上 下
114 / 330
34.オークションの裏側で…

2

しおりを挟む
「結局どれくらい集まってんの?」
「200以上らしいぞ」
「まじ?」
「最初は会議室に席を用意してたけど取っ払ったらしい。貴族は8割マジックバッグを持ってるから各家から来るのは殆どが一人だがな」
「馬車は草原の方で待機してるらしいぞ」
そりゃこの町にそんな大量の馬車は入れないもんな

「貴族の使用人も大変だよな。こんなとこにほりこまれてオークションで競り勝たなきゃいけないんだろう?予算は家によって違うだろうし…」
「そりゃ言えてるな。俺らですら坊主たちがどんな素材を持ってるか把握してない上に処理した物からオークションにかけていくとなるとなぁ…」
最初に競り落としても後からいいものが出てくる可能性もある
その中で主の望む品を競り落とさなければならない使用人には同情の余地はある
が、所詮貴族の使用人
俺の知ったことではない

「しかも出る順は坊主たちの気分次第だ」
次々と出す魔物も素材も何も考えていないのが分かるほど順番に規則性がない
Aランクが出たと思ったらCランクが出る
Aランクが続いたと思ったらSランクが間に入る
その次に出るのはDランクと来ると誰にもどうすることも出来ないだろう
尤も俺はわざとそうしてるんだけどな

「目録も無けりゃ目玉が何かもわからない。とんだ闇オークションだな」
職人たちがゲラゲラと笑ってる

「シア、コレってかなり職人苛立ってたってこと?」
「多分な」
冒険者に直接交渉が禁止されてる以上、ギルドはかなりあおりを食らっていたのだろう

「コーラルさんはパーティーの時に色々持って行ったんだよね?」
「ああ。あの人も当然このオークションの事は知ってるからな」
「…コーラルさん一人勝ちってこと?」
「まぁ、そうなるな」
パーティーの途中でコーラルさんは俺が持ってる魔物や素材を全て確認していた
どうしても欲しいもののリスト以外の物で興味があるものを別のリストで渡された
それと照らし合わせながら持ってるものはその場で提供している
相場以上の金は受け取ってるけどオークションで手に入れるよりは確実に安く入手してる

「なぜかDランクくらいでも調達できそうなものもゴロゴロ入ってたのは未だに謎だ」
「はは…あの人ホントに変わってるよね」
貴族なのにパーティーでは見事に混ざりこんでいたことを考えれば貴族らしくないとも言える

「困ったときには使えって同じ内容の手紙を10通渡された時はびっくりしたけどな」
「言えてる。あれ、領主とかに渡す用って言ってたもんね」
何かトラブった時の保険だと持たされた手紙の内容までは分からないけど、かなり強力な切り札になるのは分かる
ルークとシャノンにも1通ずつ渡したのは俺にとっての保険だ
常に3人で行動できるとは限らないからな
俺達は話しながらも台の上の量を見ながら少しずつ出していくのは怠らない
ルークの分が終了するとそこは俺の分を出すスペースにする
共有分はまめに出してたから少しすると全てが俺の素材になった
そこから2時間ほどしてようやく手元に残しておきたい素材以外を出し終えた

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。

克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位 11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位 11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位 11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

断罪終了後に悪役令嬢だったと気付きました!既に詰んだ後ですが、これ以上どうしろと……!?【続編公開】

一番星キラリ
恋愛
「お前は何も悪くはない。だが、爵位も剥奪された。お前を養うことはもうできない。このまま身売りをするよりはマシだろう……」 号泣する父であり、元ベラスケス公爵を見て、私は唇をかみしめる。確かに私はまだ19歳になったばかりで、もちろん未婚。身売りすることになれば、高値で取引されるだろうと、容姿と美貌を見て自分でも分かる。 政治ゲームで父は負けた。ライバルであるドルレアン公爵は、父にやってもいない横領の罪をなすりつけ、国王陛下も王太子もそれを信じてしまった。しかもドルレアン公爵の娘カロリーナと私は、王太子の婚約者の座を巡り、熾烈な争いを繰り広げてきた。親同士が政治ゲームで争う一方で、娘同士も恋の火花を散らしてきたわけだ。 でも最初から勝敗は決まっていた。だってカロリーナはヒロインで、私は悪役令嬢なのだから。 え……。 え、何、悪役令嬢って? 今、私は何かとんでもないことを思い出そうとしている気がする。 だが、馬車に押し込まれ、扉が閉じられる。「もたもたしていると、ドルレアン公爵の手の者がやってくる」「で、でも、お父様」「パトリシア、元気でな。愛しているよ」「お、お父様―っ!」その瞬間、ものすごいスピードで馬車が走り出した。 だが、激しい馬車の揺れに必死に耐えながら、自分が何者であるか思い出したパトリシア・デ・ラ・ベラスケスを待ち受ける運命は、実に数奇で奇妙なものだった――。 まさか・どうして・なんでの連続に立ち向かうパトリシア。 こんな相手にときめいている場合じゃないと分かっても、ドキドキが止まらない。 でも最後にはハッピーエンドが待っています! パトリシアが経験した数奇な運命を、読者の皆様も一緒に体験してみませんか!? 111話から続編を公開しています。もしよろしければご覧くださいませ(2024/1/15) 小説家になろうで3月より掲載しており、日間恋愛異世界転生/転移ランキングで22位(2023/05/16)を獲得しているので、きっとお楽しみいただけると思います。こちらのサイトでも続編更新が追いつくよう、投稿作業頑張ります。本サイトでは初投稿でいまだ緊張中&手探り状態。温かく見守っていただけると幸いです。第4回HJ小説大賞前期の一次選考通過作品。 ◆模倣・盗用・転載・盗作禁止◆ (C)一番星キラリ All Rights Reserved.

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜

白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。 舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。 王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。 「ヒナコのノートを汚したな!」 「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」 小説家になろう様でも投稿しています。

婚約破棄をされ、父に追放まで言われた私は、むしろ喜んで出て行きます! ~家を出る時に一緒に来てくれた執事の溺愛が始まりました~

ゆうき@初書籍化作品発売中
恋愛
男爵家の次女として生まれたシエルは、姉と妹に比べて平凡だからという理由で、父親や姉妹からバカにされ、虐げられる生活を送っていた。 そんな生活に嫌気がさしたシエルは、とある計画を考えつく。それは、婚約者に社交界で婚約を破棄してもらい、その責任を取って家を出て、自由を手に入れるというものだった。 シエルの専属の執事であるラルフや、幼い頃から実の兄のように親しくしてくれていた婚約者の協力の元、シエルは無事に婚約を破棄され、父親に見捨てられて家を出ることになった。 ラルフも一緒に来てくれることとなり、これで念願の自由を手に入れたシエル。しかし、シエルにはどこにも行くあてはなかった。 それをラルフに伝えると、隣の国にあるラルフの故郷に行こうと提案される。 それを承諾したシエルは、これからの自由で幸せな日々を手に入れられると胸を躍らせていたが、その幸せは家族によって邪魔をされてしまう。 なんと、家族はシエルとラルフを広大な湖に捨て、自らの手を汚さずに二人を亡き者にしようとしていた―― ☆誤字脱字が多いですが、見つけ次第直しますのでご了承ください☆ ☆全文字はだいたい14万文字になっています☆ ☆完結まで予約済みなので、エタることはありません!☆

転生先が、十年後に処刑される予定の幼女!

皐月めい
恋愛
「――天使が降りてきたのかと思いました」 六歳のクローディアは日々教育係に虐げられ、誤解により家族から冷遇される日々を送っていた。 とはいえクローディアのメンタルは強かった。 それなりに楽しく過ごしていたある日、前世を思い出して自分がいずれ処刑される悪役、クローディアであることに気づく。 そんなクローディアを、いずれ自分を処刑する王太子が救ってくれたのだけれど。 せっかく美貌もお金もある公爵家に生まれたのだから処刑は回避して人生を楽しみたい強メンタル令嬢と、 何故か自分の本性を見抜いているらしい公爵令嬢を手放したくない腹黒王太子の短編です。

婚約破棄と追放をされたので能力使って自立したいと思います

かるぼな
ファンタジー
突然、王太子に婚約破棄と追放を言い渡されたリーネ・アルソフィ。 現代日本人の『神木れいな』の記憶を持つリーネはレイナと名前を変えて生きていく事に。 一人旅に出るが周りの人間に助けられ甘やかされていく。 【拒絶と吸収】の能力で取捨選択して良いとこ取り。 癒し系統の才能が徐々に開花してとんでもない事に。 レイナの目標は自立する事なのだが……。

侯爵令嬢として婚約破棄を言い渡されたけど、実は私、他国の第2皇女ですよ!

みこと
恋愛
「オリヴィア!貴様はエマ・オルソン子爵令嬢に悪質な虐めをしていたな。そのような者は俺様の妃として相応しくない。よって貴様との婚約の破棄をここに宣言する!!」 王立貴族学園の創立記念パーティーの最中、壇上から声高らかに宣言したのは、エリアス・セデール。ここ、セデール王国の王太子殿下。 王太子の婚約者である私はカールソン侯爵家の長女である。今のところ はあ、これからどうなることやら。 ゆるゆる設定ですどうかご容赦くださいm(_ _)m

処理中です...