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6.望まぬ再会
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「紫音ちゃん早起なんだね?」
携帯のアラームでおきた美咲が目をこすりながら言う
「そうかな?」
紫音はごまかすかのように笑った
朝食をとって迎えに来たバスで教習所へ向かう
慌しく1日は過ぎていった
「・・・ん。紫音ちゃん」
「え・・・?」
休憩室で美咲と愛里が心配そうに紫音を見ていた
「大丈夫?気分悪い?」
「あ・・・ううん。大丈夫。昨日中々寝付けなかっただけだから」
笑顔を作って答えると立ち上がる
「どっか行くの?」
「うん。ちょっと買い物していくから先帰ってて?」
「わかった。気付けてね?」
みんなに見送られて紫音は歩き出す
『そういえばさっき湊龍君いたっけ?』
ふとそう思ったがすぐに忘れてしまった
一人駅に向かって歩いていると前から見覚えのある男が歩いてくる
『何で?!』
紫音の顔が青ざめる
「やっと見つけた」
男は走り出した
「や・・・」
紫音は後ずさる
「お前何勝手に姿くらましてんねん?!俺が行くけぇまっとれ言うたやろ?」
明らかに興奮している
「あ・・・誰・・・か・・・・・・!」
助けを求めようにも他に人の気配がない
男が手を振り上げた瞬間紫音は目を閉じた
『・・・え?』
何かに当たったような鈍い音がしたにも関わらず紫音に痛みはない
恐る恐る目を開けると誰かの背中の向こうで男がしりもちを付いて顔をゆがめていた
「湊龍・・・君?」
信じられないと言う目で紫音は焚迦釈を見る
走ってきたのか息が乱れているが紫音をかばうようにして立っていた
「何だてめぇ?」
男が立ちあがるなり殴りかかってきた
「ひゃ・・・」
反射的に後ずさるが焚迦釈はあっさりと男を殴り倒していた
「紫音!」
男が紫音をにらみつける
「俺は認めへんぞ?!これ以上逃げれんようにその足もっぺん折ったるから覚悟しとけ!」
「!」
その瞬間階段から転がり落ちたときの恐怖が脳裏をかすめた
「まさか・・・あの時つき落としたの・・・」
「俺や。入院中のお前は最高やった。俺にされるがままやったからのぉ!」
ニヤニヤしながら言う男に紫音の体は震えだす
「お前に忠告しといたる。紫音は親の借金のかたに俺の親父が手に入れたペットや。こいつが欲しかったら1000万用意するんやな」
「・・・!」
他の誰よりも焚迦釈には知られたくはなかった
紫音は気が遠くなるのが分かった
『ドサッ・・・』
「紫音!」
道に倒れこんだ紫音を抱き上げて焚迦釈は立ち上がる
「しょせん一人で何にもできねぇ馬鹿がうだうだ言ってんじゃねぇよ」
ぞっとするような鋭い目つきでにらまれた男は立ちすくむ
焚迦釈はそれを見てあざ笑うかのように鼻で笑うと歩き出した
携帯のアラームでおきた美咲が目をこすりながら言う
「そうかな?」
紫音はごまかすかのように笑った
朝食をとって迎えに来たバスで教習所へ向かう
慌しく1日は過ぎていった
「・・・ん。紫音ちゃん」
「え・・・?」
休憩室で美咲と愛里が心配そうに紫音を見ていた
「大丈夫?気分悪い?」
「あ・・・ううん。大丈夫。昨日中々寝付けなかっただけだから」
笑顔を作って答えると立ち上がる
「どっか行くの?」
「うん。ちょっと買い物していくから先帰ってて?」
「わかった。気付けてね?」
みんなに見送られて紫音は歩き出す
『そういえばさっき湊龍君いたっけ?』
ふとそう思ったがすぐに忘れてしまった
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『何で?!』
紫音の顔が青ざめる
「やっと見つけた」
男は走り出した
「や・・・」
紫音は後ずさる
「お前何勝手に姿くらましてんねん?!俺が行くけぇまっとれ言うたやろ?」
明らかに興奮している
「あ・・・誰・・・か・・・・・・!」
助けを求めようにも他に人の気配がない
男が手を振り上げた瞬間紫音は目を閉じた
『・・・え?』
何かに当たったような鈍い音がしたにも関わらず紫音に痛みはない
恐る恐る目を開けると誰かの背中の向こうで男がしりもちを付いて顔をゆがめていた
「湊龍・・・君?」
信じられないと言う目で紫音は焚迦釈を見る
走ってきたのか息が乱れているが紫音をかばうようにして立っていた
「何だてめぇ?」
男が立ちあがるなり殴りかかってきた
「ひゃ・・・」
反射的に後ずさるが焚迦釈はあっさりと男を殴り倒していた
「紫音!」
男が紫音をにらみつける
「俺は認めへんぞ?!これ以上逃げれんようにその足もっぺん折ったるから覚悟しとけ!」
「!」
その瞬間階段から転がり落ちたときの恐怖が脳裏をかすめた
「まさか・・・あの時つき落としたの・・・」
「俺や。入院中のお前は最高やった。俺にされるがままやったからのぉ!」
ニヤニヤしながら言う男に紫音の体は震えだす
「お前に忠告しといたる。紫音は親の借金のかたに俺の親父が手に入れたペットや。こいつが欲しかったら1000万用意するんやな」
「・・・!」
他の誰よりも焚迦釈には知られたくはなかった
紫音は気が遠くなるのが分かった
『ドサッ・・・』
「紫音!」
道に倒れこんだ紫音を抱き上げて焚迦釈は立ち上がる
「しょせん一人で何にもできねぇ馬鹿がうだうだ言ってんじゃねぇよ」
ぞっとするような鋭い目つきでにらまれた男は立ちすくむ
焚迦釈はそれを見てあざ笑うかのように鼻で笑うと歩き出した
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