世界のためなら何度でも

つぼっち

文字の大きさ
上 下
35 / 281
第六章、山すらも揺るがす竜

#35 絶対防御形態と亡き者の聖剣

しおりを挟む
二人は俺たちにそう言ってゴルサヴァクの近くまで行く。

「《絶対防御形態》起動。」

ゼロがそういうと、ゼロの体から所々綺麗な金色の線が入っている。



名、ゼロ

状態、絶対防御形態



一方ミルドは自分の胸の骨から白く神々しい光を帯びた物体を引き抜いていた。

その物体は体から出るとみるみるうちに剣のように形を変えていった。

「『亡き者の聖剣』。」

そう言ってミルドは聖剣を天高く構える。




名、亡き者の聖剣

種族、聖剣

属性、神聖





「それじゃあいくぞ。」

「えぇ、あなたには合わせますよ。」

そういうとミルドは聖剣を片手にゴルサヴァクの元へ走っていく。

ミルドが聖剣を思いっきり突き刺すと、聖剣から眩い光が漏れ出す。

「ゴァァァァ!?」

どうやらミルドの聖剣には聖属性がついており、竜に効果抜群らしい。

そういえばアンデッドは聖属性をくらうと浄化されるとか聞いたことあるんだけどなんともなさそうだな。

ミルドは聖剣を引き抜き、一旦離れようとするがゴルサヴァクは構わずブレスを吐く。

「まずいな。」

「任せてください。」

そういうとゼロは自らブレスを受けに行った。

しかしゼロには外傷がなく、ピンピンしている。

「怪我はありませんか?」

「大丈夫だ、すまない。」

「いえ、私にできることはこれくらいしかありませんから。」

この攻防戦を繰り返し、数時間。

ゴルサヴァクは完全に体力とスタミナを削られていた。

もちろんミルドとゼロも削られていたがゴルサヴァクほどではなかった。

「ミルド、いけますか?」

「あぁ、まだなんとかな。」

「ゴルサヴァク戦の前に言っていたこと覚えてますか?」

「あぁ、 あれやるか。」

しばらくするとゴルサヴァクは体全体を使ってミルドをなぎ払おうとしてきた。

その瞬間ゼロは自分の最大速度でゴルサヴァクに衝突し、ゴルサヴァクを怯ませた。

「あとは頼みましたよ。」

そう言ってゼロは力を出し切ったのかパタリと倒れる。

「任せろ!!」

ミルドは聖剣を持ち、高速でゴルサヴァクの首を狙い、一太刀食らわせる。

だがそれだけでは止まらなかった。

「まだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだまだ!!!!!!!!!!!!」

ミルドは何度も何度もゴルサヴァクの首に斬撃を浴びせまくる。

そして最期の一太刀が終わった瞬間、


ゴルサヴァクの首がゴトリと落ちた。

その時、俺はポツリと独り言をした。

「このパーティー俺いらなくない?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

愚かな父にサヨナラと《完結》

アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」 父の言葉は最後の一線を越えてしまった。 その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・ 悲劇の本当の始まりはもっと昔から。 言えることはただひとつ 私の幸せに貴方はいりません ✈他社にも同時公開

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

完結・私と王太子の婚約を知った元婚約者が王太子との婚約発表前日にやって来て『俺の気を引きたいのは分かるがやりすぎだ!』と復縁を迫ってきた

まほりろ
恋愛
元婚約者は男爵令嬢のフリーダ・ザックスと浮気をしていた。 その上、 「お前がフリーダをいじめているのは分かっている! お前が俺に惚れているのは分かるが、いくら俺に相手にされないからといって、か弱いフリーダをいじめるなんて最低だ! お前のような非道な女との婚約は破棄する!」 私に冤罪をかけ、私との婚約を破棄すると言ってきた。 両家での話し合いの結果、「婚約破棄」ではなく双方合意のもとでの「婚約解消」という形になった。 それから半年後、私は幼馴染の王太子と再会し恋に落ちた。 私と王太子の婚約を世間に公表する前日、元婚約者が我が家に押しかけて来て、 「俺の気を引きたいのは分かるがこれはやりすぎだ!」 「俺は充分嫉妬したぞ。もういいだろう? 愛人ではなく正妻にしてやるから俺のところに戻ってこい!」 と言って復縁を迫ってきた。 この身の程をわきまえない勘違いナルシストを、どうやって黙らせようかしら? ※ざまぁ有り ※ハッピーエンド ※他サイトにも投稿してます。 「Copyright(C)2021-九頭竜坂まほろん」 小説家になろうで、日間総合3位になった作品です。 小説家になろう版のタイトルとは、少し違います。 表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

処理中です...