上 下
55 / 330
14.後処理と報告

1

しおりを挟む
「3人共大丈夫ですか?」
「大丈夫」
「勿論」
「問題ない。中に捉えられてる人もいなかった」
それぞれに返すとトランさんは初めて安堵の表情を浮かべた

「シャノンちゃんやルーク君が攻撃を受けた時もですけど、シア君が張り飛ばされた時は心臓が止まるかと思いましたよ…」
「え?シア張り飛ばされたの?」
「最後の悪あがきでな」
「なに?休憩ってそっちが本当の理由?」
ルークは初めて心配そうな目を向けて来た

「疲れたのも事実だ。100kgの斧振り回されてたからな」
「シア君何度も受けてましたからね。あの攻撃」
「オークジェネラルって斧持ってるのと剣持ってるのがいるよね?あれって何の差なの?」
「さぁな。単なる好みの問題の気もするけど」
「好み?オークが?」
「装備も個体差あるだろ。今日のは急所部分完全に金属で保護されてた。脳天には兜、目にはゴーグル、鼻と口を覆うマスクまで完全防備だ」
「うげ…そんなのとは当たりたくないかも」
「あ、だからジェネラルの素材の事言ってた?」
「ああ。ついでにこれやるよ」
2人にかなりデカい鉄の塊を2つずつ取り出した

「これは?」
「左右の腕と足の防具」
「どうりで…めちゃくちゃ重いんだけど…」
シャノンは流石にすぐに地面に落としていた

「その重さならそれなりの額になるだろ」
「鉄の相場ってどんなもん?」
「5万G。キロ単位でしか取引されないが戦利品の買取なら重さは問題ない」
「これ10キロは超えてるから1個当たり50万Gは超えるってこと?」
「使える装備ならインゴットより高いこともあるけど流石にそのサイズは使えないからな…キロ単価にすりゃインゴットよりは安くなるか?」
「そうですね。それでもその大きさなら50万Gは行きそうかな」
トランさんの言葉に2人は嬉しそうに笑う
100万Gが余分に入るなら文句もないということか?

「とりあえず戻るか。報告も必要なんだろ?」
「そうですね。掃討の報酬もお渡ししなければなりませんし」
その言葉に皆で動き出す

ギルドに着くとオークジェネラルとハイオーク、オーク・オーガを10体ほど先に解体に出しに行った
トランさん曰くオークの巣の掃討ということで解体職人を既に待機させてくれてるらしい
これは俺らがマジックバッグやらインベントリを持ってると知ってるからの対応だ
ただ、2人のマジックバッグは全てを入れることは出来なかったから、ハイオーク以外は俺のインベントリに収納されている
「ジェネラルの素材は肉も含めて全部戻して」
「あぁ、いつもの通りだな」
職人も慣れたものである

「ルークとシャノンはどうするんだ?」
「ん~私は全部買い取りでお願い」
「僕はハイオークの皮1頭分と牙全部戻して他は買取で」
珍しく違う意見だった
職人たちは了承してすぐに解体にとりかかった

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

番の拷

安馬川 隠
BL
オメガバースの世界線の物語 ・α性の幼馴染み二人に番だと言われ続けるβ性の話『番の拷』 ・α性の同級生が知った世界

わたしにはもうこの子がいるので、いまさら愛してもらわなくても結構です。

ふまさ
恋愛
 伯爵令嬢のリネットは、婚約者のハワードを、盲目的に愛していた。友人に、他の令嬢と親しげに歩いていたと言われても信じず、暴言を吐かれても、彼は子どものように純粋無垢だから仕方ないと自分を納得させていた。  けれど。 「──なんか、こうして改めて見ると猿みたいだし、不細工だなあ。本当に、ぼくときみの子?」  他でもない。二人の子ども──ルシアンへの暴言をきっかけに、ハワードへの絶対的な愛が、リネットの中で確かに崩れていく音がした。

【完結】愛に溺れたらバッドエンド!?巻き戻り身を引くと決めたのに、放っておいて貰えません!

白雨 音
恋愛
伯爵令嬢ジスレーヌは、愛する婚約者リアムに尽くすも、 その全てが裏目に出ている事に気付いていなかった。 ある時、リアムに近付く男爵令嬢エリザを牽制した事で、いよいよ愛想を尽かされてしまう。 リアムの愛を失った絶望から、ジスレーヌは思い出の泉で入水自害をし、果てた。 魂となったジスレーヌは、自分の死により、リアムが責められ、爵位を継げなくなった事を知る。 こんなつもりではなかった!ああ、どうか、リアムを助けて___! 強く願うジスレーヌに、奇跡が起こる。 気付くとジスレーヌは、リアムに一目惚れした、《あの時》に戻っていた___ リアムが侯爵を継げる様、身を引くと決めたジスレーヌだが、今度はリアムの方が近付いてきて…?   異世界:恋愛 《完結しました》  お読み下さり、お気に入り、エール、ありがとうございます☆

「食べ物ブログ」

黒子猫
エッセイ・ノンフィクション
美味しいなって思った食べ物を紹介したりする記事を書いてます。

【完結】おお勇者よ、死んでしまうとは情けない、と神様は言いました

かずえ
BL
名前 ユーゴー  職業 勇者 レベル1  魔王を倒した記憶あり  やる気なし 勇者ユーゴーは長い旅の末、魔王と相討ちで倒すことに成功した。やっと終われると思ったその時、おお勇者よ、死んでしまうとは情けない、と言う神様の声がして、気付けば十歳の、母が死んだ日に戻っていた。 もう一度魔王討伐に行くなんてとんでもない、今度は楽しいと思える人生を送りたいと思った勇者の話。

もしかすると私は、最愛の婚約者に騙されているのかもしれない

柚木ゆず
恋愛
※2月4日、再会編が完結いたしました。明日(2月5日)より、ザマァ編が始まります。  婚約者だった幼馴染エリオットに裏切られ、偶然出会った侯爵家令息のレオンに優しく慰められた子爵家令嬢のルシィ。彼女はその出来事が切っ掛けとなってレオンに恋をして婚約し、2人で幸せな毎日を過ごしていました。  ですが――。そんな彼女には、いつも違和感がありました。  レオン様と一緒にいると、何かが間違っている気がする。  そうして彼女はその違和感について考え始め、やがて真実を知ることになるのでした――。

転生したら乙女ゲームの世界で攻略キャラを虜にしちゃいました?!

まかろに(仮)
BL
事故で死んで転生した事を思い出したらここは乙女ゲームの世界で、しかも自分は攻略キャラの暗い過去の原因のモブの男!? まぁ原因を作らなきゃ大丈夫やろと思って普通に暮らそうとするが…? ※r18は"今のところ"ありません

転生することになりました。~神様が色々教えてくれます~

柴ちゃん
ファンタジー
突然、神様に転生する?と、聞かれた私が異世界でほのぼのすごす予定だった物語。 想像と、違ったんだけど?神様! 寿命で亡くなった長島深雪は、神様のサーヤにより、異世界に行く事になった。 神様がくれた、フェンリルのスズナとともに、異世界で妖精と契約をしたり、王子に保護されたりしています。そんななか、誘拐されるなどの危険があったりもしますが、大変なことも多いなか学校にも行き始めました❗ もふもふキュートな仲間も増え、毎日楽しく過ごしてます。 とにかくのんびりほのぼのを目指して頑張ります❗ いくぞ、「【【オー❗】】」 誤字脱字がある場合は教えてもらえるとありがたいです。 「~紹介」は、更新中ですので、たまに確認してみてください。 コメントをくれた方にはお返事します。 こんな内容をいれて欲しいなどのコメントでもOKです。 2日に1回更新しています。(予定によって変更あり) 小説家になろうの方にもこの作品を投稿しています。進みはこちらの方がはやめです。 少しでも良いと思ってくださった方、エールよろしくお願いします。_(._.)_

処理中です...