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本編
23.パーティー②
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「悪い。向こうでちょっと話してくる」
計画通りの言葉に頷き笑みを返す
レオンが去り私が一人になればハエが沢山寄ってくるはずだ
「ちょっとよろしいかしら」
予想通り寄ってきたのは化粧の濃い女性とその取り巻きと思われる女性が3人
さらにそれを遠巻きにするように20人くらいの女性がこっちを注目していた
思ったよりたくさんいたのね
それでも学園に比べれば少ないけれど
そう思いながら彼女を見返す
「あなたレオン様の何なのかしら?」
「王太子様が仰られた通り婚約させていただいておりますが?」
とぼけたように返すと彼女は一歩踏み出してきた
「どんな手で取り入ったのかって聞いてるのよ?」
「取り入る…ですか…」
はて?
と首を傾げて見せる
「あんたみたいなただの商会の人間が、レオン様のような高貴なお方とお近づきになるなんて…何かあるに決まってるのよ!さっさと白状なさい」
「そうですわ。これまでアリア様でさえお側に寄れなかったのに…あなたのような下々の者がなんてありえないわ」
「そうよ」
下々の者と来ましたか…
まぁ確かにただの一般人ですけど
「それにあなたの商会は最低だわ」
叫ぶように放たれた言葉にこれまで気付いてなかった周りもこちらに注目し始めていた
このご令嬢は気付いてないみたいだけど…
「最低…ですか。後学の為にその理由をお尋ねしても?」
「フン!それもわからないのね?いいこと?私が店に訪れてもトップが出てこなかったのよ?ただの一スタッフにこの私の対応をさせるなんて客を馬鹿にしてるわ。そう思いませんこと?」
「私もそう思いましたわ」
「私もです」
同意を求められた周囲の令嬢たちが揃って頷き同意の言葉を口にする
「あの店のスタッフはこの私に安物を進めましたのよ?失礼にもほどがありますわ!」
「お言葉ですが」
私は注意を引くためにそこで一度言葉を切った
「お言葉ですが当商会には最高品質の物を揃えさせていただいております。安いから質が悪いというものでもありませんし、高いからと似合いもしないものをお勧めする方が、商会としてお客様に対して失礼だと考えております」
「は…?」
「あなた何を言って…」
「つまり何?今私が身に着けているものが似合っていないとでもおっしゃるのかしら?」
「失礼を承知でお答えするなら、あなたの肌と目、髪の色に今のドレスは合いません。色同士が喧嘩して目がチカチカします。それは私の個人の感覚ではなく色彩学的な観点で証明されております」
「な…」
「それを指摘せずにお褒めになるようなご友人も、それを知ってか知らずか、あなたにそのドレスを勧めた方も私は軽蔑致します」
そう言い放つと側にいた取り巻きが顔をゆがませた
計画通りの言葉に頷き笑みを返す
レオンが去り私が一人になればハエが沢山寄ってくるはずだ
「ちょっとよろしいかしら」
予想通り寄ってきたのは化粧の濃い女性とその取り巻きと思われる女性が3人
さらにそれを遠巻きにするように20人くらいの女性がこっちを注目していた
思ったよりたくさんいたのね
それでも学園に比べれば少ないけれど
そう思いながら彼女を見返す
「あなたレオン様の何なのかしら?」
「王太子様が仰られた通り婚約させていただいておりますが?」
とぼけたように返すと彼女は一歩踏み出してきた
「どんな手で取り入ったのかって聞いてるのよ?」
「取り入る…ですか…」
はて?
と首を傾げて見せる
「あんたみたいなただの商会の人間が、レオン様のような高貴なお方とお近づきになるなんて…何かあるに決まってるのよ!さっさと白状なさい」
「そうですわ。これまでアリア様でさえお側に寄れなかったのに…あなたのような下々の者がなんてありえないわ」
「そうよ」
下々の者と来ましたか…
まぁ確かにただの一般人ですけど
「それにあなたの商会は最低だわ」
叫ぶように放たれた言葉にこれまで気付いてなかった周りもこちらに注目し始めていた
このご令嬢は気付いてないみたいだけど…
「最低…ですか。後学の為にその理由をお尋ねしても?」
「フン!それもわからないのね?いいこと?私が店に訪れてもトップが出てこなかったのよ?ただの一スタッフにこの私の対応をさせるなんて客を馬鹿にしてるわ。そう思いませんこと?」
「私もそう思いましたわ」
「私もです」
同意を求められた周囲の令嬢たちが揃って頷き同意の言葉を口にする
「あの店のスタッフはこの私に安物を進めましたのよ?失礼にもほどがありますわ!」
「お言葉ですが」
私は注意を引くためにそこで一度言葉を切った
「お言葉ですが当商会には最高品質の物を揃えさせていただいております。安いから質が悪いというものでもありませんし、高いからと似合いもしないものをお勧めする方が、商会としてお客様に対して失礼だと考えております」
「は…?」
「あなた何を言って…」
「つまり何?今私が身に着けているものが似合っていないとでもおっしゃるのかしら?」
「失礼を承知でお答えするなら、あなたの肌と目、髪の色に今のドレスは合いません。色同士が喧嘩して目がチカチカします。それは私の個人の感覚ではなく色彩学的な観点で証明されております」
「な…」
「それを指摘せずにお褒めになるようなご友人も、それを知ってか知らずか、あなたにそのドレスを勧めた方も私は軽蔑致します」
そう言い放つと側にいた取り巻きが顔をゆがませた
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