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13.ギルマスからの依頼

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「何か経験値上がったからか普通の依頼も楽になったね」
シャノンが思い付つくままに話題を投げてくるのはいつもの事

「昨日は確かにびっくりした。まさかジェネラルまで出てくると思わなかったし。追加報酬出たからいいけど」
ルークも嬉しそうに言う
2人が口にしているのは昨日俺達が受けたのはオークの巣の掃討の事だ

***
「シャノンもう行くぞ!」
ルークが鏡の前を陣取っているシャノンの腕を引っ張る

「待ってよぉ…髪が…」
「動いてたら落ち着くって。それとも一人残るか?」
俺から見たら大して跳ねてもいないシャノンの気にしている髪を見ながら

「やだー」
「だったら諦めろ。あと5分で俺達は出るからな」
ごね始めたら正直面倒
こっちからタイムリミットを出してルークを促した
普段出てる時間より既に1時間以上遅れてるからこれ以上は俺達も譲れない
結局シャノンは諦めたのか拗ねたまま出て来た
ここで優しい声を掛けたら逆効果だと過去の経験から知ってる俺達は、そのことには一切触れずに立ち上がる

「行くぞ」
シャノンを促して向かったのはギルド
中に入ると人はほとんどいなかった
依頼ボードもかなりの歯抜け状態
目ぼしい依頼は早い者勝ちだから仕方がないけどな

「何かいいの残ってるか?」
真っ先に見に行ったルークに尋ねる

「ん~微妙」
「だよな」
「う~ごめんなさい」
ここにきてようやくシャノンが口を開いた
目の前のボードには皆が避ける物しか残っていないのを目の当たりにして流石に悪いと思ったらしい

「今度からは30分以上は待たないからな」
「わかった。気を付ける」
シュンと項垂れるようなシャノンに俺とルークは苦笑する

「それにしても今日はやけに騒がしくないか?」
「うん。人はもう出払ってるのに職員が騒がしいなんて初めてだよ」
そう話し出した時、珍しく誰も立っていなかった受付に職員が顔を出した

「あ!」
「え?」
「マスター!シア君達が…!」
職員が俺達を見るなり声を張り上げた

「何?」
聞きなれたギルマスの声と共に足音が迫ってくる

「お前らまだ依頼に出てなかったのか?」
「あぁ、シャノンがもたついてたからな」
「丁度良かったよ。お前らにオークの巣の掃討を頼みたい」
「「オークの巣の掃討?」」
ルークとシャノンの声が重なった

「少し先の集落でここしばらくオークとオーガが30頭以上目撃された」
「オークもオーガもDランクだろ?大量にいたとしてもCランクのパーティーいくつか向かわせれば済む話だと思うけど?」
少し前にルークがランクアップして俺達のパーティーランクはBランクだ
でもギルド側が判断してる俺達の実力は一般のBランクパーティーよりは上らしい

「あぁ。実際そのために準備をしてたんだがな」
「?」
「今朝になってハイオークが目撃されたという報告が上がった」
「ハイオーク、Cランクの上位種がいるということは数もかなりってこと?
「その可能性が出て来た」
通常パーティーランクより1つ上のランクの依頼を受けれると言っても、その対象の魔物は数にして1~2
同ランクの魔物の群れで3、多くても4まで、下位を含めても精々10までだろうと言われている
それならCランクパーティーが3~4つ動けば問題ない気もするんだけど…
そう思いながらギルマスを見た
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