とにかく上がってくれ」
答えながらヨハンに促されて中に入る
「ちょっと待ちなさいよ!私は入っていいなんて…」
「俺が招待した。シャロンには関係ないよ」
「ヨハン…様…?」
シャロンは信じられないという顔をした
「だって2人は私たちに借金を負わせた張本人なのよ?」
「その原因を作ったのは俺達だ。あれは正当な慰謝料だ。そのことは何度も話したし、国が認めたのにまだ理解できないのか?」
温度の無い声だった
「でも…血のつながった姉妹なのにあんな…」
「血のつながった姉妹にあれだけの慰謝料を払わなきゃならないほどの事を俺達はしたんだ」
「そん…な…」
シャロンがその場にしゃがみ込んだ
「イヤよ…認めないわ。私はヨハン様と幸せになるんだから…そのためにヨハン様の息子を…息子…何であんたが子供なんて…しかも息子…!」
レオンの抱くマリオに掴みかかろうとした瞬間シャロンは跳ね返された
「え…?」
「俺たちの息子には触れないでくれ」
レオンが吐き捨てるように言った
「シャロンがどれだけ望んでも息子どころか子供は出来ない」
「え?」
ヨハンの言葉にシャロンだけでなく私達も驚いた
「結婚してすぐにシャロンが異常だとわかった。半年以上前に俺は去勢の魔術を施してもらってる」
「う…そ…」
「嘘じゃない。向こう4年半くらいはその効力も消えない」
「そ…んな…」
今の時点で妊娠していないならシャロンには当分子供は望めないということだ
媚薬を使ってまで子を授かろうとしていたシャロンにとっては相当ショックな話だろう
何が起こったか理解を拒むシャロンを残して私たちは中に入った
「散らかってるからこんなとこで悪いな」
通されたのはダイニングキッチンだった
「丁度いいわ。でしょ?」
レオンを見ると頷いた
「丁度いいって?」
「多分ここにあると思うのよね。毎日自然と仕込むなら、ね」
「あぁ、そういうことか…」
ヨハンは納得したように頷いた
「マリエル、その食器棚の真ん中の引き出しだ」
「了解」
私がその引き出しを開けようとした時シャロンが飛び込んできた
「何してんのよ?人の家で勝手なことしないで!」
食器棚の前に陣取り叫ぶように訴えた
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