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第三章、【青の慈悲】と【赤の峻厳】、ザドキエル&カマエル
D-46 カマエル&ザドキエル
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カマエルは奇石をポケットにしまう。
「そんなもの出さなくてもいつでも本気だ。」
「へっ、そうこなくっちゃなぁ!!!」
赤く燃えたぎる剣を握りしめてカマエルが聖夜に斬りかかる。
聖夜も魔剣で守る。
しかしカマエルの方が剣術面では上で守ることだけしかできずにいる。
「フハハハハ!!これぞ俺の『カマエル流剣術』だ!!!」
一見乱雑に剣を振り回しているだけに見えるがその動きには全く隙がない。
それどころか聖夜が守りづらいところまで攻めてきてとてもやりづらい。
このままだと負けるであろう。
剣術の腕だけならば、
「行くぞベルゼブブ、『融合』!!」
融合とはその名の通り自分と相手の精神を融合させる技。
融合には二人の同意が必要だがその力は絶大だ。
聖夜は緑の全身鎧へと身を包む。
「なんか懐かしい感じだな。」
「作者が存在忘れてたからな。」
カマエルは剣を強く握り直す。
「ハハッ、やっぱり人間っておもしれぇ!!」
「今度はこっちから行くぜ!!」
聖夜はカマエルへと向かって行く。
カチッ
スカッ
「あれ?」
聖夜はたしかにカマエルの目の前まで来ていたはずだった。
しかし何故か少し逸れたところに自分がいることに気づいた。
「聖夜、カマエルの足元を見て。」
天之川にそう言われてカマエルの足元を見る。
そこには正四面体の今まで見たことのないような魔法陣がうっすらと見える。
「聖夜が知らぬ間に移動したのは僕が時間を止めて動かしたからだ。多分あの魔法陣踏んでたら何かしら起こってたと思うよ。」
「おいザドォ!!つまんねぇ小細工してんじゃねぇぞ!!!!」
「ご、ごめんなさい…………。わ、私ただ役に立ちたくて……。」
「チッ、なら俺はこのおもしれぇ奴を片付けるからザドはそのヒョロイ水色をやってくれ。役に立てるところ見せてぇなら勝手にやってろ。」
「う、うん……。」
長身のカマエルが小さいザドキエルの頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
ん?
何だこの妙な雰囲気。
俺のリア充センサーがビンビンに反応してやがる。
「ほんじゃあ行くぜ神成聖夜。俺は【赤の峻厳】カマエル!!」
「わ、私は【青の慈悲】ザドキエル……。」
「……ザド、お前はやらなくていいんだよ。」
「で、でもかっこいいから……。」
「まぁいい、しっかり頑張れよ。」
カマエルは剣に纏わせた炎を一層たぎらせた。
「そんなもの出さなくてもいつでも本気だ。」
「へっ、そうこなくっちゃなぁ!!!」
赤く燃えたぎる剣を握りしめてカマエルが聖夜に斬りかかる。
聖夜も魔剣で守る。
しかしカマエルの方が剣術面では上で守ることだけしかできずにいる。
「フハハハハ!!これぞ俺の『カマエル流剣術』だ!!!」
一見乱雑に剣を振り回しているだけに見えるがその動きには全く隙がない。
それどころか聖夜が守りづらいところまで攻めてきてとてもやりづらい。
このままだと負けるであろう。
剣術の腕だけならば、
「行くぞベルゼブブ、『融合』!!」
融合とはその名の通り自分と相手の精神を融合させる技。
融合には二人の同意が必要だがその力は絶大だ。
聖夜は緑の全身鎧へと身を包む。
「なんか懐かしい感じだな。」
「作者が存在忘れてたからな。」
カマエルは剣を強く握り直す。
「ハハッ、やっぱり人間っておもしれぇ!!」
「今度はこっちから行くぜ!!」
聖夜はカマエルへと向かって行く。
カチッ
スカッ
「あれ?」
聖夜はたしかにカマエルの目の前まで来ていたはずだった。
しかし何故か少し逸れたところに自分がいることに気づいた。
「聖夜、カマエルの足元を見て。」
天之川にそう言われてカマエルの足元を見る。
そこには正四面体の今まで見たことのないような魔法陣がうっすらと見える。
「聖夜が知らぬ間に移動したのは僕が時間を止めて動かしたからだ。多分あの魔法陣踏んでたら何かしら起こってたと思うよ。」
「おいザドォ!!つまんねぇ小細工してんじゃねぇぞ!!!!」
「ご、ごめんなさい…………。わ、私ただ役に立ちたくて……。」
「チッ、なら俺はこのおもしれぇ奴を片付けるからザドはそのヒョロイ水色をやってくれ。役に立てるところ見せてぇなら勝手にやってろ。」
「う、うん……。」
長身のカマエルが小さいザドキエルの頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
ん?
何だこの妙な雰囲気。
俺のリア充センサーがビンビンに反応してやがる。
「ほんじゃあ行くぜ神成聖夜。俺は【赤の峻厳】カマエル!!」
「わ、私は【青の慈悲】ザドキエル……。」
「……ザド、お前はやらなくていいんだよ。」
「で、でもかっこいいから……。」
「まぁいい、しっかり頑張れよ。」
カマエルは剣に纏わせた炎を一層たぎらせた。
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