225 / 349
86.旺盛な食欲
1
しおりを挟む
『コンコン』
ノックの音で意識が浮上する
「どーぞ」
俺はそう言って念動力でカギを開けながら体を起こす
「おはよう」
そう言いながら入ってきたのはレティだ
「おはよ。ちゃんと眠れたか?」
「いつもちゃんと寝れてるよ。シアって本当に心配性」
レティはクスクス笑いながら言うけど、家に来る直前の事を考えるとやっぱり心配にはなる
まぁでもこの軽口が出て来るなら問題なさそうだ
「ねぇシア」
「ん?」
「私本当にこのままここにいてもいいのかな…」
「何で?」
「すごく良くしてもらって申し訳なくて…」
1人で頑張ってきた時間を思えばそうなるのも仕方ないんだろうか
「いいんだよ。でももし居づらいなら正直に言ってくれ。何か考えるから」
そう言うと無言のまま頷いた
「どっちにしても当分はここでのんびりすればいい。今日は飯食ったら町を案内するよ」
「町?」
「ああ。ギルドのあったとこ。ここは町の外になる」
大抵の人は守ってもらえる場所である、町の中に住むけど俺達はそう言う場所を好まない
バルドさんは店が、マリクたちは守りたいものがあるから町の中に住んでるだけのことだ
「おはよ」
「おはようございます」
「おはよう2人共。ご飯今から作るからちょっと待ってね」
母さんが準備しながらそう言った
「シエラは?」
「レイと一緒にまだ寝てるわよ」
そういや今日は休みの日か
休みの日はなんだかんだと皆起きるのが遅くなる
もっとも、予定が入ってれば別だけど
「今日の朝飯何?」
「ホットドッグとハンバーガー」
「ケインの希望か」
「良く分かってるじゃない」
そう言われて苦笑する
「シア、ハンバーガーって?」
ホットドッグは屋台でも売ってたりするから知ってるらしい
でもハンバーガーは売ってないからな
「丁度いい。レティも一緒に作るか。母さん、ハンバーガーは俺達で作るよ」
「あら助かるわ。材料はこれね」
母さんはそう言ってテーブルの上に材料をどっさり取り出した
レティにミンチを作ってもらってる間に俺は玉ねぎをみじん切りにする
「母さん、ミンチにするのもみじん切りにするのも何か道具作った方が良くないか?」
「そうね…今度作って見ましょうか。道具があれば小さい子も手伝えるし」
「道具を作る?」
「ああ。母さんはちょっと特殊なスキルを持ってるんだ。おかげでこの家は快適」
「あなたがこの家を出る時も作ってあげるわよ」
「ああ。その時は頼むよ…っていっても当分先な気もするけど」
「そうかしら?」
母さんは意味ありげにレティを見る
いや、付き合ってないぞ?
心の中で釘をさしておく
「これ楽しい」
レティはハンバーグの形を作った後の空気抜きが気に入ったらしい
パン、パンと小気味いい音が一定のリズムで繰り返されていた
「あとはこれを焼いて、野菜と一緒にパンに挟めば完成」
フライパンに油を引いて6つ程並べて蒸し焼きにしていく
レティにも魔道具のコンロとフライパン一式を渡すと真似をしながら焼き始めた
ノックの音で意識が浮上する
「どーぞ」
俺はそう言って念動力でカギを開けながら体を起こす
「おはよう」
そう言いながら入ってきたのはレティだ
「おはよ。ちゃんと眠れたか?」
「いつもちゃんと寝れてるよ。シアって本当に心配性」
レティはクスクス笑いながら言うけど、家に来る直前の事を考えるとやっぱり心配にはなる
まぁでもこの軽口が出て来るなら問題なさそうだ
「ねぇシア」
「ん?」
「私本当にこのままここにいてもいいのかな…」
「何で?」
「すごく良くしてもらって申し訳なくて…」
1人で頑張ってきた時間を思えばそうなるのも仕方ないんだろうか
「いいんだよ。でももし居づらいなら正直に言ってくれ。何か考えるから」
そう言うと無言のまま頷いた
「どっちにしても当分はここでのんびりすればいい。今日は飯食ったら町を案内するよ」
「町?」
「ああ。ギルドのあったとこ。ここは町の外になる」
大抵の人は守ってもらえる場所である、町の中に住むけど俺達はそう言う場所を好まない
バルドさんは店が、マリクたちは守りたいものがあるから町の中に住んでるだけのことだ
「おはよ」
「おはようございます」
「おはよう2人共。ご飯今から作るからちょっと待ってね」
母さんが準備しながらそう言った
「シエラは?」
「レイと一緒にまだ寝てるわよ」
そういや今日は休みの日か
休みの日はなんだかんだと皆起きるのが遅くなる
もっとも、予定が入ってれば別だけど
「今日の朝飯何?」
「ホットドッグとハンバーガー」
「ケインの希望か」
「良く分かってるじゃない」
そう言われて苦笑する
「シア、ハンバーガーって?」
ホットドッグは屋台でも売ってたりするから知ってるらしい
でもハンバーガーは売ってないからな
「丁度いい。レティも一緒に作るか。母さん、ハンバーガーは俺達で作るよ」
「あら助かるわ。材料はこれね」
母さんはそう言ってテーブルの上に材料をどっさり取り出した
レティにミンチを作ってもらってる間に俺は玉ねぎをみじん切りにする
「母さん、ミンチにするのもみじん切りにするのも何か道具作った方が良くないか?」
「そうね…今度作って見ましょうか。道具があれば小さい子も手伝えるし」
「道具を作る?」
「ああ。母さんはちょっと特殊なスキルを持ってるんだ。おかげでこの家は快適」
「あなたがこの家を出る時も作ってあげるわよ」
「ああ。その時は頼むよ…っていっても当分先な気もするけど」
「そうかしら?」
母さんは意味ありげにレティを見る
いや、付き合ってないぞ?
心の中で釘をさしておく
「これ楽しい」
レティはハンバーグの形を作った後の空気抜きが気に入ったらしい
パン、パンと小気味いい音が一定のリズムで繰り返されていた
「あとはこれを焼いて、野菜と一緒にパンに挟めば完成」
フライパンに油を引いて6つ程並べて蒸し焼きにしていく
レティにも魔道具のコンロとフライパン一式を渡すと真似をしながら焼き始めた
64
お気に入りに追加
598
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?
藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」
9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。
そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。
幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。
叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
〖完結〗死にかけて前世の記憶が戻りました。側妃? 贅沢出来るなんて最高! と思っていたら、陛下が甘やかしてくるのですが?
藍川みいな
恋愛
私は死んだはずだった。
目を覚ましたら、そこは見知らぬ世界。しかも、国王陛下の側妃になっていた。
前世の記憶が戻る前は、冷遇されていたらしい。そして池に身を投げた。死にかけたことで、私は前世の記憶を思い出した。
前世では借金取りに捕まり、お金を返す為にキャバ嬢をしていた。給料は全部持っていかれ、食べ物にも困り、ガリガリに痩せ細った私は路地裏に捨てられて死んだ。そんな私が、側妃? 冷遇なんて構わない! こんな贅沢が出来るなんて幸せ過ぎるじゃない!
そう思っていたのに、いつの間にか陛下が甘やかして来るのですが?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる