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41.疲労

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「…から……しょ?」
「そう…ノン………」
外から少し賑やかな声が聞こえる

「ん…」
身体を伸ばそうとしたらそこら中が悲鳴をあげた
何だ?
全身の重く鈍い痛みに自分の思考が追い付かないなんてことは初めてだ

『しあ、よかったよぉ…』

俺が目覚めたのに気づいたリトスがすり寄ってくる
「リト…ス…?」
リトスがこんな風にすり寄ってくるのは初めてだ
一体何が起きてる?

「シア起きたの?」
リトスが良かったと言った後鳴き続けているのが聞こえたのかシャノンが飛び込んで来た

「ん…あぁ、珍しいなシャノンが先に起きてるなんて」
まだボーっとした状態で口を開くと声がやたらとかすれてしまう
声がかすれるなんて父さんの前で大泣きした時以来だ
原因が分からないのが気持ち悪い

「何とぼけてんのよ?心配したんだからね!」
よく見るとシャノンの目元に涙が溜まっていた

「何だ…?」
「シアは丸2日、高熱で寝込んでたんだよ」
そう言いながら入ってきたルークの手には水の入ったグラスがあった

「熱?俺が?」
そう言えばちょっと熱っぽくて早めに寝たような気がする
あの後上がったってことか?

「原因は分からないけど…お母さんが持たせてくれたお薬でようやく熱が下がったのが今朝。今はもう夕方だよ」
「そう…か…」
身体を起こしてルークから受け取った水を飲む
そう言えば母さんの薬は途中で少しずつ2人にも持たせてあったな
常温より少し冷たいくらいの水が喉元を通り過ぎる感覚がやけに気持ちいい

「シア、頼むから一人で抱え込まないでくれよ。シャノンなんてずっと泣いてたんだからな」
「悪い」
情けない
心底そう思った
こいつらを不安にさせるのだけは避けたかったのに…

「リトスだってずっと側から離れなかったんだから…でも…良かった」
「シャノン…ごめんな」
謝ると泣きながら首を横に振る

「ルークも悪かったな。もう大丈夫だから」
「ん。とりあえず今日はこのまま休んでよ。後の事は明日考えればいいと思うし」
「ああ、そうさせてもらう」
水を飲みほしたグラスを返し再び横になる

「何かあったら呼んで」
2人はそう言ってテントから出て行った

「…参ったな…」
力が入らないのは2日間も寝込んでたせいか

『しあぁ』

いつも以上に激しい頬ずりにリトスも不安だったのが伝わってくる
「リトス」
5センチほどの大きさしかないリトスを胸の上に置いて優しくなでてやる

「もう大丈夫だから」
服にしがみ付いたままのリトスに何度も声を掛けながら、俺は再び眠りについた
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