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高校時代〜ハルside〜

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駐車場に向かうと何やら声が聞こえた

徐々に近くなるその声は喧嘩をしているような戯れているような……

セナだ

隣には見知らぬ女の子がいる

………いや、関係ないね!!!

「セナ!!!」

駆け足でせなの元へ向かった

私は人見知りだ。

その人見知りな私が知らない人もいるのにこんな勢いで混ざりに行くってことは
さっきまでがどれほど地獄だったかわかると思う。

幸いセナと一緒にいる女の子は
普段からセナが"聞いてもない"のに
色々なエピソードを教えてくれる時の話の中心のゆいちゃんって事に気づき、さほど緊張することも無かった

いや、緊張してなかった訳じゃない

でもこの2人と一緒に居る空間が私に安心をくれていた。





2人の絡みはホントに面白かった

まるで漫才を見ているかのような軽快なやり取り

…ていうかこれお互いが自分の気持ちに気づいてないだけで両思いなんじゃないの?

セナの発言聞いててもゆいちゃんの反応見てても……………

ゆいちゃんは照れ隠しで強く当たってる

セナは照れ隠しですぐに意地悪を言う

まるで小学生の男女みたいな2人

「いいなぁ」

思わず口に出た

いや、でも本心だ

正直2人が羨ましい

レンくんなんか私に微塵も興味を持ってくれてないのに

「え?あぁ」

セナが私の発言に何かを悟ったように表情が変わる

そして言い放った

「ハル…わかる、すっげえわかる…おれもジュース飲みたい」

はい?

「ゆいちゃんばっかズルい」

「セナさっきのジュース買ってって冗談じゃないの!?」

「んなわけあるか!!おれは喉乾いて死にそうなんだよ」

横で呆れたような顔のゆいちゃん

…でも楽しそう

幸せそうとかそういうのじゃなくて
すごく充実してる感じの顔

「買ってあげるから大人しくして」

ゆいちゃんの一言に満面の笑みで自販機に向かうセナ

「ゆいちゃん…大変だね……」

「ほんと困るよ……」

そう言ったゆいちゃんはやっぱりどこか楽しそうな顔をしていた。










お目当てのコーラを買ってもらったセナが唐突に聞いてきた私への質問は、正直1番今は触れられたくない物だった

「ハルって今日誰と来たの?」

セナの知らない人!とか
友達だよ!友達!!って軽く言ってみたものの
何かを察してるようで中々退かないセナ

「そいつ呼んでこいよ」

この短い言葉にどれだけの意味を込められてるのか

…きっとセナの優しさなんだろうね。


「声かけてみる」

そう言い残してまたあの砂浜まで向かった











この時のこの言葉

そして行動

それにタイミング

…あげはじめたらキリがないけど

多分この時にはもう私たち4人の人生の歯車は大きく動いていたんだろうね




セナ…あなたはいま元気にしてますか?
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