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第4話 珠美さん、勇者になる

第4話 その5

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 トイレの室内が光り、やがて消え、珠美さんがトイレから出てきました。

「ちょっと長くなっちゃった」

「いいですよ、好きなだけ使ってください」

「やっぱり私、この部屋、居心地いいわ」

「それは何よりです。だけど、ちょっと失礼しますよ」

「え?」

「いえ実は、我慢していたもので」

「ああっ、ごめんなさい」

「いえいえ」

 僕は入れ替わりでトイレに入りました。

 やれやれです。勇者を召喚するという僕の任務は、これをもってスタートを切ったというところでしょうかね。

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