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100.変化

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レティと2人で気ままに過ごす時間はあっという間に過ぎていく
龍神族という種族を得たらしい俺はレティと共にその力を探っていた
「やっぱり体が軽い」
今居るのは中級迷宮の最後のボス部屋
朝からボスだけに挑むいわゆるボス巡りをしていた

「そんなに違う?」
「ああ。旅から戻って来た後に挑んだ時と比べ物にならないくらいだな」
なんならもう1週軽くこなせる気がする
「龍神族が身体能力に優れてるのは聞いてたけどここまでとは思わなかったな」
レティが1人で生きてこれたのにも納得だ
「でもこの辺で一旦休憩するか」
「そうだね。丁度ボス部屋だし」
この世界の冒険者の共通認識『ボス部屋=どこよりも安全』だもんな
「リトスおいで」
ポーチを開けて呼びかけるとすぐに飛び出してきた
「…ねぇ、リトス大きくなってない?」
レティがリトスをじっと見ながら尋ねてくる
「そうなんだよな。この数日で一気に大き…く…?!」
言いながら気づく
リトスの命の源は俺の魔力
これまでの魔力と今の魔力は同じものなのか?
恐る恐るリトスを鑑定した

***
リトス(テイムにより進化し、龍神族の魔力を源とすることでとなったネームドモンスター)
ブルサモモンガとモモンガの血を引いたハーフ
テイマーの魔力を得ることで生命を維持できる固有種のため寿命はテイマーに準ずる
3ごとに分裂し個体数を増やす
特徴:成体時の最大サイズ30cm500g、臭い無し、袋有り(無限収納)
スキル:飛翔、気配察知、
***

「マジか…」
「どうしたの?」
「リトスが超越体に進化した」
「え?」
『ちょうえつたい なに?』
レティは驚き、リトスは不思議そうに尋ねて来る
「最大30cm、500gくらいになるらしい。それに結界と風魔法を覚えてるし、念話が意思疎通に変わってる。あとは分裂まで3年?」
「モモンガが結界に攻撃魔法…」
『シア、いしそつう なに?』
「…リトスが話したいと思う相手と会話できるみたいだぞ?」
世界辞書で調べるとそう表示されていた
因みに念話は通常、テイマーとしか行えないし、そのスキルをテイムした魔物が持っている場合に限られる
『レティシアナとはなしたい』
「あ」
リトスが言った途端レティがリトスを見た
「今の、ひょっとしてリトスの声?」
『ぼくのこえ きこえる?』
「ええ…ええ!聞こえるわリトス」
『わーい』
リトスは飛び上がってレティの肩に乗った
『レティシアナ だいすき~』
「嬉しい!私もリトスのこと大好きよ」
じゃれ合う1人と1匹が微笑ましい
どっちも可愛いから俺は眺めてるだけでも満足だ

「リトスのスキルは今度実際に確認してみるとして、今は飯だな」
『ごはん!』
「あ…」
ご飯と言いながらこっちに飛びついてきたリトスにレティが残念そうな声を漏らす
その気持ちはまぁわからんでもない
「リトスは果物か?」
別荘に来る前に仕入れた果物を3種類ほど皿に乗せてやると早速かぶりついていた
「俺達はサンドイッチでいいか?」
「うん」
レティの分も取り出した
ついでに飲み物、果実水を2人分用意する

「この後は龍化を試したいんだっけ?」
「ああ。レティの龍化を一度見せてもらったから何となくイメージは出来てるんだけどな」
だからって町中で龍化を試して失敗したらとんでもないことになる
だからここ---迷宮のボス部屋---を選んだ
丈夫さと大きさでここを上回る場所はそう多くないから
「龍化しても言葉は話せるんだよな?」
確かレティは話してたはず
「話せるよ。スキルも同じように使えるし変わるのは体の形や大きさ、あとはスキルの威力に、飛べるってことくらいかな?」
じゃないと思うけどな?」
「…そうね」
「まぁ、獣人族は獣化・人化・半獣の姿に変化できるらしいし、そういう意味ではと言えなくもないのか…?」
人族の視点で考えるからとんでもないことに感じるだけなのかもしれない
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