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第六章、追憶の殺戮兵器
D-30 奇石を探して
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「ベルゼブブ、奇石の場所について心当たりとかある?」
「いや、検討もつかないな。だが出現する場所の条件だけなら知ってるぞ。」
①奇石は必ず地表に出現する。
(茂みの中や地中には存在しない)
②奇石には番号がふられており、それぞれ1~5の番号が刻印されている。
③奇石の出現はそれぞれ対となる場所へ出現する。
(例)1の奇石が世界で一番高い山に出現した時、2の奇石はその反対である世界で一番深い海に出現する。3と4の奇石も同様。
④例外として5の奇石は1~4の奇跡が消費された瞬間に世界で最もふさわしい場所に出現する。
「分からん。」
「地中や茂みにはないってだけで探しやすいけど。」
「③の性質でどれか一つでも場所が分かればもう一つも見つかるんだがな……。」
ベルゼブブは腕を組み悩ましげに唸る。
その直後ピコンと何か閃いたように飛び跳ねた。
「待て!!心当たりがあるかもしれん!!!!」
「本当か?」
「あぁ、奴に協力を依頼するのは癪だがこれしかない。」
「それで誰を頼るんだ?」
「奇石の場所を知っていそうな人間はただ一人だ。竜を従える男、その名もディアス=ゼルトマンだ。」
「ぜ、ゼルトマン!?」
聖夜はゼルトマンというファミリーネームに聞き覚えがある。
かつて旅を共にした仲間の一人、ゴーレムのゼロを作った博士グラン=ゼルトマンも同じファミリーネームだった。
天界から遠く離れた地上の盆地。
「あ、なんかある。」
目を凝らすと少し言ったところに小さな何かがうっすらと見えた。
よく見るとそれはテーブルと椅子だった。
その椅子には人が座っている。
テーブルには少し大きめのコーヒーを作るもののようなものが置いてある。
少し近づくと男はこちらに気が付いた。
「やはりコーヒーは挽きたてが一番うまい。そう思わないか?」
「いや、俺インスタントとか缶コーヒーしか飲まないんだけど。」
「!?それはいかん。是非ともここに座ってこのコーヒーを飲んでみてくれたまえ。」
そう言って男は椅子をもう一つ用意し、聖夜を座らせた。
そしてゆっくりと丁寧にコーヒーを作ってカップに注いだ。
聖夜は警戒せずにコーヒーを一口飲む。
「ん、うまい。」
「だろう!!この豆は希少な豆でね、自分で栽培してるんだよ。」
「コーヒ豆をか。そりゃすげぇな。」
「コーヒーを少し嗜んだら今度は少しミルクを注いでカフェラテにしても美味しいぞ。」
「本当だ、バカうめぇ。インスタントとは全然違うな。」
俺と男はしばらくなんの気無しに談笑を始めた。
「いや、検討もつかないな。だが出現する場所の条件だけなら知ってるぞ。」
①奇石は必ず地表に出現する。
(茂みの中や地中には存在しない)
②奇石には番号がふられており、それぞれ1~5の番号が刻印されている。
③奇石の出現はそれぞれ対となる場所へ出現する。
(例)1の奇石が世界で一番高い山に出現した時、2の奇石はその反対である世界で一番深い海に出現する。3と4の奇石も同様。
④例外として5の奇石は1~4の奇跡が消費された瞬間に世界で最もふさわしい場所に出現する。
「分からん。」
「地中や茂みにはないってだけで探しやすいけど。」
「③の性質でどれか一つでも場所が分かればもう一つも見つかるんだがな……。」
ベルゼブブは腕を組み悩ましげに唸る。
その直後ピコンと何か閃いたように飛び跳ねた。
「待て!!心当たりがあるかもしれん!!!!」
「本当か?」
「あぁ、奴に協力を依頼するのは癪だがこれしかない。」
「それで誰を頼るんだ?」
「奇石の場所を知っていそうな人間はただ一人だ。竜を従える男、その名もディアス=ゼルトマンだ。」
「ぜ、ゼルトマン!?」
聖夜はゼルトマンというファミリーネームに聞き覚えがある。
かつて旅を共にした仲間の一人、ゴーレムのゼロを作った博士グラン=ゼルトマンも同じファミリーネームだった。
天界から遠く離れた地上の盆地。
「あ、なんかある。」
目を凝らすと少し言ったところに小さな何かがうっすらと見えた。
よく見るとそれはテーブルと椅子だった。
その椅子には人が座っている。
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少し近づくと男はこちらに気が付いた。
「やはりコーヒーは挽きたてが一番うまい。そう思わないか?」
「いや、俺インスタントとか缶コーヒーしか飲まないんだけど。」
「!?それはいかん。是非ともここに座ってこのコーヒーを飲んでみてくれたまえ。」
そう言って男は椅子をもう一つ用意し、聖夜を座らせた。
そしてゆっくりと丁寧にコーヒーを作ってカップに注いだ。
聖夜は警戒せずにコーヒーを一口飲む。
「ん、うまい。」
「だろう!!この豆は希少な豆でね、自分で栽培してるんだよ。」
「コーヒ豆をか。そりゃすげぇな。」
「コーヒーを少し嗜んだら今度は少しミルクを注いでカフェラテにしても美味しいぞ。」
「本当だ、バカうめぇ。インスタントとは全然違うな。」
俺と男はしばらくなんの気無しに談笑を始めた。
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