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つぼっち

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終焉の章、絶望の権化・【終焉竜】オルクジャナス

D-73 有限である命を滅ぼす一粒の無の雫

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「な、なんだ?」



終焉竜の水晶の色が渦巻き、真っ黒に、漆黒に染まっていく。



全ての水晶が黒色に染まると終焉竜は空高く羽ばたいた。



そして雲を突き抜けた辺りで水晶から一粒の雫がゆっくりと垂れ落ちた。



「……あれは?」



落ちていく雫は加速もせずにゆ~っくりと垂れていく。



殺意のない雫の脅威に気づけたのはアレイスターただ一人だけであった。



アレイスターの未来には真っ白になった世界だけがみえている。



30秒後、いやそれより前にこの雫のせいで世界が真っ白になる。





【【有限である命を滅ぼす一粒の無の雫】】





「天之川くん時間を止めてくれ!!」



「え?」



天之川は一瞬戸惑ったがすぐに時間を止めた。



しかし一歩遅かった、いや間に合ったというべきか。



雫は弾け、轟音と共に周囲の全てを薙ぎ倒す衝撃波を生んだ。



アレイスターの判断、そして天之川の瞬発力のおかげで





犠・牲・は・神・成・聖・夜・た・だ・一・人・に・抑・え・ら・れ・た・。





































「…………?」



ぼんやりした空間で聖夜は目を覚ます。



「あれ、俺確か終焉竜と戦って……。」



記憶が徐々に蘇る。



終焉竜とその膨大な力に負けて自分は死んだのだと悟った。



「死ぬのは2回目か。」



聖夜はバタンと倒れ込む。



以前死んだ時は世界神にして幼馴染である早乙女結衣が待っていてくれた。



しかしこの世界、この時間には結衣はいない。



あの時はアレイスターが渡してくれていた神王の奇石で生き返ることができた。



神王の奇石は同じ人間には2度効かない。



神成聖夜の人生はここで終わるのだ。



「………。」



悲しい、という感情は湧かない。



怒りも感じない。



嬉しくもないしかと言って無表情でもない。



限りなく無に近く、しかし有であるこの空間の中で一つの想いが溢れる。





「会いたい。」



天之川に、アレイスターに、ベルゼブブに、ハジメに、正義に、ゼロに、ミルドに、そして結衣に。



今まで俺を強くしてくれた敵たちに。



『力が欲しいか?』



声が聞こえる。



聴き慣れた、いや世界で一番聞いたことのある声が。



「……俺か。」



『そう、俺だ。』



こいつは未来の時間軸で天之川によって作られ、天之川によって殺された俺のクローン。



名をダークグラトニーと呼ぶ。



聖夜自身はダークと呼んでいる。
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