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つぼっち

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第四章、人の国

#26 デブとの接戦

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キモデブは攻撃態勢を取った後、いきなり攻撃してきた。

「《フレイム・タワー》!!」

キモデブは炎を縦に噴射する魔術を使ってくる。

「くそっ、近づけない!!」

俺の攻撃手段はロングソードと少しの魔術のみ。

しかもあいつは長距離の魔術を使ってくる。

全然近づけない。

「フハハハハ、どうしたどうした!?」

少しキャラがブレつつあるキモデブの攻撃を避けて近くに行こうとするが、

「させませんぞ、《ウィンドウォール》!!」

風の壁を作る魔術で弾かれる。

どうしてもあいつに近づくことができない。


そうだ!!

「くらいやがれ! 《発汗》!!」

「むむっ!!」

俺は使った相手に大量の汗をかかせる魔術を使う。

「あ、暑い! こんな魔術でわたしが倒れるはずがないでしょうが!!」

ネットかなんかで見た情報でデブは暑がりと聞いたことがある。

それが本当なら汗をかきまくって汗を拭いている間に刺す!!

「くそっ、汗が目に入った!! 汗を拭かねば!!」

そう言ってハンカチを取り出すキモデブ。

俺はその一瞬を逃さなかった。

俺はロングソードを抜き、キモデブに急接近する。

くらいやがれ!!


ガキン!!!!

「な!?」

「私は女神様に認められた大アルカナの中でも魔術士と呼ばれる人間ですぞ? 360度バリアなんてお手の物です。」

そう言って汗をゆっくり拭いた後、再び構える。

「さぁ、死にさらせ!! 〈エクスプロージョン〉!!」

そう言って炎系の最大火力を誇る大魔術を放ってきた。

あっちが爆発を使うならこっちも爆発で相殺するのみ。

「そんな色々魔術使える力と才能、ほんと羨・ま・し・い・な!!!!!」

俺はありったけの嫉妬をキモデブに向ける。


バゴーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!!!!!

「な!?」

キモデブは何が起こったか理解できていないようだ。

なにせ自分の最高火力並みの魔術を相殺されたんだからな。

俺は爆発の煙に紛れてキモデブの背後に走る。

もちろん360度バリアは貼られてるだろうが一か八かの賭けに出る。

「〈ラピッド・ショット〉!!!」

俺はキモデブの背後のバリアに炎にかかる圧力を最大限に引き出させるように先端だけを圧縮し、針のようにした魔術をほとんどの魔力を使って打つ。

ガギン!!

「くっ、だが360度バリアの前では無意味!!」

俺の攻撃に気づいたキモデブは振り返り、バリアを厚くしようとする。

「させるか!!」

俺は最後の魔力を使ってバリアを押し切る。


バリン!!


バリアが崩れる音がした。

同時に俺の魔術はキモデブに突き刺さる。

「グアッ!!」

キモデブは腹から血を流すが、すぐに立ち上がろうとする。

まずい、俺は魔力を使い切って動けない。

このまま一撃でもくらえば……。

「ふー、ふー、私の勝ちです!!」

そう言って最後の力を振り絞り、魔術を使おうとするが、


ドサッ


「うぅっ!!」

思ったより傷が深かったのかその場に倒れるキモデブ。

両者ともに動けないのが続き、約1分。

コツコツと足音が聞こえた。

「むむむ。2人とも倒れてるではないか!!」

声の主は男。

顔を上げて顔を見ると黒髪に黒目、長身でイケメンだった。

「私はまだ、戦える!!」

「ダメだフラメルさん。君の役目はもう終わったんだ!!」

そう言ってキモデブを軽々と持ち上げる。

「あなたはもう用済みだって女神様から伝言だ。 大アルカナから追放だと言っていたぞ!!」

「バカな、女神様がそんなこと言うはずが……。」

「じゃあ本人に聞いてみればいいさ。裁人に負けたんだから追放は間違い無いからね。」

「ぐぅぅ!!」

キモデブは悔しそうに歯ぎしりする。

俺はその会話を聞いて声の主を特定した。

「…………、お前……正義か?」

「覚えてくれて嬉しいぞ聖夜!!お前と最後にあったのは何年ぶりだろうか!!」

そう言って男、正義はガッハッハと笑う。

正義は小学生の頃の友達だった。

正義感が強く、ありがた迷惑なほどに他人を気遣う人だった。

中学生になってから俺は転校し、3年もあってなかったが。

「瀕死の君を殺してもいいけどそれは俺の正義に反するからな。これで失礼する!!」

そう言って正義はテレポートの準備をする。

「俺は〈タロット〉所属大アルカナ、《NO.11》正義。 また今度、万全の状態で戦おうか。」

そう言ってキモデブを抱えた正義は、そのままどこかへ消えてしまった。
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