世界のためなら何度でも

つぼっち

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最終章、終わり

#169 制限時間は1時間

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「……、初めてお前に会った時覚えてるか?」

「あぁ、確か僕が品物に埋もれてた時ですかね。」

「そうそう、そこていろんな珍しい商品とか違法物資見つけてよく行くようになったんだっけな。」

「それがどうかしたんです?」

アレイスターは澄ました顔でニコニコと笑っている。

「あの時から仲良くなったのも全てお前が仕組んでたのか?」

「…………いいえ。」

アレイスターは絶えず笑顔だ。

「僕が君を必要と感じたのは君と仲良くなってしばらく経った後でした。神王の血筋、それを探すために色々な世界を旅して回っていましたが君が血筋と知った時は驚きましたよ。」

アレイスターは眼鏡をクイっとあげる。

「僕の計画は血筋を見つけ、その血筋を神王にのし上げることで神王の階段ができたところに神王の奇石と逆行時計で時間を戻すこと。ただ起動には少し時間がかかるんですよね。」

アレイスターは時計の方を見る。

時計はガチン、ガチンと音を立てて針が動いている。

「この時計を止める方法は僕にもわからない。でも仲良くしていたよしみだ、君にこの時計を止めるチャンスをあげよう。」

「チャンス?」

「君はこの逆行時計にどんな攻撃を加えてもいい。もちろんそんな柔な作りじゃないから簡単にはこ壊れないさ。ただ本当に壊されたら僕の計画が台無しになってしまう。だから僕は君を全力で止めにかかるよ。」

アレイスターは手のひらに魔法陣を作り出す。

「制限時間は逆行時計の両針がⅫの方を向くまでだ。さぁかかってきなさい。」

現在逆行時計はちょうどⅠ。

針は反時計回りに回るから残り約1時間ってとこか。

といってもアレイスターは常に自分の魔力で逆行時計を守っているので先にアレイスターを倒すのが得策だろう。

「まずはお前を倒してからだ!!」

「向かってきますか。」

アレイスターは俺を目掛けて魔法陣から魔術を繰り出す。

俺はそれを即座に飲み込み、剣を取り出す。

「おらぁぁぁぁぁ!!!!!」


ザグっ!!!!


アレイスターは切られた反応で後ろに下がる。

といってもアレイスターは物理攻撃に強いのかピンピンしている。

「魔法を食べるなんて。」

「なんだリサーチしてなかったのか?戦いの前に敵の情報を探るのは基本中の基本だろ?」

「じゃあ聖夜くんは私のことを調べてきているのです?」

「あぁ、ちょっとだけな。本名年齢共に不詳、性別男、元大アルカナ所属[No.0]愚者。エクストラスキル所持者、エクストラスキルの能力は次元を超えて別の世界へと移動する能力。」

「……結構調べられてますね。」

アレイスターは表情ひとつ変えずに頭をかく。

「でも、」

アレイスターの後方に謎の陣が現れる。

「君は僕の能力の全てを知らない。」

次の瞬間、アレイスターは俺の視界から消え去った。
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