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8.わだかまり
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恐る恐る父さんを見ると動揺してるように見える
これは絶対バレた
「…お前はずっと伝えてくれてたんだな」
「~~~!」
「言ったでしょう?シアはレイの事が大好きだって」
俺の声にならない声を無視して母さんは言う
マジかよ…俺が直接言いたくても言えなくて、それでも伝えたくて英語で言ってたのが母さんにまで聞かれてたのか?
何だよそれ…
「恥ずかしくて死にそう…」
呟く俺に父さんも母さんも笑い出す
悔しいけど、そのおかげで心が軽くなった
愛してると伝えられることが
愛されてると実感できることが
こんなに幸せなことだって知らなかった
「そうだシア、あなたの名前はね、元の世界では幸せに歩むと書くのよ」
「え…?」
いきなり何の話を始めたんだ?
「私もレイもお互いに出会うまで幸せとは言えない人生を送ってきたの。でもあなたには幸せだと思える人生を歩んで欲しいと思ってその名前を付けたの」
「しあわせに…あゆむ…」
俺はその言葉をかみしめるようにつぶやいた
「シアが何をしても、何も出来なくても、どんなことを思ってても…私もレイもシアの幸せを願ってる。それだけはここで覚えておいて」
母さんはそう言って俺の胸に手を置いた
「今度の旅でお前は色んな壁にぶつかるはずだ。でも壁にぶつかるのは恥ずかしいことじゃない。恥ずかしいのはそこから逃げ出すことだと心に止めておけ」
「分かった」
「ちゃんと向き合って、それでもどうしようもなくて、身動きが取れなくなった時は俺達を呼べ。サラサは転移魔法が使えるからどんな場所だろうとすぐに助けに行ってやる」
またとんでもないスキルが出て来た
「…母さんに出来ないことってあんの?」
素朴な疑問を口にする
「そうねぇ…今のところ、人の心を操ることは出来ないわね」
またとんでもないことを言ってるし…
「まぁ、それはともかく…緊急時の連絡の仕方は分かってるな?」
「うん。妖精に頼む」
そう答えると父さんは満足げに頷いた
妖精への頼み事はこれまでにも何度かしてるし問題ないはず
「もう大丈夫そうだけど…」
「え?」
「レイ、今日はシアの部屋で休んだ方がよさそうね。シアはこれまで我慢してた分しっかり甘えなさい」
母さんはそう言って屋上から降りて行った
「…こんなデカくなったけど、甘えてもいい?」
「当たり前だ。デカくなろうが息子には違いない」
当たり前のようにそう言ってくれる父さんに嬉しくなった
少し屋上で話をしてから父さんと部屋に戻ると、父さんとベッドに並んで横になる
俺達の部屋には子供のころからダブルベッドが置かれてる
兄妹が固まって寝たり母さんが添い寝してくれたりするのに便利だからなんだって
だから父さんと並んでも窮屈な感じはしなかった
「父さん」
「ん?」
「母さんとの出会いってどんなんだった?」
答えてくれるかは分からないけどずっと聞いてみたかったことを聞いてみた
「出会いか…」
父さんは少し考えるそぶりを見せてから話し始めた
「サラサはある日突然現れたんだ」
「現れた?」
出会ったじゃなく?
「ああ。前に住んでた家の側で雲の向こうから指す光の柱が現れた。それが何か確かめに行ったらサラサが倒れてた。だから出会ったというよりは保護したという方が正しいな」
父さん滅茶苦茶軽く言ってるけどそれってとんでもないことなんじゃ…
ていうか、俺と母さんって同じ状況じゃなかったのか?
ある意味衝撃的な事実だった
これは絶対バレた
「…お前はずっと伝えてくれてたんだな」
「~~~!」
「言ったでしょう?シアはレイの事が大好きだって」
俺の声にならない声を無視して母さんは言う
マジかよ…俺が直接言いたくても言えなくて、それでも伝えたくて英語で言ってたのが母さんにまで聞かれてたのか?
何だよそれ…
「恥ずかしくて死にそう…」
呟く俺に父さんも母さんも笑い出す
悔しいけど、そのおかげで心が軽くなった
愛してると伝えられることが
愛されてると実感できることが
こんなに幸せなことだって知らなかった
「そうだシア、あなたの名前はね、元の世界では幸せに歩むと書くのよ」
「え…?」
いきなり何の話を始めたんだ?
「私もレイもお互いに出会うまで幸せとは言えない人生を送ってきたの。でもあなたには幸せだと思える人生を歩んで欲しいと思ってその名前を付けたの」
「しあわせに…あゆむ…」
俺はその言葉をかみしめるようにつぶやいた
「シアが何をしても、何も出来なくても、どんなことを思ってても…私もレイもシアの幸せを願ってる。それだけはここで覚えておいて」
母さんはそう言って俺の胸に手を置いた
「今度の旅でお前は色んな壁にぶつかるはずだ。でも壁にぶつかるのは恥ずかしいことじゃない。恥ずかしいのはそこから逃げ出すことだと心に止めておけ」
「分かった」
「ちゃんと向き合って、それでもどうしようもなくて、身動きが取れなくなった時は俺達を呼べ。サラサは転移魔法が使えるからどんな場所だろうとすぐに助けに行ってやる」
またとんでもないスキルが出て来た
「…母さんに出来ないことってあんの?」
素朴な疑問を口にする
「そうねぇ…今のところ、人の心を操ることは出来ないわね」
またとんでもないことを言ってるし…
「まぁ、それはともかく…緊急時の連絡の仕方は分かってるな?」
「うん。妖精に頼む」
そう答えると父さんは満足げに頷いた
妖精への頼み事はこれまでにも何度かしてるし問題ないはず
「もう大丈夫そうだけど…」
「え?」
「レイ、今日はシアの部屋で休んだ方がよさそうね。シアはこれまで我慢してた分しっかり甘えなさい」
母さんはそう言って屋上から降りて行った
「…こんなデカくなったけど、甘えてもいい?」
「当たり前だ。デカくなろうが息子には違いない」
当たり前のようにそう言ってくれる父さんに嬉しくなった
少し屋上で話をしてから父さんと部屋に戻ると、父さんとベッドに並んで横になる
俺達の部屋には子供のころからダブルベッドが置かれてる
兄妹が固まって寝たり母さんが添い寝してくれたりするのに便利だからなんだって
だから父さんと並んでも窮屈な感じはしなかった
「父さん」
「ん?」
「母さんとの出会いってどんなんだった?」
答えてくれるかは分からないけどずっと聞いてみたかったことを聞いてみた
「出会いか…」
父さんは少し考えるそぶりを見せてから話し始めた
「サラサはある日突然現れたんだ」
「現れた?」
出会ったじゃなく?
「ああ。前に住んでた家の側で雲の向こうから指す光の柱が現れた。それが何か確かめに行ったらサラサが倒れてた。だから出会ったというよりは保護したという方が正しいな」
父さん滅茶苦茶軽く言ってるけどそれってとんでもないことなんじゃ…
ていうか、俺と母さんって同じ状況じゃなかったのか?
ある意味衝撃的な事実だった
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