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80.進化

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「よかったねシャノン!」
「うん!レティのおかげ」
「私?」
「ふふ…いつも陰でさりげなく励ましてくれるから」
「あ、何だ…だからこれだけ続けれたのか?」
ルークの言葉に俺も納得した
失敗が続けばすぐに投げ出すシャノンが良く続くものだとは思ってたけど…

「おかげで貢献度も今までより多く上げれるよね」
「貢献度?」
「ああ、パーティーを組んでると魔物を倒した時、とどめを刺した奴が貢献度の5割を貰えるんだ。残りはその魔物を倒すための働きに応じて分配される」
「つまり…さっきの魔物の場合ルークがとどめを刺したから、ルークが5割、残りの5割を私とシアとシャノンで分配されるってこと?」
「ああ」
「その分配も倒すための働きで計算される?」
「そういうこと。その為の働きってのは補助も勿論対象になるけど、どうしても攻撃の方が高く計算される。シャノンの場合は途中で補助をかけ直すことも多い。それにかかる時間が短縮されれば攻撃に回せるってことだな」
「そうだったんだ…初めて知ったわ」
レティが感心したように言う
そりゃそうだろう
補助魔法は使える方が珍しい上に補助魔法自体あまり知られてはいない
海の物とも山の物ともわからないものに時間を割く奴はそういないだろう
補助とつくからか貢献度に反映されることもあんまりしられていないみたいだしな

「昔はそれが納得いかなかったんだよね」
「え?」
「だって攻撃の方が貢献度高くなるってことはその分ランクアップも早いから」
「それは…確かにそうよね。今は納得してるの?」
「してるよ。どう逆立ちしても性別間の力量の差は埋められないって納得できてるから」
シャノンはそう言って笑う
その事で泣いてた時期が随分懐かしく感じる

「それにね、今はランクアップだけが全てじゃないって思ってるから」
「どういうこと?」
「旅に出てから余計になんだけどね、皆が怪我せずに戦うことの方が大事だなって。その為に補助が役に立つってこともスキルレベルが上がるにつれて分かってきたの」
「確かにお前の補助スキルの効果はこの旅の中で大きくなってきてるな」
「だね。疲れてる時とか高ランク相手だと余計にそれを感じる」
ルークのその言葉にシャノンは満面の笑みを見せる

「父さんが言ってた通りだな。どんなスキルでも一定のレベルを超えると化けるって。特に補助系はそれが顕著だって」
確か時間操作を教えてもらった時だったはず
スキルレベルが低いうちは対象1つの動きを遅くできるのが10秒ほど
でも父さんのレベルでは5つの対象を15分の間動きを遅くすることができる
高ランクの魔物1体の動きを10秒間遅くしたところで大した効果はないけど、複数の魔物を15分となると話は全く変わって来る
ちなみに俺はまだスキルレベルが3だから対象は3、時間にすると5分ほど
動きの速い魔物に対してはそれなりに効果があると思う

「この旅の間に結構色んなスキルのレベルが上がったかな」
「あ、僕も!」
「私もだよ?帰ったらお父さん褒めてくれるかな?」
「シャノンの事は間違いなくべた褒めだろ」
お姫様が帰ってきただけでもデレるだろうからな
成長したとなると褒めるか…それとも寂しがるか?
どっちにしても揉みくちゃにされるのは確実だろう

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