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108.コーディネイト
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「次はレティシアナの服ね。こっちよ」
俺が精算してる間にヴィアさんが張り切って連れて行く
「本当に全額自分で払うか」
豪快に笑いながらリンクさんは言う
「まぁこれくらいで懐が寂しくなるような稼ぎ方はしてない」
「…そりゃそうか。Aランクの上にギルドから頼まれてオークションもしたんだったか」
「流石に情報仕入れすぎじゃね?」
「商売人なら当然だ」
「そうかよ。あ、レティの精算も俺のカードでいいから」
ギルドカードを返却される前に一言告げる
「そういうとこはレイにそっくりだな。そんなシアの為に最高の服を選んでやるよ」
勢い込むリンクさんに嫌な予感しかしないのは気のせいか
それでも止めるという選択肢もなく背を押されるようにして隣の店に移動した
正直言えば女の服なんて自分の服以上に分からない
でも店の中を順に見て回ると目を引き付けられるものがあった
「これ…」
白地に青系の糸で刺繍を施されたワンピースだ
糸の色が下に行くほど濃くなっている
「中々いい物に目を付けたな?」
リンクさんが頷きながら言う
「シアはレイより見る目があるな」
「それって父さん酷すぎって言ってない?」
「良く分かったな?」
即答されて返す言葉が見つからない
「それにしてもお前もレティシアナも選び甲斐があるな」
「何だよ突然?」
「スタイル良し、顔も良しときたもんだ。創作意欲がわくなんてものじゃない」
そう言って何故かサイズを計られる
「今度サイズに合わせて作ってやるから楽しみにしてろ」
リンクさんはそれ以上俺に質問させずにレティの元に向かう
この半年後、レティと俺当てにオーダーメイドの服が届くことになるが、この時の俺達は想像もしていなかった
「シア選んだ?」
「おう」
シャノンが俺の手元をのぞきみる
「素敵!」
「ほんとだ。シアの独占欲丸出しだけど…」
「言うな」
自分でも何となく気付いてはいた
でも実際言葉にされると居たたまれない
思わず元の場所に戻そうとしたらシャノンが取り上げて持って行った
試着したレティは想像以上に可愛かったから良しとしよう
「シャノンとルークも1着くらい買ってやるから自分で選んで来い」
「本当?」
「ラッキー」
既にレティの服を選び終えた2人は嬉々として選んできた
俺達のを選んでるうちに目を付けていたのか実に早い
「リンクさん、レティのと一緒に全部精算してくれ」
「分かってるよ」
ニヤリと笑ってそう言った
「自分で払うよ?」
「いいって」
「そうそう。こういう時は男に払わせればいいのよ。男を立てるのも彼女の役目よ?」
申し訳なさそうにするレティにヴィアさんがにっこり笑って助言する
「…有難う?」
「どういたしまして」
「あらあら、シアもそんな顔するのね~」
「そんな顔?」
「愛しくて仕方ないって顔よ。そんなところもレイとそっくり」
さもおかしいという様にヴィアさんはクスクス笑う
「シアありがとう!」
「ありがとー!」
どう返していいか分からなくなった俺助けてくれたのはそう声をかけてくれたシャノンとルークだ
「ついでだから気にすんな。じゃぁ俺達はもう行くよ」
「また来いよ。レイ達にもよろしく」
2人に見送られて俺達は店を出た
そこからはルーク達とは別行動だ
俺とレティは町を適当にぶらついてからケインを迎えに行くことにした
俺が精算してる間にヴィアさんが張り切って連れて行く
「本当に全額自分で払うか」
豪快に笑いながらリンクさんは言う
「まぁこれくらいで懐が寂しくなるような稼ぎ方はしてない」
「…そりゃそうか。Aランクの上にギルドから頼まれてオークションもしたんだったか」
「流石に情報仕入れすぎじゃね?」
「商売人なら当然だ」
「そうかよ。あ、レティの精算も俺のカードでいいから」
ギルドカードを返却される前に一言告げる
「そういうとこはレイにそっくりだな。そんなシアの為に最高の服を選んでやるよ」
勢い込むリンクさんに嫌な予感しかしないのは気のせいか
それでも止めるという選択肢もなく背を押されるようにして隣の店に移動した
正直言えば女の服なんて自分の服以上に分からない
でも店の中を順に見て回ると目を引き付けられるものがあった
「これ…」
白地に青系の糸で刺繍を施されたワンピースだ
糸の色が下に行くほど濃くなっている
「中々いい物に目を付けたな?」
リンクさんが頷きながら言う
「シアはレイより見る目があるな」
「それって父さん酷すぎって言ってない?」
「良く分かったな?」
即答されて返す言葉が見つからない
「それにしてもお前もレティシアナも選び甲斐があるな」
「何だよ突然?」
「スタイル良し、顔も良しときたもんだ。創作意欲がわくなんてものじゃない」
そう言って何故かサイズを計られる
「今度サイズに合わせて作ってやるから楽しみにしてろ」
リンクさんはそれ以上俺に質問させずにレティの元に向かう
この半年後、レティと俺当てにオーダーメイドの服が届くことになるが、この時の俺達は想像もしていなかった
「シア選んだ?」
「おう」
シャノンが俺の手元をのぞきみる
「素敵!」
「ほんとだ。シアの独占欲丸出しだけど…」
「言うな」
自分でも何となく気付いてはいた
でも実際言葉にされると居たたまれない
思わず元の場所に戻そうとしたらシャノンが取り上げて持って行った
試着したレティは想像以上に可愛かったから良しとしよう
「シャノンとルークも1着くらい買ってやるから自分で選んで来い」
「本当?」
「ラッキー」
既にレティの服を選び終えた2人は嬉々として選んできた
俺達のを選んでるうちに目を付けていたのか実に早い
「リンクさん、レティのと一緒に全部精算してくれ」
「分かってるよ」
ニヤリと笑ってそう言った
「自分で払うよ?」
「いいって」
「そうそう。こういう時は男に払わせればいいのよ。男を立てるのも彼女の役目よ?」
申し訳なさそうにするレティにヴィアさんがにっこり笑って助言する
「…有難う?」
「どういたしまして」
「あらあら、シアもそんな顔するのね~」
「そんな顔?」
「愛しくて仕方ないって顔よ。そんなところもレイとそっくり」
さもおかしいという様にヴィアさんはクスクス笑う
「シアありがとう!」
「ありがとー!」
どう返していいか分からなくなった俺助けてくれたのはそう声をかけてくれたシャノンとルークだ
「ついでだから気にすんな。じゃぁ俺達はもう行くよ」
「また来いよ。レイ達にもよろしく」
2人に見送られて俺達は店を出た
そこからはルーク達とは別行動だ
俺とレティは町を適当にぶらついてからケインを迎えに行くことにした
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