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第二十九話 アーレンツ攻防戦
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「ぶっ殺せえええええええええええっ!!」
帝国軍兵士の一人が突撃し、目の前にいたアーレンツ軍兵士を、剣で力任せに頭から叩き斬った。その帝国軍兵士に呼応するかのように、雪崩のように押し寄せる他の帝国軍兵士達も、目に付いたアーレンツ軍兵士を、それぞれの得物で次々と血祭りにあげていく。
帝国軍兵士は士気が高く、非常に戦い慣れていた。砲撃の影響により士気が低下し、元々練度不足のアーレンツ軍兵士では、帝国軍の猛攻に対抗する事ができず、次々と討ち取られていったのである。
平野にて激突した、帝国軍とアーレンツ軍。優勢なのは帝国軍側であった。両軍が直接戦闘を開始して、まだ三十分と経っていないが、アーレンツ軍の前衛は蹴散らされ、陣形も乱されていた。両軍が予想していた通り、平野での戦闘では帝国軍側が有利だったのである。
しかし、アーレンツ軍にも意地がある。祖国を砲撃から救うため、何としても目の前の帝国軍部隊を突破し、帝国軍陣地に辿り着かなければならないのだ。不利な状況下にあるものの、アーレンツ軍部隊は崩壊する事なく、勇敢に攻撃をかけ続けた。
両軍は一歩も引く事なく、正面からぶつかり合っている。両軍の兵士は、剣を、槍を、弓を、斧を、盾を、拳を、地面に落ちていた石まで使って、眼前の敵兵をただ殺すために戦っていた。人殺しに罪悪感など覚える暇もない、熾烈な命の遣り取りの中にいる。
「押し潰せええええええええええっ!!」
「怯むな!後退は敗北を意味するぞ!!」
「アーレンツの奴らは弱い!さっさと蹴散らして街に雪崩込め!」
「守ったら負ける!攻撃をやめるな!!」
両軍の兵士の怒号が飛び交い、多くの兵士達の鮮血が飛び散る。敵味方関係なく、兵士達は次々と命を落としていく。ただ、アーレンツ側の兵士の死体は、帝国側の兵士以上の速さで増え続けていった。だが、両軍とも未だ決定的な一撃を与えていないため、戦局が大きく動き出す事はない。
故に彼らは現れた。眼前に展開しているアーレンツ軍を蹴散らし、帝国軍が突撃を行なうための道を作り出すために・・・・・・。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
「ふんぬうううううううううううううううううっ!!!」
戦場の怒号に紛れる事のない、二人の男の雄叫びが戦場に轟いた。一人は疾風の如く駆ける馬に跨り、騒音とも思える程の雄叫びを上げながら現れ、もう一人は己の巨体を揺り動かし、大地を震わさんばかりの雄叫びを上げ、巨大な大斧を降りまわしながら現れた。
馬と共に駆ける男はアーレンツ軍部隊へと突撃し、眼前に広がる武装した兵士達を全く恐れず、敵軍の中を無理やり駆け抜けていった。その男を筆頭に、雄叫びを上げて敵軍へと雪崩れ込む、新たな帝国軍部隊。まるで、鋭い一本の槍の如き猛突撃で、彼らはアーレンツ兵の連携を突き崩していったのである。
そして、部隊の連携を崩されたその隙を付き、眼前のアーレンツ兵を蹴散らさんと、大斧を振るう巨漢。彼もまた雄叫びを上げ、人間を簡単に叩き潰してしまえる程の、その大きく頑丈な大斧を左右に振りまわし、多くのアーレンツ兵を弾き飛ばしていった。
突如戦場に姿を現した、帝国軍側の二人の戦士。勇敢に敵軍の中を駆け続けるのは、帝国軍所属の戦士ライガ・イカルガ。大斧を振るう巨漢の戦士はゴリオン。二人共、帝国軍を支える精強なる戦士であり、特にゴリオンは、一騎当千の力を持つ剛腕鉄壁の猛者である。一度彼が戦場で武を振るえば、たった一人で百人の敵を相手にできる。これまで数々の戦場で兵士達を震撼させた、「鉄壁の巨人」の異名を持つ帝国の最強の盾だ。
「みんな、オラに続くんだな!」
「ゴリオン隊長に続けええええええっ!俺達でアーレンツの奴らを突破するんだ!!」
「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」」」」」
だが、今日の彼は盾としてではなく、剣としてここに立つ。
ゴリオンを筆頭に、彼の率いる勇敢な重装兵達が、アーレンツ軍兵士達へ突撃していく。全身に鎧を纏い、左手に盾を構え、右手に剣や槍を持つ鉄壁の重装兵達は、一糸乱れぬ連携で次々とアーレンツ兵を討ち取っていった。
ゴリオンもまた、全身に鋼鉄の鎧を装着し、得物である鎖付きの大斧を振るう。既に彼の大斧は二十人以上の敵を屠り、アーレンツ兵を恐怖させている。アーレンツ軍前衛の士気は大幅に低下しており、最前線の戦局の流れは帝国側に傾いた。
これまで数多くの戦闘で、ゴリオンと彼の配下の兵士達は、友軍の盾となって戦ってきた。鉄壁の殿部隊であるゴリオン隊は、帝国軍随一の防御力を持つ部隊なのである。しかし今、彼らは殿としてではなく、敵軍を突破するための道を切り開く、重装突撃部隊として最前線に現れた。
今回の戦いにおいて、帝国軍は一切防御を行なう気はない。終始攻撃に徹し、アーレンツ国内へと侵攻せよと、帝国軍全兵士に命令が下されている。攻撃は最大の防御であると言わんばかりに、情け容赦ない徹底的な攻撃を行なえと、最高司令官である軍師エミリオはそう命令を下した。
ゴリオン隊とライガの登場も、その命令によるものである。鉄壁の防御力を誇り、鍛え抜かれた肉体と一糸乱れぬ連携から繰り出される、前線を押し上げる程のゴリオン隊の攻撃力さえあれば、アーレンツ軍に大打撃を与える事も可能だろう。ちなみにライガに関しては、エミリオより「君の仕事は突撃だ。難しい事は何も考えず、敵軍の中を駆け抜けて敵を混乱させて欲しい」と言われ、敵軍へと真正面から突っ込んでいったのだ。
ゴリオンと共に、彼の配下の兵士達と、最前線の帝国軍兵士達は、アーレンツ軍へと雄叫びを上げて襲い掛かる。ゴリオンの登場により、士気を一層高めた兵士達は、戦いの疲労も怪我の痛みも忘れ、己の得物の切っ先をアーレンツ兵へと向け、多くの戦果を挙げていく。最前線に倒れ伏す、アーレンツ軍兵士の死体は増えるばかりだ。
そしてライガはと言えば、敵軍へと突撃した後、まさに疾風の如き速さで後ろ姿すら見えなくなり、どこへ行ったか見失った。少なくとも、彼の騒音とも呼べる叫び声は、敵軍の中から聞こえ続けているため、まだ戦死してはいない事だけはわかる。
「ライガもがんばってるんだな!後ろで待ってるみんなのためにも、オラたちが踏んばるんだな!!」
「了解!!野郎共いくぞ!ゴリオン隊長に遅れるなああああああああっ!!」
「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」」」」」
ゴリオン達の雄叫びと共に、彼らの得物がアーレンツ兵の肉を切り裂き、戦場に鮮血を飛び散らせる。ゴリオンは仲間達に負けじと、大斧を振り翳し、眼前に見えたアーレンツ兵士へと勢いよく振り下ろして、その兵士を頭から叩き潰して見せた。大量の鮮血が飛び散り、地面を赤く染め上げる。それを見たアーレンツ兵の一部は、恐怖で逃げ出してしまった。
ここでゴリオン隊が投入され、彼がここまで派手に戦うのには、当然理由がある。ゴリオンは後に控える精鋭達のため、彼らを後方で温存し、自分達は最前線で暴れ、精鋭達のための突破口を切り開くつもりなのだ。
これも全て、帝国軍の勝利のため。そして、奪われた大切でかけがえのない存在を、絶対に取り戻すため・・・・・・。
「勝つのはオラたちなんだな!!死にたくないなら道を開けるんだな!!」
鉄壁の巨人ゴリオンが見せる、圧倒的な力の差。
彼と対峙しているアーレンツ兵士達は、既に悟っている。自分達ではどう足掻こうと、あの大斧に叩き切られて無駄死にするだけだと・・・・・・。
帝国軍兵士の一人が突撃し、目の前にいたアーレンツ軍兵士を、剣で力任せに頭から叩き斬った。その帝国軍兵士に呼応するかのように、雪崩のように押し寄せる他の帝国軍兵士達も、目に付いたアーレンツ軍兵士を、それぞれの得物で次々と血祭りにあげていく。
帝国軍兵士は士気が高く、非常に戦い慣れていた。砲撃の影響により士気が低下し、元々練度不足のアーレンツ軍兵士では、帝国軍の猛攻に対抗する事ができず、次々と討ち取られていったのである。
平野にて激突した、帝国軍とアーレンツ軍。優勢なのは帝国軍側であった。両軍が直接戦闘を開始して、まだ三十分と経っていないが、アーレンツ軍の前衛は蹴散らされ、陣形も乱されていた。両軍が予想していた通り、平野での戦闘では帝国軍側が有利だったのである。
しかし、アーレンツ軍にも意地がある。祖国を砲撃から救うため、何としても目の前の帝国軍部隊を突破し、帝国軍陣地に辿り着かなければならないのだ。不利な状況下にあるものの、アーレンツ軍部隊は崩壊する事なく、勇敢に攻撃をかけ続けた。
両軍は一歩も引く事なく、正面からぶつかり合っている。両軍の兵士は、剣を、槍を、弓を、斧を、盾を、拳を、地面に落ちていた石まで使って、眼前の敵兵をただ殺すために戦っていた。人殺しに罪悪感など覚える暇もない、熾烈な命の遣り取りの中にいる。
「押し潰せええええええええええっ!!」
「怯むな!後退は敗北を意味するぞ!!」
「アーレンツの奴らは弱い!さっさと蹴散らして街に雪崩込め!」
「守ったら負ける!攻撃をやめるな!!」
両軍の兵士の怒号が飛び交い、多くの兵士達の鮮血が飛び散る。敵味方関係なく、兵士達は次々と命を落としていく。ただ、アーレンツ側の兵士の死体は、帝国側の兵士以上の速さで増え続けていった。だが、両軍とも未だ決定的な一撃を与えていないため、戦局が大きく動き出す事はない。
故に彼らは現れた。眼前に展開しているアーレンツ軍を蹴散らし、帝国軍が突撃を行なうための道を作り出すために・・・・・・。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
「ふんぬうううううううううううううううううっ!!!」
戦場の怒号に紛れる事のない、二人の男の雄叫びが戦場に轟いた。一人は疾風の如く駆ける馬に跨り、騒音とも思える程の雄叫びを上げながら現れ、もう一人は己の巨体を揺り動かし、大地を震わさんばかりの雄叫びを上げ、巨大な大斧を降りまわしながら現れた。
馬と共に駆ける男はアーレンツ軍部隊へと突撃し、眼前に広がる武装した兵士達を全く恐れず、敵軍の中を無理やり駆け抜けていった。その男を筆頭に、雄叫びを上げて敵軍へと雪崩れ込む、新たな帝国軍部隊。まるで、鋭い一本の槍の如き猛突撃で、彼らはアーレンツ兵の連携を突き崩していったのである。
そして、部隊の連携を崩されたその隙を付き、眼前のアーレンツ兵を蹴散らさんと、大斧を振るう巨漢。彼もまた雄叫びを上げ、人間を簡単に叩き潰してしまえる程の、その大きく頑丈な大斧を左右に振りまわし、多くのアーレンツ兵を弾き飛ばしていった。
突如戦場に姿を現した、帝国軍側の二人の戦士。勇敢に敵軍の中を駆け続けるのは、帝国軍所属の戦士ライガ・イカルガ。大斧を振るう巨漢の戦士はゴリオン。二人共、帝国軍を支える精強なる戦士であり、特にゴリオンは、一騎当千の力を持つ剛腕鉄壁の猛者である。一度彼が戦場で武を振るえば、たった一人で百人の敵を相手にできる。これまで数々の戦場で兵士達を震撼させた、「鉄壁の巨人」の異名を持つ帝国の最強の盾だ。
「みんな、オラに続くんだな!」
「ゴリオン隊長に続けええええええっ!俺達でアーレンツの奴らを突破するんだ!!」
「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおっ!!!」」」」」」
だが、今日の彼は盾としてではなく、剣としてここに立つ。
ゴリオンを筆頭に、彼の率いる勇敢な重装兵達が、アーレンツ軍兵士達へ突撃していく。全身に鎧を纏い、左手に盾を構え、右手に剣や槍を持つ鉄壁の重装兵達は、一糸乱れぬ連携で次々とアーレンツ兵を討ち取っていった。
ゴリオンもまた、全身に鋼鉄の鎧を装着し、得物である鎖付きの大斧を振るう。既に彼の大斧は二十人以上の敵を屠り、アーレンツ兵を恐怖させている。アーレンツ軍前衛の士気は大幅に低下しており、最前線の戦局の流れは帝国側に傾いた。
これまで数多くの戦闘で、ゴリオンと彼の配下の兵士達は、友軍の盾となって戦ってきた。鉄壁の殿部隊であるゴリオン隊は、帝国軍随一の防御力を持つ部隊なのである。しかし今、彼らは殿としてではなく、敵軍を突破するための道を切り開く、重装突撃部隊として最前線に現れた。
今回の戦いにおいて、帝国軍は一切防御を行なう気はない。終始攻撃に徹し、アーレンツ国内へと侵攻せよと、帝国軍全兵士に命令が下されている。攻撃は最大の防御であると言わんばかりに、情け容赦ない徹底的な攻撃を行なえと、最高司令官である軍師エミリオはそう命令を下した。
ゴリオン隊とライガの登場も、その命令によるものである。鉄壁の防御力を誇り、鍛え抜かれた肉体と一糸乱れぬ連携から繰り出される、前線を押し上げる程のゴリオン隊の攻撃力さえあれば、アーレンツ軍に大打撃を与える事も可能だろう。ちなみにライガに関しては、エミリオより「君の仕事は突撃だ。難しい事は何も考えず、敵軍の中を駆け抜けて敵を混乱させて欲しい」と言われ、敵軍へと真正面から突っ込んでいったのだ。
ゴリオンと共に、彼の配下の兵士達と、最前線の帝国軍兵士達は、アーレンツ軍へと雄叫びを上げて襲い掛かる。ゴリオンの登場により、士気を一層高めた兵士達は、戦いの疲労も怪我の痛みも忘れ、己の得物の切っ先をアーレンツ兵へと向け、多くの戦果を挙げていく。最前線に倒れ伏す、アーレンツ軍兵士の死体は増えるばかりだ。
そしてライガはと言えば、敵軍へと突撃した後、まさに疾風の如き速さで後ろ姿すら見えなくなり、どこへ行ったか見失った。少なくとも、彼の騒音とも呼べる叫び声は、敵軍の中から聞こえ続けているため、まだ戦死してはいない事だけはわかる。
「ライガもがんばってるんだな!後ろで待ってるみんなのためにも、オラたちが踏んばるんだな!!」
「了解!!野郎共いくぞ!ゴリオン隊長に遅れるなああああああああっ!!」
「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」」」」」
ゴリオン達の雄叫びと共に、彼らの得物がアーレンツ兵の肉を切り裂き、戦場に鮮血を飛び散らせる。ゴリオンは仲間達に負けじと、大斧を振り翳し、眼前に見えたアーレンツ兵士へと勢いよく振り下ろして、その兵士を頭から叩き潰して見せた。大量の鮮血が飛び散り、地面を赤く染め上げる。それを見たアーレンツ兵の一部は、恐怖で逃げ出してしまった。
ここでゴリオン隊が投入され、彼がここまで派手に戦うのには、当然理由がある。ゴリオンは後に控える精鋭達のため、彼らを後方で温存し、自分達は最前線で暴れ、精鋭達のための突破口を切り開くつもりなのだ。
これも全て、帝国軍の勝利のため。そして、奪われた大切でかけがえのない存在を、絶対に取り戻すため・・・・・・。
「勝つのはオラたちなんだな!!死にたくないなら道を開けるんだな!!」
鉄壁の巨人ゴリオンが見せる、圧倒的な力の差。
彼と対峙しているアーレンツ兵士達は、既に悟っている。自分達ではどう足掻こうと、あの大斧に叩き切られて無駄死にするだけだと・・・・・・。
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