25 / 349
7.羨ましがられた
1
しおりを挟む
「でね、今日もエンドレスに遭遇したの!」
先週に続きエンドレスに遭遇したことをシャノンが興奮気味に話す
「また?」
ヘンリーが信じられないという目を向けて来る
「僕まだ1回も遭遇してないのに…」
凹む姿にナターシャさんが苦笑する
「サラサちゃんも遭遇率高かったわよね?」
「私?」
母さんがキョトンとする
俺は母さんが迷宮に潜るイメージが持てないからそっちの方が驚きだけどな
「私もサラサちゃんのおかげで経験値稼がせてもらったもの」
「どういうこと?」
そう尋ねたのはスージーだ
「時々サラサちゃんと私の昔の仲間と4人で迷宮に潜ってたのよ」
「そういやそんな時期もあったな」
カルムさんが頷きながら言う
「俺と潜る時も結構遭遇した気がするな。1回えげつないことが起こったけど」
「ん?そんなことあった?」
「レイ、どんなことがあったの?」
「確か中級に潜ったときなんだけどな、最後のボス部屋でエンドレス…」
父さんの言葉に皆が固まった
そのエンドレスは全然有り難くない
「Aランクのケルベロスが2匹ひたすら現れた時はちょっと焦った。俺はAランクでもこいつまだBランクだったし…」
ちょっとなのか?
ってか今潜ってる迷宮の最下層ケルベロス2匹なのか?
自分たちの実力から考えるとかなりヤバイ気がする
推奨がパーティーランクB
4~5人で組むことを考えれば俺達はかなり不利になる
その頃にはシャノンもルークもBランクに上がってたとしてもギリ行けるかどうか…
「そんなこともあったわね~なつかしいわ」
俺の多少の焦りに気付きもしない、母さんののほほんとした危機感ゼロのこの言葉に俺は一種の恐怖を感じた
今の俺のランクでAランクだった父さんと2人でってことだよな?
考えただけでもぞっとする
「まぁサラサちゃんはBランクって言っても実力的にはAランクに近かったころじゃないの?」
「ああ。そうじゃなかったら流石に最下層までは連れて行かない」
「ってことはサラサちゃんの戦い方の方に焦ったってことかしら?」
ナターシャさんがまた変なことを口走る
母さんの戦い方って?
魔法1択ってことはそんなに危険なことはしないよな?
「どの属性がいちばんきくかしら~って順番に試してた」
「お母さんそんなことしてたの?」
「スゲー…」
ルークとシャノンの言葉に母さんが苦笑する
「そう言えばそんなこともしたかしら?でも目の前で比較できる機会なんてそんなにないじゃない?」
「いや、魔物の、しかも迷宮のボス相手にそんな検証する奴はいないと思うぞ」
カルムさんがちょっと引いている
いや、トータさんとアランさんもか?
「危なかったらレイが守ってくれると思ってたからね?」
「…」
当然のように言う母さんに父さんは呆れた顔を返す
「あ、ちなみに水が一番効いたわよ。不思議なことに2番目は氷じゃなくて風だったけど」
「そういや最後の方は水しか使ってなかったな。3匹同時に頭を水の膜で包んで窒息死させて倒す奴なんてお前くらいだろうけど」
「窒息…」
「頭3つとも?」
「ちょっと待って、3方向に魔力を分散させるってこと?」
水魔法を使えるシャノンのこのうろたえ様を見る限り普通じゃないってことか
「シャノン、サラサの魔力分散は10まで行けるぞ。しかもその全てを自由に操る」
「…お母さん化け物」
「シャノン~?」
おぉ…母さんの笑顔が怖い
シャノンはそんな母さんから隠れるように父さんの腕にしがみ付く
そんなシャノンを父さんは困ったように見ながら好きにさせていた
先週に続きエンドレスに遭遇したことをシャノンが興奮気味に話す
「また?」
ヘンリーが信じられないという目を向けて来る
「僕まだ1回も遭遇してないのに…」
凹む姿にナターシャさんが苦笑する
「サラサちゃんも遭遇率高かったわよね?」
「私?」
母さんがキョトンとする
俺は母さんが迷宮に潜るイメージが持てないからそっちの方が驚きだけどな
「私もサラサちゃんのおかげで経験値稼がせてもらったもの」
「どういうこと?」
そう尋ねたのはスージーだ
「時々サラサちゃんと私の昔の仲間と4人で迷宮に潜ってたのよ」
「そういやそんな時期もあったな」
カルムさんが頷きながら言う
「俺と潜る時も結構遭遇した気がするな。1回えげつないことが起こったけど」
「ん?そんなことあった?」
「レイ、どんなことがあったの?」
「確か中級に潜ったときなんだけどな、最後のボス部屋でエンドレス…」
父さんの言葉に皆が固まった
そのエンドレスは全然有り難くない
「Aランクのケルベロスが2匹ひたすら現れた時はちょっと焦った。俺はAランクでもこいつまだBランクだったし…」
ちょっとなのか?
ってか今潜ってる迷宮の最下層ケルベロス2匹なのか?
自分たちの実力から考えるとかなりヤバイ気がする
推奨がパーティーランクB
4~5人で組むことを考えれば俺達はかなり不利になる
その頃にはシャノンもルークもBランクに上がってたとしてもギリ行けるかどうか…
「そんなこともあったわね~なつかしいわ」
俺の多少の焦りに気付きもしない、母さんののほほんとした危機感ゼロのこの言葉に俺は一種の恐怖を感じた
今の俺のランクでAランクだった父さんと2人でってことだよな?
考えただけでもぞっとする
「まぁサラサちゃんはBランクって言っても実力的にはAランクに近かったころじゃないの?」
「ああ。そうじゃなかったら流石に最下層までは連れて行かない」
「ってことはサラサちゃんの戦い方の方に焦ったってことかしら?」
ナターシャさんがまた変なことを口走る
母さんの戦い方って?
魔法1択ってことはそんなに危険なことはしないよな?
「どの属性がいちばんきくかしら~って順番に試してた」
「お母さんそんなことしてたの?」
「スゲー…」
ルークとシャノンの言葉に母さんが苦笑する
「そう言えばそんなこともしたかしら?でも目の前で比較できる機会なんてそんなにないじゃない?」
「いや、魔物の、しかも迷宮のボス相手にそんな検証する奴はいないと思うぞ」
カルムさんがちょっと引いている
いや、トータさんとアランさんもか?
「危なかったらレイが守ってくれると思ってたからね?」
「…」
当然のように言う母さんに父さんは呆れた顔を返す
「あ、ちなみに水が一番効いたわよ。不思議なことに2番目は氷じゃなくて風だったけど」
「そういや最後の方は水しか使ってなかったな。3匹同時に頭を水の膜で包んで窒息死させて倒す奴なんてお前くらいだろうけど」
「窒息…」
「頭3つとも?」
「ちょっと待って、3方向に魔力を分散させるってこと?」
水魔法を使えるシャノンのこのうろたえ様を見る限り普通じゃないってことか
「シャノン、サラサの魔力分散は10まで行けるぞ。しかもその全てを自由に操る」
「…お母さん化け物」
「シャノン~?」
おぉ…母さんの笑顔が怖い
シャノンはそんな母さんから隠れるように父さんの腕にしがみ付く
そんなシャノンを父さんは困ったように見ながら好きにさせていた
37
お気に入りに追加
598
あなたにおすすめの小説
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
ここは私の邸です。そろそろ出て行ってくれます?
藍川みいな
恋愛
「マリッサ、すまないが婚約は破棄させてもらう。俺は、運命の人を見つけたんだ!」
9年間婚約していた、デリオル様に婚約を破棄されました。運命の人とは、私の義妹のロクサーヌのようです。
そもそもデリオル様に好意を持っていないので、婚約破棄はかまいませんが、あなたには莫大な慰謝料を請求させていただきますし、借金の全額返済もしていただきます。それに、あなたが選んだロクサーヌは、令嬢ではありません。
幼い頃に両親を亡くした私は、8歳で侯爵になった。この国では、爵位を継いだ者には18歳まで後見人が必要で、ロクサーヌの父で私の叔父ドナルドが後見人として侯爵代理になった。
叔父は私を冷遇し、自分が侯爵のように振る舞って来ましたが、もうすぐ私は18歳。全てを返していただきます!
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
〖完結〗死にかけて前世の記憶が戻りました。側妃? 贅沢出来るなんて最高! と思っていたら、陛下が甘やかしてくるのですが?
藍川みいな
恋愛
私は死んだはずだった。
目を覚ましたら、そこは見知らぬ世界。しかも、国王陛下の側妃になっていた。
前世の記憶が戻る前は、冷遇されていたらしい。そして池に身を投げた。死にかけたことで、私は前世の記憶を思い出した。
前世では借金取りに捕まり、お金を返す為にキャバ嬢をしていた。給料は全部持っていかれ、食べ物にも困り、ガリガリに痩せ細った私は路地裏に捨てられて死んだ。そんな私が、側妃? 冷遇なんて構わない! こんな贅沢が出来るなんて幸せ過ぎるじゃない!
そう思っていたのに、いつの間にか陛下が甘やかして来るのですが?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
転生したら使用人の扱いでした~冷たい家族に背を向け、魔法で未来を切り拓く~
沙羅杏樹
恋愛
前世の記憶がある16歳のエリーナ・レイヴンは、貴族の家に生まれながら、家族から冷遇され使用人同然の扱いを受けて育った。しかし、彼女の中には誰も知らない秘密が眠っていた。
ある日、森で迷い、穴に落ちてしまったエリーナは、王国騎士団所属のリュシアンに救われる。彼の助けを得て、エリーナは持って生まれた魔法の才能を開花させていく。
魔法学院への入学を果たしたエリーナだが、そこで待っていたのは、クラスメイトたちの冷たい視線だった。しかし、エリーナは決して諦めない。友人たちとの絆を深め、自らの力を信じ、着実に成長していく。
そんな中、エリーナの出生の秘密が明らかになる。その事実を知った時、エリーナの中に眠っていた真の力が目覚める。
果たしてエリーナは、リュシアンや仲間たちと共に、迫り来る脅威から王国を守り抜くことができるのか。そして、自らの出生の謎を解き明かし、本当の幸せを掴むことができるのか。
転生要素は薄いかもしれません。
最後まで執筆済み。完結は保障します。
前に書いた小説を加筆修正しながらアップしています。見落としがないようにしていますが、修正されてない箇所があるかもしれません。
長編+戦闘描写を書いたのが初めてだったため、修正がおいつきません⋯⋯拙すぎてやばいところが多々あります⋯⋯。
カクヨム様にも投稿しています。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる