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第8話:先生のお誕生日(その16)
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机の上に忘れられていたボールペン。
先生のものかどうか確信はないけど、職員室に持って行けば、お話しできるチャンスがあるかもしれない。
「とりあえず、持って行こう」
黒板を消した後、ボールペンを持って『理科職員室』に向かった。
でも、歩いている途中で、
「え・・・ちょっと待って。
忘れ物を口実に『先生に会いに行く』なんて、恥ずかしすぎない?」
と迷いが出始め、足がストップしてしまった。
だけど・・・
「もしかして、本当にこのボールペンは先生の忘れ物で困っているかもしれないじゃん」
と思い直し、階段を下りて3階の奥にある『理科職員室』までやって来た。
「失礼します・・・」
勇気を出して、職員室のドアを開ける。
すると、
「ん?どうした?高山に用かな?」
と、生物の山根先生が声をかけてきた。
「え!」
先生は職員室にいなくて、山根先生一人だけが中にいたみたい。
山根先生はニコニコ笑いながら、
「高山、まだ帰ってきてないぞ。
そのうち帰ってくると思うから、待っていれば?」
とイスを勧めてくれたけど、私は急に恥ずかしくなって、
「あ、いえ!
忘れ物を届けただけなので、机に置いたら帰ります!」
と言って、先生の机に向かった。
先生の忘れ物かどうかも分からないのに、とりあえずボールペンを机に置く。
その時、ふとマグカップが目に入った。
だいぶん古くなったみたいで、うっすらヒビも入っている。
食い入るように私がマグカップを見ていることに山根先生が気づいたのか、
「高山のマグカップ、壊れかけてるだろ?
おれもずっと気になっていて、本人に『新しいのを買えば?』って言っているんだけど、いつも買い忘れるんだって」
と言った。
先生のものかどうか確信はないけど、職員室に持って行けば、お話しできるチャンスがあるかもしれない。
「とりあえず、持って行こう」
黒板を消した後、ボールペンを持って『理科職員室』に向かった。
でも、歩いている途中で、
「え・・・ちょっと待って。
忘れ物を口実に『先生に会いに行く』なんて、恥ずかしすぎない?」
と迷いが出始め、足がストップしてしまった。
だけど・・・
「もしかして、本当にこのボールペンは先生の忘れ物で困っているかもしれないじゃん」
と思い直し、階段を下りて3階の奥にある『理科職員室』までやって来た。
「失礼します・・・」
勇気を出して、職員室のドアを開ける。
すると、
「ん?どうした?高山に用かな?」
と、生物の山根先生が声をかけてきた。
「え!」
先生は職員室にいなくて、山根先生一人だけが中にいたみたい。
山根先生はニコニコ笑いながら、
「高山、まだ帰ってきてないぞ。
そのうち帰ってくると思うから、待っていれば?」
とイスを勧めてくれたけど、私は急に恥ずかしくなって、
「あ、いえ!
忘れ物を届けただけなので、机に置いたら帰ります!」
と言って、先生の机に向かった。
先生の忘れ物かどうかも分からないのに、とりあえずボールペンを机に置く。
その時、ふとマグカップが目に入った。
だいぶん古くなったみたいで、うっすらヒビも入っている。
食い入るように私がマグカップを見ていることに山根先生が気づいたのか、
「高山のマグカップ、壊れかけてるだろ?
おれもずっと気になっていて、本人に『新しいのを買えば?』って言っているんだけど、いつも買い忘れるんだって」
と言った。
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