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第5話:コンビ解散?(その6)
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その頃、太陽は
クラスメイトにビラを配っていた。
「このワンちゃんが迷子になったの?」
ビラには、
迷子になった犬の写真が大きく載っている。
「ああ、知り合いの人の飼っている犬なんだけど、
数日前からいなくなって探しているんだ。
もし見かけたら、連絡くれないか?」
依頼主から
「犬を探して欲しい」と頼まれ、
魔法を使って探そうとしてみたが、
太陽の力では全く作動もしなかったので、
魔法を使わない別の方法で探すことにしたのだ。
クラスメイト達は、
太陽の「お願い」ということもあって、
「うん、分かった」と快く引き受けてくれた。
その時だ。
「桐島」
名前を呼ばれてふり返ると、
蛍がこっちをにらみつけながら立っている。
太陽は何で呼び止められたのか理由が分かっているので、
ギクッとして思わず下を向いてしまった。
事情を知らないクラスメイト達は、
最近急にキレイになった別クラスの蛍が
太陽を誘惑しにきたのかと思い、
ザワザワし始める。
蛍はツカツカ歩いてくると、
「ちょっと顔かせ」
と言って、太陽を引っ張り出した。
2人は、
放課後にはほとんど誰もいない中庭に
やって来た。
どちらとも無言のままだが、
お互いどう出るか
様子を探り合っているようだ。
「どうしちゃったわけ?その急なイメチェンは」
蛍から嫌なことを言われる前に
けん制として太陽が切り出す。
蛍はじ~っと太陽をにらみながら、
「桐島のせいだけど」
と予想外のことを言ってきたので、
「え?おれのせい?」
とびっくりする。
全く身に覚えの無いことなので、
太陽は首をかしげた。
「桐島、あの夜に言ったじゃん」
あの夜とは、恐らく
マンドレイクを探しに裏山に行った時のことだ。
蛍は青い空を見上げながら、
ポツリポツリと話し出した。
「桐島、言ったでしょ?
完全に森の中に閉じ込められて、
私が『ここから出るのは無理だ』って言った時、
自分に力が無くても、絶対あきらめないって」
太陽は蛍にそう言われ、ハッとする。
「だから私も見習って、
友達がいないのであれば、
自分の力で何とかしようって思うようになれたから、
まずは外見から変えてみたわけ」
そう言って笑った蛍の笑顔は、
なんだかまぶしかった。
『深谷は・・
それでこんなふうに自分を変えたのか・・』
まさかあの時自分が言った言葉が、
蛍になんらかの影響を与えるなんて・・・。
太陽は少し照れたような、うれしいような、
そんな気持ちになった。
が、「でもね!」と蛍は切り出す。
「あの時そう言った桐島はかっこよかったけど、
今のあんたは最高にかっこ悪いわよ」
急にグサッと胸に突き刺さる言葉を言われ、
ウッと何も言えなくなる太陽。
それだけでもダメージが大きいのに、
さらに蛍は切り込んでくる。
「なんでひまわりちゃんを避けているのよ?
え?どういうわけなの?」
核心に触れられ、
太陽はますます窮地に追いやられてしまった。
クラスメイトにビラを配っていた。
「このワンちゃんが迷子になったの?」
ビラには、
迷子になった犬の写真が大きく載っている。
「ああ、知り合いの人の飼っている犬なんだけど、
数日前からいなくなって探しているんだ。
もし見かけたら、連絡くれないか?」
依頼主から
「犬を探して欲しい」と頼まれ、
魔法を使って探そうとしてみたが、
太陽の力では全く作動もしなかったので、
魔法を使わない別の方法で探すことにしたのだ。
クラスメイト達は、
太陽の「お願い」ということもあって、
「うん、分かった」と快く引き受けてくれた。
その時だ。
「桐島」
名前を呼ばれてふり返ると、
蛍がこっちをにらみつけながら立っている。
太陽は何で呼び止められたのか理由が分かっているので、
ギクッとして思わず下を向いてしまった。
事情を知らないクラスメイト達は、
最近急にキレイになった別クラスの蛍が
太陽を誘惑しにきたのかと思い、
ザワザワし始める。
蛍はツカツカ歩いてくると、
「ちょっと顔かせ」
と言って、太陽を引っ張り出した。
2人は、
放課後にはほとんど誰もいない中庭に
やって来た。
どちらとも無言のままだが、
お互いどう出るか
様子を探り合っているようだ。
「どうしちゃったわけ?その急なイメチェンは」
蛍から嫌なことを言われる前に
けん制として太陽が切り出す。
蛍はじ~っと太陽をにらみながら、
「桐島のせいだけど」
と予想外のことを言ってきたので、
「え?おれのせい?」
とびっくりする。
全く身に覚えの無いことなので、
太陽は首をかしげた。
「桐島、あの夜に言ったじゃん」
あの夜とは、恐らく
マンドレイクを探しに裏山に行った時のことだ。
蛍は青い空を見上げながら、
ポツリポツリと話し出した。
「桐島、言ったでしょ?
完全に森の中に閉じ込められて、
私が『ここから出るのは無理だ』って言った時、
自分に力が無くても、絶対あきらめないって」
太陽は蛍にそう言われ、ハッとする。
「だから私も見習って、
友達がいないのであれば、
自分の力で何とかしようって思うようになれたから、
まずは外見から変えてみたわけ」
そう言って笑った蛍の笑顔は、
なんだかまぶしかった。
『深谷は・・
それでこんなふうに自分を変えたのか・・』
まさかあの時自分が言った言葉が、
蛍になんらかの影響を与えるなんて・・・。
太陽は少し照れたような、うれしいような、
そんな気持ちになった。
が、「でもね!」と蛍は切り出す。
「あの時そう言った桐島はかっこよかったけど、
今のあんたは最高にかっこ悪いわよ」
急にグサッと胸に突き刺さる言葉を言われ、
ウッと何も言えなくなる太陽。
それだけでもダメージが大きいのに、
さらに蛍は切り込んでくる。
「なんでひまわりちゃんを避けているのよ?
え?どういうわけなの?」
核心に触れられ、
太陽はますます窮地に追いやられてしまった。
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