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125.光
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俺はなんとか自分の中で気持ちを落ち着けてから母さんと父さんを部屋に呼んだ
レティが俺にしたのと同じように話をした
「「…」」
何となく想像は出来てた
2人共黙ったままただレティを真っすぐ見ていた
「…レティシアナ」
「はい…」
「あなたの気持ちは凄くうれしい。でも…その力を使ってしまったらその水晶は消滅するか崩れるか…とにかく今の状態のままとはいかないんじゃないの?」
俺が引っかかった点は母さんたちにとっても同じだった
「俺達はシエラの左目が見えないことはただの個性だと思ってる。見える様になればありがたいがそれは…誰かの犠牲の上でのことじゃない」
「別に犠牲だなんて…」
父さんの言葉にレティは反論するもその言葉は弱い
「その水晶はご両親に繋がる大切なモノでしょう?」
「それでも…私はシエラが可愛いと思うし、何より…」
「…レティ?」
レティはじっと母さんを見ていた
「…サラサさんが時々悲しそうな目でシエラを見てる姿を…もう見たくない」
「っ!」
母さんが息を飲む音が聞こえた
「サラサ?」
父さんが本当なのかと母さんの顔をのぞき込む
でも俺には少しわかってしまった
母さんはきっと…
「サラサは他の子と同じように愛せないのか?」
「違う!そんな事あるわけないじゃない!」
そう反射的に返した母さんに父さんは少しホッとした顔をした
「そうじゃないの…ただ私は…!」
言葉にならない母さんの叫びが俺には聞こえる気がした
前世で嫌というほど聞いたから…
「五体満足で生んであげたかった…だよね?」
「シア…どうして…」
「前世で…母さんがずっと言ってたんだ。発作が起きて苦しむたびに謝りながらいつも…」
五体満足で、健康な体に生んであげられなくてごめんね
出来ることなら変わってあげたいって
俺はそれを聞くのが何より辛かった
あの頃母さんには言えなかったけど…
「でもさ母さん、ここはあの世界じゃない。障害者なんて言葉も存在しない。父さんがさっき言ったじゃん。個性だって」
「分かってるの…分かってるけど…」
泣き出した母さんを父さんが抱き寄せた
「シア、お前たちのいた世界で五体満足じゃないのは悪い事だったのか?」
「…悪い事ってわけじゃないんだけど…生きにくい場所だったと思う。ここよりも色んなものが発達してる分周りを気遣うゆとりの少ない人が多かったし」
「そうか…」
「五体満足じゃない人が障害を持ってるって区別されるんだ。一時はそれが分かった時点で生まれないように処置する人もいたって聞いたことがあるよ」
「…」
「それに普通であることが良しとされてる風潮は有ったんじゃないかな。だから普通から外れると白い目で見られたり遠巻きにされたりすることも」
「お前もか?」
「俺は…そうなる以前の問題」
「どういうことだ?」
「産まれてから殆ど病院の中で育ったから。外の世界をほとんど知らずに生きてた感じ。ただずっとかわいそうにって色んな人から言われてたかな」
その言葉は今でも大嫌いな言葉だ
言いたくないし言われたくもない
「母さんだってこの世界がそうじゃないってわかってると思う。でも染みついた感覚って中々消えないからさ。俺は3年だったけど、母さんは俺以上に特殊な環境で育って40年以上だし…」
「…理屈じゃないってことか」
父さんは黙り込んでしまった
「そういうことなら頼んだ方がいいのかもしれないな」
「レイ?」
「レティシアナ」
「はい」
「その水晶がどうなってしまうかわからないが…頼んでもいいだろうか?」
「はい!」
レティは力強く頷いた
母さんはまだ納得してない感じだったけど父さんはきっと譲らないだろう
それが分かってるのか母さんはシエラを連れてきた
レティが俺にしたのと同じように話をした
「「…」」
何となく想像は出来てた
2人共黙ったままただレティを真っすぐ見ていた
「…レティシアナ」
「はい…」
「あなたの気持ちは凄くうれしい。でも…その力を使ってしまったらその水晶は消滅するか崩れるか…とにかく今の状態のままとはいかないんじゃないの?」
俺が引っかかった点は母さんたちにとっても同じだった
「俺達はシエラの左目が見えないことはただの個性だと思ってる。見える様になればありがたいがそれは…誰かの犠牲の上でのことじゃない」
「別に犠牲だなんて…」
父さんの言葉にレティは反論するもその言葉は弱い
「その水晶はご両親に繋がる大切なモノでしょう?」
「それでも…私はシエラが可愛いと思うし、何より…」
「…レティ?」
レティはじっと母さんを見ていた
「…サラサさんが時々悲しそうな目でシエラを見てる姿を…もう見たくない」
「っ!」
母さんが息を飲む音が聞こえた
「サラサ?」
父さんが本当なのかと母さんの顔をのぞき込む
でも俺には少しわかってしまった
母さんはきっと…
「サラサは他の子と同じように愛せないのか?」
「違う!そんな事あるわけないじゃない!」
そう反射的に返した母さんに父さんは少しホッとした顔をした
「そうじゃないの…ただ私は…!」
言葉にならない母さんの叫びが俺には聞こえる気がした
前世で嫌というほど聞いたから…
「五体満足で生んであげたかった…だよね?」
「シア…どうして…」
「前世で…母さんがずっと言ってたんだ。発作が起きて苦しむたびに謝りながらいつも…」
五体満足で、健康な体に生んであげられなくてごめんね
出来ることなら変わってあげたいって
俺はそれを聞くのが何より辛かった
あの頃母さんには言えなかったけど…
「でもさ母さん、ここはあの世界じゃない。障害者なんて言葉も存在しない。父さんがさっき言ったじゃん。個性だって」
「分かってるの…分かってるけど…」
泣き出した母さんを父さんが抱き寄せた
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「…悪い事ってわけじゃないんだけど…生きにくい場所だったと思う。ここよりも色んなものが発達してる分周りを気遣うゆとりの少ない人が多かったし」
「そうか…」
「五体満足じゃない人が障害を持ってるって区別されるんだ。一時はそれが分かった時点で生まれないように処置する人もいたって聞いたことがあるよ」
「…」
「それに普通であることが良しとされてる風潮は有ったんじゃないかな。だから普通から外れると白い目で見られたり遠巻きにされたりすることも」
「お前もか?」
「俺は…そうなる以前の問題」
「どういうことだ?」
「産まれてから殆ど病院の中で育ったから。外の世界をほとんど知らずに生きてた感じ。ただずっとかわいそうにって色んな人から言われてたかな」
その言葉は今でも大嫌いな言葉だ
言いたくないし言われたくもない
「母さんだってこの世界がそうじゃないってわかってると思う。でも染みついた感覚って中々消えないからさ。俺は3年だったけど、母さんは俺以上に特殊な環境で育って40年以上だし…」
「…理屈じゃないってことか」
父さんは黙り込んでしまった
「そういうことなら頼んだ方がいいのかもしれないな」
「レイ?」
「レティシアナ」
「はい」
「その水晶がどうなってしまうかわからないが…頼んでもいいだろうか?」
「はい!」
レティは力強く頷いた
母さんはまだ納得してない感じだったけど父さんはきっと譲らないだろう
それが分かってるのか母さんはシエラを連れてきた
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