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77.一安心
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「シャノン、入るぞ」
「はーい」
一応返事を聞いてから中に入る
自分のテントなのに変な感じだけど…
「飯出来たぞ」
「やった。行こ、レティシアナさん」
シャノンに引っ張られるように彼女、レティシアナはテントを出た
「そーだシア、レティシアナさんはシアと同じ年なんだって」
何でそれをニヤニヤした顔で言う?
「それにしてもすごくいい匂い!」
「礼ならルークに言え。あいつが見つけた」
「わーい。ルークありがとー」
シャノンはルークの方に飛びついていく
じゃれてる二人を見ながらレティシアナは呆然としていた
「えーと、レティシアナでいいのか?」
「あ、はい。名乗りもせずにごめんなさい」
「気にしなくていい。さっきも言ったけど俺はシア、シャノンとじゃれてるのはルーク。あいつらは双子だ。それとこいつはリトス」
肩に乗っているリトスを紹介する
「ふふ…よろしくね、リトス」
『よろしく~』
リトスは差し出されたレティシアナの手に頬ずりした
「シア早く食べようよー」
「分かったから急かすな。飯は逃げない」
「逃げないけど冷めちゃうでしょ」
こういう時はやたらともっともらしいことを言ってくる
キャンプ用のテーブルには所狭しと料理が並んでいるように見えて、その半分以上は肉が占めていた
テーブルを挟んで2人が座れるベンチが2つ置いてある
その片方に双子が並んで座っていた
「そっち」
シャノンの向かいを指して言うとレティシアナは頷いて座った
「じゃぁ食おうか」
「「いただきまーす」」
2人は揃って言うなり肉にかぶりつく
「あの、いただきますって…?」
「あぁ、俺達の中での食前の祈りみたいなもん。食材やそれを用意してくれた人への感謝を込めた言葉って感じかな」
「…素敵な言葉ね」
レティシアナはそう言って呟くようにいただきますと言ってから食べ始めた
「おいしい…」
「でしょう?シアはお母さんに似て料理がうまいの」
「何でシャノンが得意げなんだよ?」
ルークが呆れたように言う
「いいじゃない。自慢の“お兄ちゃん”なんだから」
「甘える時しか使わない呼び方をいきなり出すな」
「でも本当の事だもん」
膨れたように言うシャノンにレティシアナがクスクスと笑い出す
その笑顔にルークとシャノンが固まった
「あ、あの…?」
困惑気味にレティシアナが首を傾げる
「レティシアナさん滅茶苦茶綺麗!」
「僕一瞬で引き込まれたかも…」
「…悪いな。あんまり気にしなくていいから」
俺が呆れながら言うとレティシアナは頷いた
そんな他愛のない話をしながらテーブルの上がどんどん片付いていく
尤もその大半を食べてるのはルークとシャノンの2人だけどな
「ねぇ、レティシアナさんはどうしてこの山に来たの?」
「え…?」
「ほら、ここは街道からそんなに離れてないじゃない?私たちは冒険者だし肉も調達したいからだけど、レティシアナさんはどうしてかなって」
「私…は…」
食事がそろそろ終わろうかという頃、シャノンの突然の問いにレティシアナは固まった
「シャノン、そんなことわざわざ聞くな。人にはいろいろあるんだから」
「でも気になるもん」
「お前にだって人に言いたくないことくらいあるだろ?」
「うぅ…ごめんなさい」
「いえ、私が…」
「気にしなくていい。ただ確認したいことがあるからちょっといいか?」
「はい」
俺は頷いたレティシアナを促してテントに移動した
「はーい」
一応返事を聞いてから中に入る
自分のテントなのに変な感じだけど…
「飯出来たぞ」
「やった。行こ、レティシアナさん」
シャノンに引っ張られるように彼女、レティシアナはテントを出た
「そーだシア、レティシアナさんはシアと同じ年なんだって」
何でそれをニヤニヤした顔で言う?
「それにしてもすごくいい匂い!」
「礼ならルークに言え。あいつが見つけた」
「わーい。ルークありがとー」
シャノンはルークの方に飛びついていく
じゃれてる二人を見ながらレティシアナは呆然としていた
「えーと、レティシアナでいいのか?」
「あ、はい。名乗りもせずにごめんなさい」
「気にしなくていい。さっきも言ったけど俺はシア、シャノンとじゃれてるのはルーク。あいつらは双子だ。それとこいつはリトス」
肩に乗っているリトスを紹介する
「ふふ…よろしくね、リトス」
『よろしく~』
リトスは差し出されたレティシアナの手に頬ずりした
「シア早く食べようよー」
「分かったから急かすな。飯は逃げない」
「逃げないけど冷めちゃうでしょ」
こういう時はやたらともっともらしいことを言ってくる
キャンプ用のテーブルには所狭しと料理が並んでいるように見えて、その半分以上は肉が占めていた
テーブルを挟んで2人が座れるベンチが2つ置いてある
その片方に双子が並んで座っていた
「そっち」
シャノンの向かいを指して言うとレティシアナは頷いて座った
「じゃぁ食おうか」
「「いただきまーす」」
2人は揃って言うなり肉にかぶりつく
「あの、いただきますって…?」
「あぁ、俺達の中での食前の祈りみたいなもん。食材やそれを用意してくれた人への感謝を込めた言葉って感じかな」
「…素敵な言葉ね」
レティシアナはそう言って呟くようにいただきますと言ってから食べ始めた
「おいしい…」
「でしょう?シアはお母さんに似て料理がうまいの」
「何でシャノンが得意げなんだよ?」
ルークが呆れたように言う
「いいじゃない。自慢の“お兄ちゃん”なんだから」
「甘える時しか使わない呼び方をいきなり出すな」
「でも本当の事だもん」
膨れたように言うシャノンにレティシアナがクスクスと笑い出す
その笑顔にルークとシャノンが固まった
「あ、あの…?」
困惑気味にレティシアナが首を傾げる
「レティシアナさん滅茶苦茶綺麗!」
「僕一瞬で引き込まれたかも…」
「…悪いな。あんまり気にしなくていいから」
俺が呆れながら言うとレティシアナは頷いた
そんな他愛のない話をしながらテーブルの上がどんどん片付いていく
尤もその大半を食べてるのはルークとシャノンの2人だけどな
「ねぇ、レティシアナさんはどうしてこの山に来たの?」
「え…?」
「ほら、ここは街道からそんなに離れてないじゃない?私たちは冒険者だし肉も調達したいからだけど、レティシアナさんはどうしてかなって」
「私…は…」
食事がそろそろ終わろうかという頃、シャノンの突然の問いにレティシアナは固まった
「シャノン、そんなことわざわざ聞くな。人にはいろいろあるんだから」
「でも気になるもん」
「お前にだって人に言いたくないことくらいあるだろ?」
「うぅ…ごめんなさい」
「いえ、私が…」
「気にしなくていい。ただ確認したいことがあるからちょっといいか?」
「はい」
俺は頷いたレティシアナを促してテントに移動した
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