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第5話:コンビ解散?(その17)
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しばらくの沈黙の後に、
「愛の告白・・?」
と太陽がポツリとつぶやいたため、
ひまわりは急にカーッと真っ赤になる。
思わず感情がこみあげて
あんなセリフを言ってみたものの、
冷静になってよく考えてみると
めちゃくちゃ
恥ずかしすぎるではないか。
「わーっ!?
ちがいます!ちがいます!
これは決して愛の告白なんかではなくて、
どちらかというと、
お友達宣言のような~!??」
パニックなっているひまわりを見て、
思わず「ぷっ」と太陽が吹き出す。
そして、
「おまえって、すごいな!完全に参った!」
と言って笑い顔を見せた。
その笑顔に
ひまわりは思わず
目が釘付けになってしまった。
いつもまわりに見せている
太陽の「ウソの笑顔」ではない、
「本当の笑顔」を初めて見たような気がして。
その後、2人は
太陽の祖母と連絡をとり、
迎えに来てくれた雨夜家の使用人に助けられ
車に乗って家まで帰ってきた。
もう時刻は
夜の11時を越えている。
「あ、ここで大丈夫です」
車はひまわりの家に寄り、
近所で止まった。
「家、この近くなのか?」
「はい」
太陽はあまり来たことがない場所ゆえ、
キョロキョロと辺りを見回す。
ひまわりは車から降りる際に、
「では、桐島君、
帰ってちゃんとねん挫の治療してくださいね」
と太陽に念押しした。
「ああ」
太陽はバツが悪そうに答える。
そんな様子を
ひまわりの兄が家の二階の窓から
たまたま見ていた。
「ん?あれは、ひまわり・・?
あいつ、こんな遅くまでどこに行ってたんだ」
妹が夜遅くに見知らぬ車から降りてきているのを
不審がる兄。
何か変なことにでも巻き込まれていないのか
不安になり、
窓をガラッと開けて
「ひまわー」と名前を呼ぼうとした時、
車から男の子が降りてきて、
ひまわりの手をつかんだ。
そして、
グイッと引き寄せると、
ひまわりのおでこに「chu」と軽くキスをした。
「!?」
突然、
おでこにキスされたひまわりは
びっくりして言葉が出ず、
口をパクパクさせている。
それとは対照的に
いつものポーカーフェイスで
ニッと笑った太陽は、
「おやすみ」と言うと、
車に乗り込み、そのまま帰って行った。
遠ざかっていく車を見つめ、
ひまわりは心の中で叫んだ。
『ひえ~っ!?
桐島くんに、おでこにキスされたーっ!?』
それがどういう意味かよく分からず、
その日の夜、
ひまわりは全く眠れなかった。
「愛の告白・・?」
と太陽がポツリとつぶやいたため、
ひまわりは急にカーッと真っ赤になる。
思わず感情がこみあげて
あんなセリフを言ってみたものの、
冷静になってよく考えてみると
めちゃくちゃ
恥ずかしすぎるではないか。
「わーっ!?
ちがいます!ちがいます!
これは決して愛の告白なんかではなくて、
どちらかというと、
お友達宣言のような~!??」
パニックなっているひまわりを見て、
思わず「ぷっ」と太陽が吹き出す。
そして、
「おまえって、すごいな!完全に参った!」
と言って笑い顔を見せた。
その笑顔に
ひまわりは思わず
目が釘付けになってしまった。
いつもまわりに見せている
太陽の「ウソの笑顔」ではない、
「本当の笑顔」を初めて見たような気がして。
その後、2人は
太陽の祖母と連絡をとり、
迎えに来てくれた雨夜家の使用人に助けられ
車に乗って家まで帰ってきた。
もう時刻は
夜の11時を越えている。
「あ、ここで大丈夫です」
車はひまわりの家に寄り、
近所で止まった。
「家、この近くなのか?」
「はい」
太陽はあまり来たことがない場所ゆえ、
キョロキョロと辺りを見回す。
ひまわりは車から降りる際に、
「では、桐島君、
帰ってちゃんとねん挫の治療してくださいね」
と太陽に念押しした。
「ああ」
太陽はバツが悪そうに答える。
そんな様子を
ひまわりの兄が家の二階の窓から
たまたま見ていた。
「ん?あれは、ひまわり・・?
あいつ、こんな遅くまでどこに行ってたんだ」
妹が夜遅くに見知らぬ車から降りてきているのを
不審がる兄。
何か変なことにでも巻き込まれていないのか
不安になり、
窓をガラッと開けて
「ひまわー」と名前を呼ぼうとした時、
車から男の子が降りてきて、
ひまわりの手をつかんだ。
そして、
グイッと引き寄せると、
ひまわりのおでこに「chu」と軽くキスをした。
「!?」
突然、
おでこにキスされたひまわりは
びっくりして言葉が出ず、
口をパクパクさせている。
それとは対照的に
いつものポーカーフェイスで
ニッと笑った太陽は、
「おやすみ」と言うと、
車に乗り込み、そのまま帰って行った。
遠ざかっていく車を見つめ、
ひまわりは心の中で叫んだ。
『ひえ~っ!?
桐島くんに、おでこにキスされたーっ!?』
それがどういう意味かよく分からず、
その日の夜、
ひまわりは全く眠れなかった。
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