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22.令嬢達の処罰

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「君がシアだね?私はコーラル・スチュアート。弾丸の後ろ盾という役目を頂いている」
そう言って側に来たのは穏やかな顔をした中年の親父だった

「ここに来る道中、陛下と話をした。ここにいる彼女たちは最北の修道院へ生涯にわたり幽閉、彼女たちの家は男爵に降爵、領地も没収。平民としないのは貴族の中で肩身の狭い思いをさせて針の筵で苦しめばいいとの理由だ」
「そんな…」
「私の家が男爵だなんて…」
「お父様に叱られてしまうわ」
そんな問題でもないと思うけどな?
こいつら本当に自分の事しか考えられないのな
見た感じ俺より年上っぽいけど

「弾丸の望むことがあればできる限り要望にそうと約束する。これで今回の事は許してもらえないだろうかと」
コーラルさんはそう言ってカルムさんを見た

「スチュアート家ごときが何を…」
「そうですわ。私共公爵家及び侯爵家に適うわけがありませんわ」
「とにかく、私たちを助けてくださいませ」
「助けて下されば今の不敬は許してさしあげますわ」
こいつらは一体何なんだ?
言葉が通じる気がしない

「エリザベス嬢、私は弾丸の事に関しては王家に次ぐ権力を有している。その事も含めて、弾丸と王家との取り決めは全貴族に通達されているはずだが?」
「そんなの知らないわ!とにかく私をここから出しなさい!お父さまに懲らしめていただくわ!」
「残念ながらそのお父上から廃籍が成立した書類を預かっている。エリザベス嬢、君は既に貴族ではなく平民だ」
「は…なん…」
既に言葉になってない

「安心するといい。最北の修道院はかつて王侯貴族の犠牲となった王族の女性が院長を務めている。平民には聖母の様に優しいが貴族や元貴族に対して一切の慈悲も見せないそうだ。しっかりその精神を鍛え直してもらうといい」
「ひっ…」
エリザベスだけでなく他の令嬢も悲鳴を上げる

「…そういう事らしいがシア、お前はどう思う?」
カルムさんが俺に尋ねて来た
いや、こんな大きな問題で俺に判断扇ぐとかやめて欲しいんだけど…

「どうって言われても…」
「シア様!どうかお許しください。私たちはエリザベス様に脅されて…」
「そうですわ。私も脅されて仕方なく…!」
「あなた達何を…?!私をそそのかしたのはあなた達じゃないの。コバンザメのこともこの香水も全て準備したのはあなた達だわ。私はただ担ぎ上げられただけで…だからシア様、私だけは…!」
見苦しいし聞く価値もない

「コーラルさん聞きたいことが3つあるんだけど」
「何かな?」
「まず、裏賭博の存在を知っていながら何も手を打たないのは違法だよね?」
「確かにその通りだね。自らどうすることも出来なくても親へ伝え、しかるべき機関に申し出る義務がある」
頷きながら補足しながら答えてくれた

「次にこの女たちは皆、魔封じの効果のある香水を使ってるらしいんだけど」
「それは随分興味深いね。魔封じの力を悪用することは固く禁止されている。当然本来の枷という形以外での使用は有り得ないだろうね」
コーラルさんの言葉に彼女たちの顔色はさらに悪くなっていく
でもこれで終わりってわけじゃ無い
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