ＳＵＮ×ＳＵＮ！

第６話：魔法のランプで大騒動（その９）

「ひまわり！あれを見ろ！
木が生えてる！
もしかしたらオアシスがあるのかもしれないぞ！」

太陽の予想通り、そこには水と木々の木陰のあるオアシスが存在していた。

辺りは暑くて一面砂だらけの砂漠なのに、この一角だけは水が溢れ涼しい風が吹き、まるで夢のような世界である。

二人は急いでオアシスに駆け込んだ。

「ふーっ、
水と木陰でなんとか助かったな」

水を飲んでノドを潤した後、ヤシの木の木陰に座り込んだ。

暑さで朦朧としていたため、本当に生き返ったような気分である。

「桐島君、
ここを脱出する方法を何か思いつきましたか？」

ひまわりもほっと一息ついたのか、この世界を脱出する方法を考える余裕が出てきたようだ。

その時だ。

「ひまわり」

急に太陽が真剣な声を出す。

「何かが来る」

そう言って太陽が遠くを指差した。

「え？」

指を差された方向に目を向けると、砂漠の中をゴマ粒のような人影らしきものが、こちらに向かってきている。

ゴマ粒はだんだん近づいてくるにつれ、シルエットがはっきり見え始めた。

どうやら馬に乗った人間のようだ。

１、２、３・・・約１０騎ぐらいあるであろうか。

ひまわりは思わず太陽の腕をつかんで、
「逃げないと！」
と叫んだが、太陽は、
「ダメだ。
逃げる場所もないし、あっちは馬に乗っている。
逃げてもすぐ追いつかれてしまう」
と答える。

確かに太陽の言うとおりなのだが、ひまわりは怖すぎて、一刻も早くその場から逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

太陽も同じような気持ちだとは思うが、ひまわりをこれ以上あわてさせないように、出来るだけ落ち着いた声でささやいた。

「ひまわり、もしものために魔法を使える準備を頼む」