181 / 330
66.オルフィの町再び
1
しおりを挟む
ポイズンベアを狩ってから2か月、セトイカに向かった時に対峙した魔物は遥かに倒しやすくなっていた
お陰でかなりゆとりをもって移動できる
途中や住む場所は行きに見つけた洞窟を利用することにしたから探す手間も省ける
これに関しては母さんからもらった世界地図に感謝だ
日が暮れようとしている頃、俺達は再びオルフィの町に足を踏み入れた
「お~お前さん達か。元気そうだな」
前回と同じ宿に入ると宿主が笑顔で迎えてくれた
「部屋開いてるか?」
「前回と同じ2人部屋と1人部屋でいいのか?」
「どうする?」
「僕はシアと一緒でいい」
「私は個室」
「ってことで前と一緒で2泊」
「朝食は?」
「もちろん有りで」
何故かシャノンが答えた
提示された額を前回同様カードから引いてもらう
「食い気は変わらずか。これがカギで部屋は2階だ。細かい説明は…」
「大丈夫だ。流石に覚えてる」
苦笑しながら答えると頷いて返される
「さて、一応ギルドには顔を出しとくけど…素材の売却は明日にして飯の調達だな」
「屋台!」
「先にギルドだぞ~」
「分かってるよ?流石にそれくらい我慢できるからね?」
「どうだか」
きっとギルドに着くまでに何品かは胃袋の中に納まる事だろう
「じゃぁ準備出来たら部屋に来い」
「わかった~」
シャノンは嬉しそうに応えながら部屋に入って行った
俺達も部屋に入ってダミーバッグを適当に投げ出した
リトスは早速部屋の中を勝手に走り回って物色している
「シャノンはあいかわらずだね」
「まぁ、相変わらずのシャノンに戻ってよかったんだろうけどな」
「確かに」
ケリーの事で色々あった時は流石にヒヤッとしたけど何とか持ち直したしな
「裏賭博といい、ケリーといい…何であんなデカすぎる山ばっか引くのかは分かんないけど…」
苦笑しながら言うルークに頷いて返す
「これから慎重になるだろうし、そう言う意味ではよかったんだろうけどな」
「お姫様は警戒心がなさ過ぎたからね。甘やかされすぎるのも問題だ」
「そういや一時お前はひがんでたか…」
同じ時に生まれた双子のはずなのに明らかに特別扱いされるシャノンを見て、ルークはよく俺の布団にもぐりこんできていた
「僕はいらない子なんだって言ってきた時は流石にビビったけどな」
「…それはもう忘れて欲しいんだけど?」
ルークは顔を反らしてそう言ったけど耳元が赤く染まっていた
「さて、先にテーブルも出しとくか」
これ以上からかうのもどうかと思い話題を変える
屋台で大量に買い込んでくれば部屋に備え付けられているテーブルでは到底足りない
「このテーブルは窓際でいい?」
「ああ」
邪魔にならなければどこでもいい
俺達がテーブルの準備が出来たタイミングでシャノンが入ってきた
「準備できたのか?」
「うん」
「シャノンその服は?」
ルークの問いにシャノンをもう一度見ると、見た事のない服を着ていた
というのもシャノンは買ってくるなり屋敷の中でファッションショーをするせいで、俺達はシャノンがどんな服を持ってるかは大体把握しているからだ
「これはサイラさんがくれたの」
「サイラさんが?」
いつの間にそんなに仲良くなってたんだ?
「サイラさんが若い頃に来てたワンピースなんだって。息子さんの恋人か奥さんにと思ってたけど、いつになるかわからないからって私にくれたの」
「そういえばルワードさんのところに弟子入りしたんだっけ?」
「そ。だから今は漁に夢中なんだって。それより2人ももう行けるんでしょう?」
「俺達には特に準備はないからいつでも行ける」
「そういうこと」
「じゃぁ出発?」
「ああ。行こうか」
頷くとシャノンは勢いよく飛び出していった
お陰でかなりゆとりをもって移動できる
途中や住む場所は行きに見つけた洞窟を利用することにしたから探す手間も省ける
これに関しては母さんからもらった世界地図に感謝だ
日が暮れようとしている頃、俺達は再びオルフィの町に足を踏み入れた
「お~お前さん達か。元気そうだな」
前回と同じ宿に入ると宿主が笑顔で迎えてくれた
「部屋開いてるか?」
「前回と同じ2人部屋と1人部屋でいいのか?」
「どうする?」
「僕はシアと一緒でいい」
「私は個室」
「ってことで前と一緒で2泊」
「朝食は?」
「もちろん有りで」
何故かシャノンが答えた
提示された額を前回同様カードから引いてもらう
「食い気は変わらずか。これがカギで部屋は2階だ。細かい説明は…」
「大丈夫だ。流石に覚えてる」
苦笑しながら答えると頷いて返される
「さて、一応ギルドには顔を出しとくけど…素材の売却は明日にして飯の調達だな」
「屋台!」
「先にギルドだぞ~」
「分かってるよ?流石にそれくらい我慢できるからね?」
「どうだか」
きっとギルドに着くまでに何品かは胃袋の中に納まる事だろう
「じゃぁ準備出来たら部屋に来い」
「わかった~」
シャノンは嬉しそうに応えながら部屋に入って行った
俺達も部屋に入ってダミーバッグを適当に投げ出した
リトスは早速部屋の中を勝手に走り回って物色している
「シャノンはあいかわらずだね」
「まぁ、相変わらずのシャノンに戻ってよかったんだろうけどな」
「確かに」
ケリーの事で色々あった時は流石にヒヤッとしたけど何とか持ち直したしな
「裏賭博といい、ケリーといい…何であんなデカすぎる山ばっか引くのかは分かんないけど…」
苦笑しながら言うルークに頷いて返す
「これから慎重になるだろうし、そう言う意味ではよかったんだろうけどな」
「お姫様は警戒心がなさ過ぎたからね。甘やかされすぎるのも問題だ」
「そういや一時お前はひがんでたか…」
同じ時に生まれた双子のはずなのに明らかに特別扱いされるシャノンを見て、ルークはよく俺の布団にもぐりこんできていた
「僕はいらない子なんだって言ってきた時は流石にビビったけどな」
「…それはもう忘れて欲しいんだけど?」
ルークは顔を反らしてそう言ったけど耳元が赤く染まっていた
「さて、先にテーブルも出しとくか」
これ以上からかうのもどうかと思い話題を変える
屋台で大量に買い込んでくれば部屋に備え付けられているテーブルでは到底足りない
「このテーブルは窓際でいい?」
「ああ」
邪魔にならなければどこでもいい
俺達がテーブルの準備が出来たタイミングでシャノンが入ってきた
「準備できたのか?」
「うん」
「シャノンその服は?」
ルークの問いにシャノンをもう一度見ると、見た事のない服を着ていた
というのもシャノンは買ってくるなり屋敷の中でファッションショーをするせいで、俺達はシャノンがどんな服を持ってるかは大体把握しているからだ
「これはサイラさんがくれたの」
「サイラさんが?」
いつの間にそんなに仲良くなってたんだ?
「サイラさんが若い頃に来てたワンピースなんだって。息子さんの恋人か奥さんにと思ってたけど、いつになるかわからないからって私にくれたの」
「そういえばルワードさんのところに弟子入りしたんだっけ?」
「そ。だから今は漁に夢中なんだって。それより2人ももう行けるんでしょう?」
「俺達には特に準備はないからいつでも行ける」
「そういうこと」
「じゃぁ出発?」
「ああ。行こうか」
頷くとシャノンは勢いよく飛び出していった
42
お気に入りに追加
577
あなたにおすすめの小説
わたしにはもうこの子がいるので、いまさら愛してもらわなくても結構です。
ふまさ
恋愛
伯爵令嬢のリネットは、婚約者のハワードを、盲目的に愛していた。友人に、他の令嬢と親しげに歩いていたと言われても信じず、暴言を吐かれても、彼は子どものように純粋無垢だから仕方ないと自分を納得させていた。
けれど。
「──なんか、こうして改めて見ると猿みたいだし、不細工だなあ。本当に、ぼくときみの子?」
他でもない。二人の子ども──ルシアンへの暴言をきっかけに、ハワードへの絶対的な愛が、リネットの中で確かに崩れていく音がした。
【完結】愛に溺れたらバッドエンド!?巻き戻り身を引くと決めたのに、放っておいて貰えません!
白雨 音
恋愛
伯爵令嬢ジスレーヌは、愛する婚約者リアムに尽くすも、
その全てが裏目に出ている事に気付いていなかった。
ある時、リアムに近付く男爵令嬢エリザを牽制した事で、いよいよ愛想を尽かされてしまう。
リアムの愛を失った絶望から、ジスレーヌは思い出の泉で入水自害をし、果てた。
魂となったジスレーヌは、自分の死により、リアムが責められ、爵位を継げなくなった事を知る。
こんなつもりではなかった!ああ、どうか、リアムを助けて___!
強く願うジスレーヌに、奇跡が起こる。
気付くとジスレーヌは、リアムに一目惚れした、《あの時》に戻っていた___
リアムが侯爵を継げる様、身を引くと決めたジスレーヌだが、今度はリアムの方が近付いてきて…?
異世界:恋愛 《完結しました》
お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆
【完結】おお勇者よ、死んでしまうとは情けない、と神様は言いました
かずえ
BL
名前 ユーゴー
職業 勇者 レベル1
魔王を倒した記憶あり
やる気なし
勇者ユーゴーは長い旅の末、魔王と相討ちで倒すことに成功した。やっと終われると思ったその時、おお勇者よ、死んでしまうとは情けない、と言う神様の声がして、気付けば十歳の、母が死んだ日に戻っていた。
もう一度魔王討伐に行くなんてとんでもない、今度は楽しいと思える人生を送りたいと思った勇者の話。
もしかすると私は、最愛の婚約者に騙されているのかもしれない
柚木ゆず
恋愛
※2月4日、再会編が完結いたしました。明日(2月5日)より、ザマァ編が始まります。
婚約者だった幼馴染エリオットに裏切られ、偶然出会った侯爵家令息のレオンに優しく慰められた子爵家令嬢のルシィ。彼女はその出来事が切っ掛けとなってレオンに恋をして婚約し、2人で幸せな毎日を過ごしていました。
ですが――。そんな彼女には、いつも違和感がありました。
レオン様と一緒にいると、何かが間違っている気がする。
そうして彼女はその違和感について考え始め、やがて真実を知ることになるのでした――。
転生したら乙女ゲームの世界で攻略キャラを虜にしちゃいました?!
まかろに(仮)
BL
事故で死んで転生した事を思い出したらここは乙女ゲームの世界で、しかも自分は攻略キャラの暗い過去の原因のモブの男!?
まぁ原因を作らなきゃ大丈夫やろと思って普通に暮らそうとするが…?
※r18は"今のところ"ありません
転生することになりました。~神様が色々教えてくれます~
柴ちゃん
ファンタジー
突然、神様に転生する?と、聞かれた私が異世界でほのぼのすごす予定だった物語。
想像と、違ったんだけど?神様!
寿命で亡くなった長島深雪は、神様のサーヤにより、異世界に行く事になった。
神様がくれた、フェンリルのスズナとともに、異世界で妖精と契約をしたり、王子に保護されたりしています。そんななか、誘拐されるなどの危険があったりもしますが、大変なことも多いなか学校にも行き始めました❗
もふもふキュートな仲間も増え、毎日楽しく過ごしてます。
とにかくのんびりほのぼのを目指して頑張ります❗
いくぞ、「【【オー❗】】」
誤字脱字がある場合は教えてもらえるとありがたいです。
「~紹介」は、更新中ですので、たまに確認してみてください。
コメントをくれた方にはお返事します。
こんな内容をいれて欲しいなどのコメントでもOKです。
2日に1回更新しています。(予定によって変更あり)
小説家になろうの方にもこの作品を投稿しています。進みはこちらの方がはやめです。
少しでも良いと思ってくださった方、エールよろしくお願いします。_(._.)_
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる