378 / 830
第20.5話 みんな愉快な?ヴァスティナ帝国
19
しおりを挟む
次の日の朝、私が目を覚ますと、傍にメイド長の姿はなかった。
私を起こさないように支度し、彼女は今日もメイド仕事へ向かったのだろう。今日も作戦会議室で説明を済ませ、今頃は城内の清掃に取り組んでいるに違いない。
ベッドの上を綺麗にし、メイド長の部屋を後にした私は、自分の寝室へと恐る恐る戻った。寝室に入ると、昨晩の襲撃者の姿は既になく、その代わり、机の上に「ごめんね」と書かれた書き置きがあった。
ノイチゴさんにまた襲われないかとびくびくしていたが、彼女がこの部屋からいなくなっていたのと、謝罪の言葉が書かれた書き置きで、ようやく安堵できた。
安堵した私は寝間着を脱ぎ、メイド服に着替えた。今日は休日なのだが、私は私服を持ってはいないのだ。ちなみにこの寝間着は、メイド長から支給されたものである。
仕方なく仕事着に着替えた私は、メイド長から昨日の仕事終わりに渡されていたお小遣いを持った。
お小遣いを渡して、メイド長は言った。「貴女は明日休日です。このお金で必要なものを買ってきなさい。城下に出れば大抵のものは揃っているはずです。食事代も渡しておきますから、明日は街を見て周ると良いでしょう」と言われている。
確かに、せっかくの休日なので、街に出て私服でも買いに行こうかと思った私は、支度を済ませて寝室を後にした。
私のいなくなった後、帝国の街や人々はどうなっているのか。それがずっと気になっていた。でもきっと、心配する必要はないのだろう。城内の様子を見ていれば、何となくわかる。
きっと姉様が、この国をよく治めているのだ。だから、心配しなくてもいい。
この日の私は、姉様が治める帝国を見て周った。
小さな国だが、とても平和な国だ。帝国の平和を肌で感じた私は、姉様との幸福だった日々を思い出し、改めて思った。
やっぱり私は、姉様とこの国が大好きなのだと・・・・・・・。
私を起こさないように支度し、彼女は今日もメイド仕事へ向かったのだろう。今日も作戦会議室で説明を済ませ、今頃は城内の清掃に取り組んでいるに違いない。
ベッドの上を綺麗にし、メイド長の部屋を後にした私は、自分の寝室へと恐る恐る戻った。寝室に入ると、昨晩の襲撃者の姿は既になく、その代わり、机の上に「ごめんね」と書かれた書き置きがあった。
ノイチゴさんにまた襲われないかとびくびくしていたが、彼女がこの部屋からいなくなっていたのと、謝罪の言葉が書かれた書き置きで、ようやく安堵できた。
安堵した私は寝間着を脱ぎ、メイド服に着替えた。今日は休日なのだが、私は私服を持ってはいないのだ。ちなみにこの寝間着は、メイド長から支給されたものである。
仕方なく仕事着に着替えた私は、メイド長から昨日の仕事終わりに渡されていたお小遣いを持った。
お小遣いを渡して、メイド長は言った。「貴女は明日休日です。このお金で必要なものを買ってきなさい。城下に出れば大抵のものは揃っているはずです。食事代も渡しておきますから、明日は街を見て周ると良いでしょう」と言われている。
確かに、せっかくの休日なので、街に出て私服でも買いに行こうかと思った私は、支度を済ませて寝室を後にした。
私のいなくなった後、帝国の街や人々はどうなっているのか。それがずっと気になっていた。でもきっと、心配する必要はないのだろう。城内の様子を見ていれば、何となくわかる。
きっと姉様が、この国をよく治めているのだ。だから、心配しなくてもいい。
この日の私は、姉様が治める帝国を見て周った。
小さな国だが、とても平和な国だ。帝国の平和を肌で感じた私は、姉様との幸福だった日々を思い出し、改めて思った。
やっぱり私は、姉様とこの国が大好きなのだと・・・・・・・。
0
お気に入りに追加
278
あなたにおすすめの小説
ほらやっぱり、結局貴方は彼女を好きになるんでしょう?
望月 或
恋愛
ベラトリクス侯爵家のセイフィーラと、ライオロック王国の第一王子であるユークリットは婚約者同士だ。二人は周りが羨むほどの相思相愛な仲で、通っている学園で日々仲睦まじく過ごしていた。
ある日、セイフィーラは落馬をし、その衝撃で《前世》の記憶を取り戻す。ここはゲームの中の世界で、自分は“悪役令嬢”だということを。
転入生のヒロインにユークリットが一目惚れをしてしまい、セイフィーラは二人の仲に嫉妬してヒロインを虐め、最後は『婚約破棄』をされ修道院に送られる運命であることを――
そのことをユークリットに告げると、「絶対にその彼女に目移りなんてしない。俺がこの世で愛しているのは君だけなんだ」と真剣に言ってくれたのだが……。
その日の朝礼後、ゲームの展開通り、ヒロインのリルカが転入してくる。
――そして、セイフィーラは見てしまった。
目を見開き、頬を紅潮させながらリルカを見つめているユークリットの顔を――
※作者独自の世界設定です。ゆるめなので、突っ込みは心の中でお手柔らかに願います……。
※たまに第三者視点が入ります。(タイトルに記載)
噂好きのローレッタ
水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。
ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。
※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです)
※小説家になろうにも掲載しています
◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました
(旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)
異世界を中国拳法でぶん殴る! ~転生したら褐色ショタで人外で、おまけに凶悪犯罪者だったけど、前世で鍛えた中国拳法で真っ当な人生を目指します~
犬童 貞之助
ファンタジー
八極拳や太極拳といった中国拳法が趣味な大学生、中島太郎。ある日電車事故に巻き込まれた彼は、いつの間にか見ず知らずの褐色少年となっていた。
いきなりショタ化して混乱する頭を整理すれば、単なる生まれ変わりではなく魔法や魔物があるファンタジーな世界の住人となってしまったようだった。そのうえ、少年なのに盗賊で貴族誘拐の実行犯。おまけに人ではないらしいことも判明する。
「どうすんだよこれ……」
問題要素てんこ盛りの褐色少年となってしまった中島は、途方に暮れる。
「まあイケメンショタだし、言うほど悪くないか」
が、一瞬で開き直る。
前向きな彼は真っ当に生きることを目指し、まずは盗賊から足を洗うべく行動を開始した──。
◇◆◇◆
明るく前向きな主人公は最初から強く、魔法の探求や武術の修練に興味を持つため、どんどん強くなります。
反面、鉢合わせる相手も単なる悪党から魔物に竜に魔神と段々強大に……。
"中国拳法と化け物との戦いが見たい”
そんな欲求から生まれた本作品ですが、魔法で派手に戦ったり、美少女とぶん殴り合ったりすることもあります。
過激な描写にご注意下さい。
※この作品は「小説家になろう」でも投稿しています。
“元“悪役令嬢は二度目の人生で無双します(“元“悪役令嬢は自由な生活を夢見てます)
翡翠由
ファンタジー
ある公爵令嬢は処刑台にかけられていた。
悪役令嬢と、周囲から呼ばれていた彼女の死を悲しむものは誰もいなく、ついには愛していた殿下にも裏切られる。
そして目が覚めると、なぜか前世の私(赤ん坊)に戻ってしまっていた……。
「また、処刑台送りは嫌だ!」
自由な生活を手に入れたい私は、処刑されかけても逃げ延びれるように三歳から自主トレを始めるのだが……。
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…
いらないと言ったのはあなたの方なのに
水谷繭
恋愛
精霊師の名門に生まれたにも関わらず、精霊を操ることが出来ずに冷遇されていたセラフィーナ。
セラフィーナは、生家から救い出して王宮に連れてきてくれた婚約者のエリオット王子に深く感謝していた。
エリオットに尽くすセラフィーナだが、関係は歪つなままで、セラよりも能力の高いアメリアが現れると完全に捨て置かれるようになる。
ある日、エリオットにお前がいるせいでアメリアと婚約できないと言われたセラは、二人のために自分は死んだことにして隣国へ逃げようと思いつく。
しかし、セラがいなくなればいいと言っていたはずのエリオットは、実際にセラが消えると血相を変えて探しに来て……。
◆表紙画像はGirly drop様からお借りしました🍬
◇いいね、エールありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる