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つぼっち

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第三章、禁忌と捕食者

#16 砂漠の主

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「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

俺は今エンペラーバジリスクと戦っている最中だった。

こいつの持っているスキル、〈石化の天眼〉はみたものを石化させる〈石化の目〉の上位スキルだ。

うまくこいつの視線をかいくぐり、攻撃を加えないといけない。

「あー、キリがないな!!」

龍族は皮膚が硬く、あまり攻撃が通りにくい。

ましてやただの鉄の剣で攻撃しても少しの傷にしかならず、逆に剣が刃こぼれする。

圧倒的に俺が不利な状況だった。

そろそろ体力も減ってきたが暴食治癒を使おうにも食う肉がないから回復もできない。

「《プロミネンス》!!」

俺は火炎魔術を唱えるが、硬い皮膚には敵わない。

せめて超高火力の攻撃を加えれば皮膚を破壊できるんだが。

「くそ~。その皮膚、羨・ま・し・い・な……」

そう言った瞬間、


ドゴーーーーーーーーン!!!!!!!!!


エンペラーバジリスクの皮膚で爆発が起こった。

「「!?」」

突然の出来事に俺もエンペラーバジリスクも驚いた。

俺が羨ましいと口にした瞬間爆発が起きた。

この出来事はエンヴィーが使っていたような……

「まさか」

俺は急いで嫉妬の指輪を鑑定する。





〈嫉妬の指輪〉
所持者にスキル〈嫉妬〉を追加する指輪。




〈嫉妬〉
魔神の力を持ったスキル。
自分が羨ましいと口にすると、そのものに爆発を起こす。
なお、爆発の威力は羨ましければ羨ましいほど強くなる。




これが嫉妬の能力か。

この爆発の力があればあいつにも攻撃が届くかも。

「その硬い皮膚、羨・ま・し・い・な!!」

再び爆発が起こる。

「その石化させるスキルも強くて羨・ま・し・い・な!!」

「グルゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!」

よし、攻撃が通ってきてる!!

「そのでかい体も、砂漠の主って称号も、仲間思いなところも、なにもかも羨・ま・し・い・な!!!!!!!!!!」


ドゴーーーーーーーーン!!!!!
バゴーーーーーーーーン!!!!!
ズドーーーーーーーーン!!!!!
チュドーーーーーーーン!!!!!


「キェァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」

エンペラーバジリスクは爆発で皮膚が剥がれたところに爆発をくらい、もがき苦しむ。

「これで終わりだ!お前の何もかもが羨・ま・……」

そう言おうとした瞬間、

「今だ!みんな行くぞ!!」

「「「おぉ!!」」」

エンペラーバジリスクの背後から数人の声がする。

そして、彼らは一斉にエンペラーバジリスクに襲いかかった。

「バカ!今行くと〈石化の天眼〉に…………あれ?」

彼らは確実に〈石化の天眼〉に当たったはずだったが、石化していない、一体何者なんだ!?

「鑑定」

俺は休憩がてらにエンペラーバジリスクと戦う彼らを鑑定する。




名、ユウキ

種族、人間

レベル、28

ランク、Bランク冒険者

職業、勇者

称号、者・女神の加護を受けし者




名、ダイチ

種族、人間

レベル、24

ランク、Cランク冒険者

職業、槍使い

称号、転生者・女神の加護を受けし者




名、ヨウイチ

種族、人間

レベル、22

ランク、Cランク冒険者

職業、召喚士

称号、転生者・女神の加護を受けし者




名、ヒカリ

種族、人間

レベル、25

ランク、Cランク冒険者

職業、魔術士

称号、転生者・女神の加護を受けし者





こいつら全員転生者かよ!

しかもあの容姿と声には覚えがあるぞ。

こいつらは、小学3年生のころに俺をいじめていた集団だった。
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