1 / 841
プロローグ
しおりを挟む
プロローグ
広大な地平を数えきれない程の人間が、まるで、生き物のようにうごめいている光景を目の当たりにすると、今いるこの場所は、自分の常識の通用しないところなのだと思い知る。
多くの人間同士が、ぶつかり、怒鳴り、斬りあい、斬られ、血しぶきを飛ばす。遠目から見ても、それは激しく恐ろしい光景で、本来ならば見るのも躊躇う光景である。
しかし、目は背けられない。いや、背けてはいけないのだ。
あの光景の中にまもなく飛び込まなければならないのだから。
「勇者様、突撃の指示です!」
勇者。自分をそう呼ぶ伝令は、戦場の興奮を隠しきれない顔で命令を伝えてきた。
「わかった。みんな、準備はいいか!」
後ろに整列している全ての人間が、大声で雄叫びを上げた。
空気が震える。大地も震えているように感じるのは、ここにいる三百人の人間の士気の高さと、これから向かう死地への恐怖を振り払おうとする精神が、そう感じさせるのだろうか。
これから向かうのは、死と隣り合わせの戦場。眼前には、敵味方入り乱れる激戦区。
そこに、突撃をかけている敵の軍団。自分たちの仕事は、突撃してくる敵軍団の迎撃。剣を握る手に力がこもる。
「突撃!!」
号令とともに、三百の兵士たちが雄叫びを上げて駆けていく。
自分も駆ける。仲間たちと共に雄叫びを上げながら。そうでもしなければ、今にも逃げてしまいたくなる。勇者と呼ばれていても戦いは怖いのだ。
眼前に敵が迫る。敵には勢いがあるし、兵士の数もこちらより多い。まともに正面からあたれば、こちらは勢いと数にのまれてしまうだろう。まずは勢いを殺さなければいけない。
「くらえええええっ!!」
剣を振りかぶり、縦に勢いよく一閃。すると、剣が光を帯びて、一閃とともに光の塊が一直線に放たれる。それは敵へと真っ直ぐに向かって、光が敵にぶつかると、光が弾けて敵軍団を吹き飛ばした。
宙を舞うたくさんの敵の兵士たちは、まるで竜巻にでも吹き飛ばされたような勢いだ。この力で味方の進軍を助けるのが、自身に今できることだ。
「進めえええーーーっ!!」
仲間たちが叫ぶ。今の攻撃で敵の勢いは止まった。攻撃のチャンスだ。
次々と、味方が剣や槍で敵を殺そうと向かっていく。
「勇者様、さすがの腕前ですね」
「いや、まだまださ。それより、戦いはまだこれからだ。敵を早く撃退して他の援護にまわらないと」
味方は敵になだれ込み、次々と敵兵士を討ち取る。敵は勢いを殺されたため、満足に反撃できず徐々に後退していく。この調子であれば撃退は容易だ。
だが、良い気持ちにはなれない。何故ならば、人を殺しているのだから。
「右翼に新たな敵が!!」
「!?」
見ると、こちらへと向かってくる新たな軍団が見えた。正確な数はわからないが、味方の数よりも多い大軍だ。このままだと側面から攻撃され、こちらが蹴散らされてしまうだろう。
後退するか、迎撃するか、判断を下さなければならない。
(敵の数は多い。でも、後退すれば他の味方を危険に晒してしまう)
苦しいが、ここを離れるわけにはいかない。敵を迎え撃つ必要がある。後退すれば、乱戦になっている他の戦場の味方に、この敵軍団は向かっていく。そうなったら最後、味方は蹂躙されてしまう。それだけは絶対に防がなければならない。
「敵を迎え撃つ!全軍------」
いいかけた直後、突然の轟音といえる発砲音が戦場に鳴り響いた。
そして、新手の敵軍団に巻き起こるたくさんの爆発。舞い上がる粉塵。さらなる発砲音。大地ごと敵を吹き飛ばす爆発。
「なっ、なんだ?!」
爆発により舞い上がった粉塵が晴れると、先程まで敵がいた場所は、爆発によって作り出された大穴が出来上がり、数えることもできない程の死体が築き上げられていた。
何が起こったのか味方も理解できないでいる。
目の前で突然起こった、爆発と軍団壊滅をどうやって理解しろというのか。
「勇者様の力でしょうか?」
「いや・・・・、俺はなにもしてない」
勇者は力を使っていない。たとえ使ったとしても、あのような連続した爆発を起こせない。
その答えは騒音と共にすぐにやってきた。
鳴り響く機械音。耳に騒音として聞こえるエンジン音。キャラキャラと鉄が擦れあう音とともに、それらはやってきた。全てが鉄に覆われた巨体。鉄板を履いたようにも見える履帯を履いて走るそれには、一本の角にも見える長い筒。それが、何十両も前進してくる。
「戦車・・・・・」
実物を見たことは無いが、本やテレビで見たことあるものそのままだ。
さっきの発砲音と爆発はこれらの仕業だろう。これらの砲が一斉に撃たれ、敵を壊滅に追い込んだ。
新たに現れた戦車軍団は、生き残った敵を追撃しようと前進していく。
その戦車の後ろからは、頭に丸い鉄帽子をかぶった人間たちが、駆け足とともにやってきた。味方は鎧を着て剣や槍で武装した、まさにファンタジー世界の兵士の恰好なのに対して、彼らは鎧など着ずに、灰色の戦闘服に身を包み、手にはそれぞれ銃を持っている。
呆気にとられていると、戦車と同じく、ここに似つかわしくない一台の車が、自分たちの前を通り過ぎた。何かの映画で見たことがある。ジープと言うやつだ。
その車には運転手の他に、二人の男女が乗っていた。男は助手席に座っており、通り過ぎた瞬間互いの目があった。
その男は、目があった瞬間こっちに笑みを見せる。その笑みには、あの男の自信ともいえるものが滲み出ていて、正直悔しさを覚えた。苦戦していた自軍を瞬く間に助け、敵を蹂躙していくその余裕が、悔しかった。
あの男をよく知っているわけではないが、男が持つ驚異的な力を、今から嫌というほど見せつけられることだろう。あれが噂通りの異名を持つ者ならば・・・・・。
「あれが、帝国の狂犬か・・・・・」
「見たかあの勇者の顔?」
「はい。将軍閣下の力に恐れおののいていました」
「そうか?呆気にとられてただけだろ」
二人の男女は車の中で、先程すれ違った軍団について話していた。二人とも若く、将軍閣下と呼ばれた男は、二十代前半の年齢しかないように見える。女も彼と歳はそう離れていない風貌だ。男は、とても将軍という威厳ある階級には似合わない。
しかしこの男こそ、戦車軍団と小銃武装の歩兵部隊の指揮者であり、今まさに、敵を蹴散らそうと進軍の命令を出した張本人である。
「剣と魔法の時代はじきに終わる。これからは銃と機械化装甲部隊の時代だ」
「これからそれが、全ての国家に証明されるのですね」
敵に対して、戦車の主砲が火を噴き、歩兵の銃からは、鉛玉が乾いた音とともに放たれる。戦場に今までなかった火薬の発砲音が響き渡る。これからこの戦場は、血と硝煙の臭いに包まれるだろう。
彼の軍団の戦争は今始まった。
「ファンタジー世界の住民に教えてやる。これが現代戦だ!!」
広大な地平を数えきれない程の人間が、まるで、生き物のようにうごめいている光景を目の当たりにすると、今いるこの場所は、自分の常識の通用しないところなのだと思い知る。
多くの人間同士が、ぶつかり、怒鳴り、斬りあい、斬られ、血しぶきを飛ばす。遠目から見ても、それは激しく恐ろしい光景で、本来ならば見るのも躊躇う光景である。
しかし、目は背けられない。いや、背けてはいけないのだ。
あの光景の中にまもなく飛び込まなければならないのだから。
「勇者様、突撃の指示です!」
勇者。自分をそう呼ぶ伝令は、戦場の興奮を隠しきれない顔で命令を伝えてきた。
「わかった。みんな、準備はいいか!」
後ろに整列している全ての人間が、大声で雄叫びを上げた。
空気が震える。大地も震えているように感じるのは、ここにいる三百人の人間の士気の高さと、これから向かう死地への恐怖を振り払おうとする精神が、そう感じさせるのだろうか。
これから向かうのは、死と隣り合わせの戦場。眼前には、敵味方入り乱れる激戦区。
そこに、突撃をかけている敵の軍団。自分たちの仕事は、突撃してくる敵軍団の迎撃。剣を握る手に力がこもる。
「突撃!!」
号令とともに、三百の兵士たちが雄叫びを上げて駆けていく。
自分も駆ける。仲間たちと共に雄叫びを上げながら。そうでもしなければ、今にも逃げてしまいたくなる。勇者と呼ばれていても戦いは怖いのだ。
眼前に敵が迫る。敵には勢いがあるし、兵士の数もこちらより多い。まともに正面からあたれば、こちらは勢いと数にのまれてしまうだろう。まずは勢いを殺さなければいけない。
「くらえええええっ!!」
剣を振りかぶり、縦に勢いよく一閃。すると、剣が光を帯びて、一閃とともに光の塊が一直線に放たれる。それは敵へと真っ直ぐに向かって、光が敵にぶつかると、光が弾けて敵軍団を吹き飛ばした。
宙を舞うたくさんの敵の兵士たちは、まるで竜巻にでも吹き飛ばされたような勢いだ。この力で味方の進軍を助けるのが、自身に今できることだ。
「進めえええーーーっ!!」
仲間たちが叫ぶ。今の攻撃で敵の勢いは止まった。攻撃のチャンスだ。
次々と、味方が剣や槍で敵を殺そうと向かっていく。
「勇者様、さすがの腕前ですね」
「いや、まだまださ。それより、戦いはまだこれからだ。敵を早く撃退して他の援護にまわらないと」
味方は敵になだれ込み、次々と敵兵士を討ち取る。敵は勢いを殺されたため、満足に反撃できず徐々に後退していく。この調子であれば撃退は容易だ。
だが、良い気持ちにはなれない。何故ならば、人を殺しているのだから。
「右翼に新たな敵が!!」
「!?」
見ると、こちらへと向かってくる新たな軍団が見えた。正確な数はわからないが、味方の数よりも多い大軍だ。このままだと側面から攻撃され、こちらが蹴散らされてしまうだろう。
後退するか、迎撃するか、判断を下さなければならない。
(敵の数は多い。でも、後退すれば他の味方を危険に晒してしまう)
苦しいが、ここを離れるわけにはいかない。敵を迎え撃つ必要がある。後退すれば、乱戦になっている他の戦場の味方に、この敵軍団は向かっていく。そうなったら最後、味方は蹂躙されてしまう。それだけは絶対に防がなければならない。
「敵を迎え撃つ!全軍------」
いいかけた直後、突然の轟音といえる発砲音が戦場に鳴り響いた。
そして、新手の敵軍団に巻き起こるたくさんの爆発。舞い上がる粉塵。さらなる発砲音。大地ごと敵を吹き飛ばす爆発。
「なっ、なんだ?!」
爆発により舞い上がった粉塵が晴れると、先程まで敵がいた場所は、爆発によって作り出された大穴が出来上がり、数えることもできない程の死体が築き上げられていた。
何が起こったのか味方も理解できないでいる。
目の前で突然起こった、爆発と軍団壊滅をどうやって理解しろというのか。
「勇者様の力でしょうか?」
「いや・・・・、俺はなにもしてない」
勇者は力を使っていない。たとえ使ったとしても、あのような連続した爆発を起こせない。
その答えは騒音と共にすぐにやってきた。
鳴り響く機械音。耳に騒音として聞こえるエンジン音。キャラキャラと鉄が擦れあう音とともに、それらはやってきた。全てが鉄に覆われた巨体。鉄板を履いたようにも見える履帯を履いて走るそれには、一本の角にも見える長い筒。それが、何十両も前進してくる。
「戦車・・・・・」
実物を見たことは無いが、本やテレビで見たことあるものそのままだ。
さっきの発砲音と爆発はこれらの仕業だろう。これらの砲が一斉に撃たれ、敵を壊滅に追い込んだ。
新たに現れた戦車軍団は、生き残った敵を追撃しようと前進していく。
その戦車の後ろからは、頭に丸い鉄帽子をかぶった人間たちが、駆け足とともにやってきた。味方は鎧を着て剣や槍で武装した、まさにファンタジー世界の兵士の恰好なのに対して、彼らは鎧など着ずに、灰色の戦闘服に身を包み、手にはそれぞれ銃を持っている。
呆気にとられていると、戦車と同じく、ここに似つかわしくない一台の車が、自分たちの前を通り過ぎた。何かの映画で見たことがある。ジープと言うやつだ。
その車には運転手の他に、二人の男女が乗っていた。男は助手席に座っており、通り過ぎた瞬間互いの目があった。
その男は、目があった瞬間こっちに笑みを見せる。その笑みには、あの男の自信ともいえるものが滲み出ていて、正直悔しさを覚えた。苦戦していた自軍を瞬く間に助け、敵を蹂躙していくその余裕が、悔しかった。
あの男をよく知っているわけではないが、男が持つ驚異的な力を、今から嫌というほど見せつけられることだろう。あれが噂通りの異名を持つ者ならば・・・・・。
「あれが、帝国の狂犬か・・・・・」
「見たかあの勇者の顔?」
「はい。将軍閣下の力に恐れおののいていました」
「そうか?呆気にとられてただけだろ」
二人の男女は車の中で、先程すれ違った軍団について話していた。二人とも若く、将軍閣下と呼ばれた男は、二十代前半の年齢しかないように見える。女も彼と歳はそう離れていない風貌だ。男は、とても将軍という威厳ある階級には似合わない。
しかしこの男こそ、戦車軍団と小銃武装の歩兵部隊の指揮者であり、今まさに、敵を蹴散らそうと進軍の命令を出した張本人である。
「剣と魔法の時代はじきに終わる。これからは銃と機械化装甲部隊の時代だ」
「これからそれが、全ての国家に証明されるのですね」
敵に対して、戦車の主砲が火を噴き、歩兵の銃からは、鉛玉が乾いた音とともに放たれる。戦場に今までなかった火薬の発砲音が響き渡る。これからこの戦場は、血と硝煙の臭いに包まれるだろう。
彼の軍団の戦争は今始まった。
「ファンタジー世界の住民に教えてやる。これが現代戦だ!!」
0
お気に入りに追加
277
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。
旦那様、どうやら御子がお出来になられたようですのね ~アラフォー妻はヤンデレ夫から逃げられない⁉
Hinaki
ファンタジー
「初めまして、私あなたの旦那様の子供を身籠りました」
華奢で可憐な若い女性が共もつけずに一人で訪れた。
彼女の名はサブリーナ。
エアルドレッド帝国四公の一角でもある由緒正しいプレイステッド公爵夫人ヴィヴィアンは余りの事に瞠目してしまうのと同時に彼女の心の奥底で何時かは……と覚悟をしていたのだ。
そうヴィヴィアンの愛する夫は艶やかな漆黒の髪に皇族だけが持つ緋色の瞳をした帝国内でも上位に入るイケメンである。
然もである。
公爵は28歳で青年と大人の色香を併せ持つ何とも微妙なお年頃。
一方妻のヴィヴィアンは取り立てて美人でもなく寧ろ家庭的でぽっちゃりさんな12歳年上の姉さん女房。
趣味は社交ではなく高位貴族にはあるまじき的なお料理だったりする。
そして十人が十人共に声を大にして言うだろう。
「まだまだ若き公爵に相応しいのは結婚をして早五年ともなるのに子も授からぬ年増な妻よりも、若くて可憐で華奢な、何より公爵の子を身籠っているサブリーナこそが相応しい」と。
ある夜遅くに帰ってきた夫の――――と言うよりも最近の夫婦だからこそわかる彼を纏う空気の変化と首筋にある赤の刻印に気づいた妻は、暫くして決意の上行動を起こすのだった。
拗らせ妻と+ヤンデレストーカー気質の夫とのあるお話です。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。
夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。
陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。
「お父様!助けてください!
私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません!
お父様ッ!!!!!」
ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。
ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。
しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…?
娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる