上 下
126 / 363
38.繋がり

3

しおりを挟む
「ルーク肉焼いてくれ」
「わかった」
準備の出来てる分ルークに渡すと塩と胡椒を振りながらルークが焼き始めた

「おい、その段階で塩を振るのか?」
聞こえてくるロイさんの声にカディアさんが苦笑する

「他所のパーティーと食事する時は大抵あんな感じになる」
「そんなもん?」
「ああ。おかげでレパートリーが増えたりする。ところでそれは?」
調味料を合わせて混ぜているのが気になるらしい

「サラダのタレですね。味見します?」
「是非」
少しだけ匙にとって渡すと気に入ったらしくレシピをメモしてた
やっぱ高ランクになると普通に紙を使ってるらしい

「スープももう出来るな。ルーク、肉はどんな感じだ?」
「そろそろ頃合いかな」
それを聞いてスープの味を調整する
食材の出汁が聞いてるから塩と醤油のみ

「塩だけじゃないのか?」
「醤油を足すと旨味が増します。味噌でも旨いですよ」
最後に味を見て器に入れれば完成だ

「シャノンはこっちな」
別で作ったお粥を渡す

「私もお肉」
「まずはそれ。その後にスープ。肉は最後だ。ずっと寝てたから最初から肉を食べても胃が受け付けない」
「はぁい…」
シャノンはしぶしぶと言った感じでお粥を受け取って食べ始めた

「なんだこのスープ…」
「滅茶苦茶うまいな」
「シア、スープの具に決まりはあるのかい?」
「特にはないですよ。俺達もそのときあるものを使ってるだけですから。ただ肉と野菜、きのこはそれぞれ違う出汁が出るんで合わさると旨味が増しますね」
「きのこは初めて食べたんだが…」
「良ければどうぞ。この2種類は年中森の中で見つけることが出来るんで便利です」
2種類のきのこをそれなりの量カディアさんに渡す
現物があれば採取する時も困らないだろう

「ほう」
「スープに入れても焼いても炒めても行けます」
「炒める?」
そこからか?
そういえば母さんがこの世界に来た時は肉の塊を焼いたのと塩味の具のないスープが普通だったんだっけ

「確か…」
皆が用意してくれた料理の中にきのこの炒めがあったのを思い出して取り出した

「何種類かのきのこを切って塩と胡椒、醤油で味付けしたのがこれですね」
「母さんのきのこ炒めだ」
ルークが嬉しそうに箸をつける
それを見て黒煙の4人も口に運んだ

「これはいいな」
「酒が進みそうだ」
「いやーお前たちと会えたのは僥倖だな」
「スープは寒い時期にもよさそうだ。体があったまる」
「きのこは確かに見覚えはあるんだよな。手に取ったことは無かったが」
「こんなにうまいと知ってたら絶対取ってたんだが…」
「道中の楽しみが増えますよ?」
そう言いながらシャノンを見るとちょうどお粥を食べ終えたところだった
スープを肉多めで入れてやる
それを見て満面の笑みを浮かべる辺りシャノンらしい
あれだけ食べれるならもう大丈夫だろう
シャノンはスープの後肉を少し食べ終えたタイミングで先にテントで休ませた
ルークも一旦体に毒が回ってたから同じように休ませることにした

しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?

ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」 バシッ!! わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。 目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの? 最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故? ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない…… 前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた…… 前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。 転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?

婚約破棄は誰が為の

瀬織董李
ファンタジー
学園の卒業パーティーで起こった婚約破棄。 宣言した王太子は気付いていなかった。 この婚約破棄を誰よりも望んでいたのが、目の前の令嬢であることを…… 10話程度の予定。1話約千文字です 10/9日HOTランキング5位 10/10HOTランキング1位になりました! ありがとうございます!!

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので

sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。 早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。 なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。 ※魔法と剣の世界です。 ※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

迷い人と当たり人〜伝説の国の魔道具で気ままに快適冒険者ライフを目指します〜

青空ばらみ
ファンタジー
 一歳で両親を亡くし母方の伯父マークがいる辺境伯領に連れて来られたパール。 伯父と一緒に暮らすお許しを辺境伯様に乞うため訪れていた辺境伯邸で、たまたま出くわした侯爵令嬢の無知な善意により 六歳で見習い冒険者になることが決定してしまった! 運良く? 『前世の記憶』を思い出し『スマッホ』のチェリーちゃんにも協力してもらいながら 立派な冒険者になるために 前世使えなかった魔法も喜んで覚え、なんだか百年に一人現れるかどうかの伝説の国に迷いこんだ『迷い人』にもなってしまって、その恩恵を受けようとする『当たり人』と呼ばれる人たちに貢がれたり…… ぜんぜん理想の田舎でまったりスローライフは送れないけど、しょうがないから伝説の国の魔道具を駆使して 気ままに快適冒険者を目指しながら 周りのみんなを無自覚でハッピーライフに巻き込んで? 楽しく生きていこうかな! ゆる〜いスローペースのご都合ファンタジーです。 小説家になろう様でも投稿をしております。

元悪役令嬢はオンボロ修道院で余生を過ごす

こうじ
ファンタジー
両親から妹に婚約者を譲れと言われたレスナー・ティアント。彼女は勝手な両親や裏切った婚約者、寝取った妹に嫌気がさし自ら修道院に入る事にした。研修期間を経て彼女は修道院に入る事になったのだが彼女が送られたのは廃墟寸前の修道院でしかも修道女はレスナー一人のみ。しかし、彼女にとっては好都合だった。『誰にも邪魔されずに好きな事が出来る!これって恵まれているんじゃ?』公爵令嬢から修道女になったレスナーののんびり修道院ライフが始まる!

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

女性として見れない私は、もう不要な様です〜俺の事は忘れて幸せになって欲しい。と言われたのでそうする事にした結果〜

流雲青人
恋愛
子爵令嬢のプレセアは目の前に広がる光景に静かに涙を零した。 偶然にも居合わせてしまったのだ。 学園の裏庭で、婚約者がプレセアの友人へと告白している場面に。 そして後日、婚約者に呼び出され告げられた。 「君を女性として見ることが出来ない」 幼馴染であり、共に過ごして来た時間はとても長い。 その中でどうやら彼はプレセアを友人以上として見れなくなってしまったらしい。 「俺の事は忘れて幸せになって欲しい。君は幸せになるべき人だから」 大切な二人だからこそ、清く身を引いて、大好きな人と友人の恋を応援したい。 そう思っている筈なのに、恋心がその気持ちを邪魔してきて...。 ※ ゆるふわ設定です。 完結しました。

処理中です...