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閑話8 暗闇に差す光(side:レティシアナ)
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私は純粋な龍神族の両親から生まれた最後の純粋な龍神族だ
そのせいで一つの場所に落ち着いて暮らすことが出来なかった
長く住めても2年くらいだと両親が言ってるのを聞いたことがある
希少種に目を付けた一部の人間がどこからか情報を仕入れて追ってくる
そしてその大半が捉えられてしまう
「君がレティシアナかな?」
そう言って貴族が尋ねてきたのは突然だった
同じ場所に留まってはいけないと分かってはいても私一人ではどうすればいいかわからなくて、両親が亡くなってから7年居続けてしまった
時々近くの集落の人に食料を交換してもらったりしていたからその関係者だと思ってしまった
だって私の名前まで知っていたから…
「そう…ですけど」
「やはりそうか。どうだろう。君を嫁に貰いたいんだが」
「嫁?…私はまだ12歳で…」
「なに、貴族に取って歳など関係ない。私のところに来てくれれば不自由な暮らしはさせないよ」
優しそうな、人のよさそうな笑みを浮かべるその貴族の目元は笑っていなかった
本能的に危ないと思って当り障りなく断った
でもその日から何度もその貴族は現れた
その度に新鮮な野菜や果物を持ってくる
「もう5回も贈り物を受け取っておきながら断わるとは何と失礼な」
「!?」
突然張り倒されて視界ぼやけた
「いいか!今日受け入れなかったことを後悔させてやるからな!」
貴族はそう吐き捨てて出て行った
その日から私は怯えるだけの生活が始まった
「お姉ちゃん」
「?」
いくら怖くても食糧調達を怠れば死活問題になる
私は定期的に外に出て狩りをしたり集落に寄らせてもらう必要があった
久しぶりに近くの集落に寄った帰りに10歳くらいの男の子が声をかけてきた
「道を教えて欲しいんだ」
「道?どこに行きたい…」
尋ね返している途中で男の子は何かを取り出した
それが魔道具だと気づいたときには意識がもうろうとしていた
「ごめんね、おねえちゃん。でもこうしないと父さんが殺されるんだ…」
遠くなる意識の中で聞こえた言葉に、あの貴族の仕業だとそう思ったけど既に遅かった…
「…?」
目を開けると見知らぬ場所にいた
暗くジメっとした何もない部屋
何もなく時間の経過もわからない
閉塞された空間に気が狂いそうになる
そんな場所で私は放置された
ただし、眠ってる間に何か薬を飲まされているようで思考が上手く働かなかった
「あれから3日、気分はどうかな?」
ニタニタと笑いながら入ってきたのはあの貴族だった
3日も経ってたの?
その事実にまず驚いた
気分なんていいはずがない
私は何とかこの場から逃げなければと思った
「え…?」
ようやく開いた扉から出たいのに、立ち上がろうとした次の瞬間足元から崩れ落ちた
力が入らない?
言いようのない恐怖が襲ってくる
そんな私を貴族は醜い笑顔を浮かべながら見ていた
「悪い子にはお仕置きが必要だ」
少し怒りを含んだ視線をこちらに向けたまま貴族は近づいて来た
そのせいで一つの場所に落ち着いて暮らすことが出来なかった
長く住めても2年くらいだと両親が言ってるのを聞いたことがある
希少種に目を付けた一部の人間がどこからか情報を仕入れて追ってくる
そしてその大半が捉えられてしまう
「君がレティシアナかな?」
そう言って貴族が尋ねてきたのは突然だった
同じ場所に留まってはいけないと分かってはいても私一人ではどうすればいいかわからなくて、両親が亡くなってから7年居続けてしまった
時々近くの集落の人に食料を交換してもらったりしていたからその関係者だと思ってしまった
だって私の名前まで知っていたから…
「そう…ですけど」
「やはりそうか。どうだろう。君を嫁に貰いたいんだが」
「嫁?…私はまだ12歳で…」
「なに、貴族に取って歳など関係ない。私のところに来てくれれば不自由な暮らしはさせないよ」
優しそうな、人のよさそうな笑みを浮かべるその貴族の目元は笑っていなかった
本能的に危ないと思って当り障りなく断った
でもその日から何度もその貴族は現れた
その度に新鮮な野菜や果物を持ってくる
「もう5回も贈り物を受け取っておきながら断わるとは何と失礼な」
「!?」
突然張り倒されて視界ぼやけた
「いいか!今日受け入れなかったことを後悔させてやるからな!」
貴族はそう吐き捨てて出て行った
その日から私は怯えるだけの生活が始まった
「お姉ちゃん」
「?」
いくら怖くても食糧調達を怠れば死活問題になる
私は定期的に外に出て狩りをしたり集落に寄らせてもらう必要があった
久しぶりに近くの集落に寄った帰りに10歳くらいの男の子が声をかけてきた
「道を教えて欲しいんだ」
「道?どこに行きたい…」
尋ね返している途中で男の子は何かを取り出した
それが魔道具だと気づいたときには意識がもうろうとしていた
「ごめんね、おねえちゃん。でもこうしないと父さんが殺されるんだ…」
遠くなる意識の中で聞こえた言葉に、あの貴族の仕業だとそう思ったけど既に遅かった…
「…?」
目を開けると見知らぬ場所にいた
暗くジメっとした何もない部屋
何もなく時間の経過もわからない
閉塞された空間に気が狂いそうになる
そんな場所で私は放置された
ただし、眠ってる間に何か薬を飲まされているようで思考が上手く働かなかった
「あれから3日、気分はどうかな?」
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3日も経ってたの?
その事実にまず驚いた
気分なんていいはずがない
私は何とかこの場から逃げなければと思った
「え…?」
ようやく開いた扉から出たいのに、立ち上がろうとした次の瞬間足元から崩れ落ちた
力が入らない?
言いようのない恐怖が襲ってくる
そんな私を貴族は醜い笑顔を浮かべながら見ていた
「悪い子にはお仕置きが必要だ」
少し怒りを含んだ視線をこちらに向けたまま貴族は近づいて来た
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