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6.ミュラーリアでの生活
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「そういやサラサ、商会の方の入金確認してるか?」
レイがそう言いだしたのは突然だった
「全然。でもそんな大した額じゃないでしょ?」
「いや。それは…違うと思うぞ?」
「え?」
「…いいからカード確認してみ」
レイにため息交じりに言われて私はインベントリからカードを取り出した
「…?!」
カードの預金額を見て固まった
1500万ギルを越えた額が表示されている
1ギル1円なので1500万円相当ということになる
前世でも手にした事の無い額にちょっとした恐怖が産まれる
「レイ、これってどういうこと?」
レイにつかみかかるようにして尋ねていた
「いくら入ってっかは知んねぇけど…そのままじゃねぇの?」
「でもこれすごい金額…」
「色々登録持ち込んである」
「え?でもカード持って行ってないよね?」
「サラサは会長に覚えられてるし、サラサが損するわけでもないから問題ないみたいだな」
あっさり言うレイにそれでいいのか?と思うものの現に問題がないのだからいいのだろう
前世の特許という概念を考えるとありえないことだけど…
でもふと考える
レイがこのことを言い出したのはなぜなのか?
「あ、勘違いすんなよ?追い出そうとしてるわけじゃないから」
沸き上がった不安はレイの言葉で霧散した
「お前が何にも言ってこないから気になっただけだ。会長も明細確認しに来ないって言ってたから」
「あ…」
そう言えばそんなことを言われていた気もする
「お前が無頓着なのはわかったけど、漏れや間違いがないか定期的な確認はしといた方がいい」
「無頓着って…」
反論したいものの気づいてなかった事実があるだけに諦めた
「いつも言ってるだろ?俺としてはずっといてくれても構わないって」
「それは聞いてるけど…」
「別に結婚願望があるわけでもないしな。それにサラサがいる今の生活は結構気に入ってる」
「レイ…」
「うまい飯食えるし、便利なもん見せてもらえるし?お前といると退屈しない」
そう言ってレイはケラケラ笑う
でもその軽さがありがたかった
この預金を見る限りお金には困らずに済むのだろうことはわかる
でもこの家を出て一人で生活するのはまだ怖い
それでもいつかは出て行かなければ
その気持ちだけは変わることはなかった
「こんにちは」
商業ギルドに顔を出したのはレイに言われてから少ししてからだった
「サラサ様、ようこそいらっしゃいました」
「明細の確認をお願いできますか?」
「承知しました。どうぞこちらでお待ちください」
出迎えてくれた会長に応接室に通された
「お待たせしました。こちらがサラサ様のこれまでの明細になります」
そう言って会長は3枚の用紙を渡してくれた
私はその内容を確認していく
「いつの間にこんなに…?」
思わぬものまで登録されていて唖然とする
「レイ様が時々。どの品も喜んで登録させていただいております」
「そう…ですか」
喜んでもらえるようなものだろうかと首をかしげるものもあるのだが…
でもまぁカーテンタッセルでも喜ばれる世界だしと無理矢理納得させる
「ありがとうございました」
一通り確認を終えて立ち上がる
「とんでもありません。今後もどうぞよろしくお願いいたします」
会長自ら深々と頭を下げる姿にどうしたものかと困惑しかない
妙な居心地の悪さから逃げるように商業ギルドを後にした
「ついでに薬草売りに行こっと」
インベントリにそれなりにたまっているのを思い出し次は冒険者ギルドに足を向ける
中に入って依頼ボードに一通り目を通しながら、手持ちの薬草の依頼をピックアップしていく
「お伺いします」
「この依頼をお願いします」
お辞儀しながらそう言った受付嬢に3枚の依頼書を渡し、必要な薬草をマジックバッグを通してインベントリから取り出した
ダミーのマジックバッグは、インベントリは知られない方がいいということで、この世界に来てすぐの頃にレイが譲ってくれた迷宮品だ
マジックバッグなんて持ってたら絡まれるのではないかと、最初にレイの家に来た時ナターシャさんが心配していた
でもレイが私を保護したことは知れ渡っている為問題にはならなかったようだ
「Eランクの採取依頼ですね。ギルドカードをお願いします」
「はい」
インベントリからカードを取り出して渡すと魔道具を通して処理が行われる
「ありがとうございます。報酬はどうされますか?」
「現金でお願いします」
「かしこまりました」
頷くと受付嬢はすぐに手続きを終わらせる
目の前に出された報酬をそのままマジックバッグにしまう
「サラサさん、今回の依頼完了でランクアップが可能になりましたがどうされますか?」
「え?」
「Eランクへのランクアップ条件をクリアされましたので」
理解していない私に補足説明をしてくれる
「あ、じゃぁお願いします」
いつの間にクリアするだけの依頼をこなしたのかはわからないが上がれるというならお願いしよう
そうすれば今よりもランクの高い採取依頼を受けることができる
「おめでとうございます。ランクアップ完了です」
受付嬢が笑顔を見せて返してくれたカードにはEランクと記載されていた
その下にある預金額はどう見てもEランクのものではなかったが気にしないことにする
「ありがとうございます」
笑顔を返しもう一度依頼ボードを見る
「1つ上までだから…」
今まで目を向けていなかったDランクの依頼に目を通していく
明らかに討伐依頼が増えているのが分かる
帰ってからレイに相談してみようと決めてギルドを後にした
レイがそう言いだしたのは突然だった
「全然。でもそんな大した額じゃないでしょ?」
「いや。それは…違うと思うぞ?」
「え?」
「…いいからカード確認してみ」
レイにため息交じりに言われて私はインベントリからカードを取り出した
「…?!」
カードの預金額を見て固まった
1500万ギルを越えた額が表示されている
1ギル1円なので1500万円相当ということになる
前世でも手にした事の無い額にちょっとした恐怖が産まれる
「レイ、これってどういうこと?」
レイにつかみかかるようにして尋ねていた
「いくら入ってっかは知んねぇけど…そのままじゃねぇの?」
「でもこれすごい金額…」
「色々登録持ち込んである」
「え?でもカード持って行ってないよね?」
「サラサは会長に覚えられてるし、サラサが損するわけでもないから問題ないみたいだな」
あっさり言うレイにそれでいいのか?と思うものの現に問題がないのだからいいのだろう
前世の特許という概念を考えるとありえないことだけど…
でもふと考える
レイがこのことを言い出したのはなぜなのか?
「あ、勘違いすんなよ?追い出そうとしてるわけじゃないから」
沸き上がった不安はレイの言葉で霧散した
「お前が何にも言ってこないから気になっただけだ。会長も明細確認しに来ないって言ってたから」
「あ…」
そう言えばそんなことを言われていた気もする
「お前が無頓着なのはわかったけど、漏れや間違いがないか定期的な確認はしといた方がいい」
「無頓着って…」
反論したいものの気づいてなかった事実があるだけに諦めた
「いつも言ってるだろ?俺としてはずっといてくれても構わないって」
「それは聞いてるけど…」
「別に結婚願望があるわけでもないしな。それにサラサがいる今の生活は結構気に入ってる」
「レイ…」
「うまい飯食えるし、便利なもん見せてもらえるし?お前といると退屈しない」
そう言ってレイはケラケラ笑う
でもその軽さがありがたかった
この預金を見る限りお金には困らずに済むのだろうことはわかる
でもこの家を出て一人で生活するのはまだ怖い
それでもいつかは出て行かなければ
その気持ちだけは変わることはなかった
「こんにちは」
商業ギルドに顔を出したのはレイに言われてから少ししてからだった
「サラサ様、ようこそいらっしゃいました」
「明細の確認をお願いできますか?」
「承知しました。どうぞこちらでお待ちください」
出迎えてくれた会長に応接室に通された
「お待たせしました。こちらがサラサ様のこれまでの明細になります」
そう言って会長は3枚の用紙を渡してくれた
私はその内容を確認していく
「いつの間にこんなに…?」
思わぬものまで登録されていて唖然とする
「レイ様が時々。どの品も喜んで登録させていただいております」
「そう…ですか」
喜んでもらえるようなものだろうかと首をかしげるものもあるのだが…
でもまぁカーテンタッセルでも喜ばれる世界だしと無理矢理納得させる
「ありがとうございました」
一通り確認を終えて立ち上がる
「とんでもありません。今後もどうぞよろしくお願いいたします」
会長自ら深々と頭を下げる姿にどうしたものかと困惑しかない
妙な居心地の悪さから逃げるように商業ギルドを後にした
「ついでに薬草売りに行こっと」
インベントリにそれなりにたまっているのを思い出し次は冒険者ギルドに足を向ける
中に入って依頼ボードに一通り目を通しながら、手持ちの薬草の依頼をピックアップしていく
「お伺いします」
「この依頼をお願いします」
お辞儀しながらそう言った受付嬢に3枚の依頼書を渡し、必要な薬草をマジックバッグを通してインベントリから取り出した
ダミーのマジックバッグは、インベントリは知られない方がいいということで、この世界に来てすぐの頃にレイが譲ってくれた迷宮品だ
マジックバッグなんて持ってたら絡まれるのではないかと、最初にレイの家に来た時ナターシャさんが心配していた
でもレイが私を保護したことは知れ渡っている為問題にはならなかったようだ
「Eランクの採取依頼ですね。ギルドカードをお願いします」
「はい」
インベントリからカードを取り出して渡すと魔道具を通して処理が行われる
「ありがとうございます。報酬はどうされますか?」
「現金でお願いします」
「かしこまりました」
頷くと受付嬢はすぐに手続きを終わらせる
目の前に出された報酬をそのままマジックバッグにしまう
「サラサさん、今回の依頼完了でランクアップが可能になりましたがどうされますか?」
「え?」
「Eランクへのランクアップ条件をクリアされましたので」
理解していない私に補足説明をしてくれる
「あ、じゃぁお願いします」
いつの間にクリアするだけの依頼をこなしたのかはわからないが上がれるというならお願いしよう
そうすれば今よりもランクの高い採取依頼を受けることができる
「おめでとうございます。ランクアップ完了です」
受付嬢が笑顔を見せて返してくれたカードにはEランクと記載されていた
その下にある預金額はどう見てもEランクのものではなかったが気にしないことにする
「ありがとうございます」
笑顔を返しもう一度依頼ボードを見る
「1つ上までだから…」
今まで目を向けていなかったDランクの依頼に目を通していく
明らかに討伐依頼が増えているのが分かる
帰ってからレイに相談してみようと決めてギルドを後にした
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