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最終章、終わり
#170 【復楽園】
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消えた。
時間停止ならすぐに現れるはずなのに一向に出てこない。
どういうことだ?
逃げたわけはないだろう。
じゃあ一体どこに?
「後ろだよ。」
気配はなかった。
以前戦ったケンヤと同じようなものではない。
ケンヤは気配を消してゆっくりと俺に近づいてきた。
でもこれは気配を消す程度ではない。
『無い』のだ。
ピッ
「いてぇ!!」
「……かすったか。」
アレイスターはナイフで俺の背中を切っていた。
「瞬間移動ってわけでは無いよな。それだと魔力の残り香が残るはずだ、となると魔術じゃないっていうのか?」
俺がぶつくさ言っているとアレイスターは再び消えた。
やはりいくら探しても魔力の流れが変わったり残り香が残っていたりはしない。
魔力を使わないとなるとエクストラスキルか?
いやアレイスターのエクストラスキルは世界を移動する能力じゃないのか?
俺は一旦FPSで敵に狙われている時によくやる『ひたすら小刻みに移動』をする。
特に後ろを警戒しながら。
「残念今度は前なんだ。」
アレイスターは俺の目の前に現れた。
「!?」
突然のことにびっくりして回避が遅れる。
グサっ!!!
間一髪俺は心臓はかわしたが左手が犠牲になった。
「いってぇ!!」
間違いない。
「アレイスター、これエクストラスキルの応用だな?」
「翔くんの時もそうでしたが聖夜くんは本当に洞察力がいいですね。
アレイスターは自分の能力について得意げに話し始めた。
ここから先は難しい話なので注意
まずαという世界の座標A(X10、Y10、Z10)という場所があるとする。
Xは横、Yは縦、Zは奥行きとする。
目的地α世界の座標B(X20、Y10、Z10)に瞬間移動したい場合、エクストラスキル【復楽園(パラダイスリゲインド)】でβという世界を移動する。
世界を移動しても座標は変わっていてもリンクしているので世界を移動した場合のα世界の座標Aとリンクしたβ世界の座標C(X80、Y30、Z5)に移動したとする。
座標Aから座標Bに移動するならX+10移動すればいいからβ世界でX座標+10移動した座標D(X90、Y30、Z5)に移動して元のα世界へ戻れば座標Bに移動できてるということなのだ。
要するに全世界座標繋がってるから移動した分元の世界で移動できてるってこと。
「それでも俺は常に移動してたんだぞ。なんでそんな正確な座標がわかるんだよ。」
「……それは僕の『第二のエクストラスキル』のおかげだね。
時間停止ならすぐに現れるはずなのに一向に出てこない。
どういうことだ?
逃げたわけはないだろう。
じゃあ一体どこに?
「後ろだよ。」
気配はなかった。
以前戦ったケンヤと同じようなものではない。
ケンヤは気配を消してゆっくりと俺に近づいてきた。
でもこれは気配を消す程度ではない。
『無い』のだ。
ピッ
「いてぇ!!」
「……かすったか。」
アレイスターはナイフで俺の背中を切っていた。
「瞬間移動ってわけでは無いよな。それだと魔力の残り香が残るはずだ、となると魔術じゃないっていうのか?」
俺がぶつくさ言っているとアレイスターは再び消えた。
やはりいくら探しても魔力の流れが変わったり残り香が残っていたりはしない。
魔力を使わないとなるとエクストラスキルか?
いやアレイスターのエクストラスキルは世界を移動する能力じゃないのか?
俺は一旦FPSで敵に狙われている時によくやる『ひたすら小刻みに移動』をする。
特に後ろを警戒しながら。
「残念今度は前なんだ。」
アレイスターは俺の目の前に現れた。
「!?」
突然のことにびっくりして回避が遅れる。
グサっ!!!
間一髪俺は心臓はかわしたが左手が犠牲になった。
「いってぇ!!」
間違いない。
「アレイスター、これエクストラスキルの応用だな?」
「翔くんの時もそうでしたが聖夜くんは本当に洞察力がいいですね。
アレイスターは自分の能力について得意げに話し始めた。
ここから先は難しい話なので注意
まずαという世界の座標A(X10、Y10、Z10)という場所があるとする。
Xは横、Yは縦、Zは奥行きとする。
目的地α世界の座標B(X20、Y10、Z10)に瞬間移動したい場合、エクストラスキル【復楽園(パラダイスリゲインド)】でβという世界を移動する。
世界を移動しても座標は変わっていてもリンクしているので世界を移動した場合のα世界の座標Aとリンクしたβ世界の座標C(X80、Y30、Z5)に移動したとする。
座標Aから座標Bに移動するならX+10移動すればいいからβ世界でX座標+10移動した座標D(X90、Y30、Z5)に移動して元のα世界へ戻れば座標Bに移動できてるということなのだ。
要するに全世界座標繋がってるから移動した分元の世界で移動できてるってこと。
「それでも俺は常に移動してたんだぞ。なんでそんな正確な座標がわかるんだよ。」
「……それは僕の『第二のエクストラスキル』のおかげだね。
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