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第6話:二人きりの夜(その5)
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「は~、いい湯だった。
ビショ濡れだったから、さっぱりした」
風呂から出て休憩室に行くと、サービスでお茶やアイスが準備されていた。
ノドがとっても乾いていたので、とってもありがたい。
お茶も、麦茶、ハーブティーなど何種類か置いてあって、一つ選んでポットの容器からコップに移し入れてゴクゴク飲んでいると、
「先生も今、お風呂から上がったばかりですか?」
と後ろから西森の声がした。
振り返ると、そこにはお風呂上りで浴衣を着ている西森がニコニコしながら立っている。
「に、西森も今出たところ?」
「ハイ、雨で体がすっかり冷えていたので、お風呂で生き返りました」
と、普通に会話をしていたが、本当は今すぐにでもその場に倒れ込んでもおかしくない状態だった。
というのも、初めて見る西森の湯上り浴衣姿がかわいすぎて、萌え死にそうになったからだ。
女の子らしい薄いピンクの浴衣を着て、少し濡れた髪の毛を手でなでている姿を見て、キュンキュンしない男はいないと思う。
デレデレしそうになったが「泊まっても何もしない」と宣言している以上、表面上は冷静さを保たなければいけない。
「西森もお茶飲む?
アイスもあるぞ」
さりげなく会話しようと努力していると、西森が、
「本当ですか?
どっちも欲しいです」
と言って、おれにグイッと近寄ってきたので、危うくお茶の入った容器を落としそうになった。
「おっと」
あわてて、容器を持ち直そうとした時、
「大丈夫ですか!?」
と西森が手を添えてきた。
思わず二人の手が触れる。
それだけのことなのに、お互いドキッとしてビクッとなってしまった。
「あ、すいません」
あわてて、西森が手を引っ込める。
ドキンドキンと、2人の心臓の音が部屋いっぱいに響き渡っているような感覚がした。
とその時、
「あ、お風呂から出られたのですね」
と、宿の従業員の人が声をかけてきた。
「あ、ハイ。
いいお湯でした、ありがとうございました」
なんとなく、西森とドキドキタイムに入りそうでヤバかったので、旅館の人が登場してくれて助かった。
おれも西森も平常心に戻ったようだ。
しかし、ホッとしたのも束の間、
「お部屋の用意が出来ましたので、案内しますね。
ベッドのお部屋で、ダブルベッドですけどよろしかったかしら?」
と告げられた。
ビショ濡れだったから、さっぱりした」
風呂から出て休憩室に行くと、サービスでお茶やアイスが準備されていた。
ノドがとっても乾いていたので、とってもありがたい。
お茶も、麦茶、ハーブティーなど何種類か置いてあって、一つ選んでポットの容器からコップに移し入れてゴクゴク飲んでいると、
「先生も今、お風呂から上がったばかりですか?」
と後ろから西森の声がした。
振り返ると、そこにはお風呂上りで浴衣を着ている西森がニコニコしながら立っている。
「に、西森も今出たところ?」
「ハイ、雨で体がすっかり冷えていたので、お風呂で生き返りました」
と、普通に会話をしていたが、本当は今すぐにでもその場に倒れ込んでもおかしくない状態だった。
というのも、初めて見る西森の湯上り浴衣姿がかわいすぎて、萌え死にそうになったからだ。
女の子らしい薄いピンクの浴衣を着て、少し濡れた髪の毛を手でなでている姿を見て、キュンキュンしない男はいないと思う。
デレデレしそうになったが「泊まっても何もしない」と宣言している以上、表面上は冷静さを保たなければいけない。
「西森もお茶飲む?
アイスもあるぞ」
さりげなく会話しようと努力していると、西森が、
「本当ですか?
どっちも欲しいです」
と言って、おれにグイッと近寄ってきたので、危うくお茶の入った容器を落としそうになった。
「おっと」
あわてて、容器を持ち直そうとした時、
「大丈夫ですか!?」
と西森が手を添えてきた。
思わず二人の手が触れる。
それだけのことなのに、お互いドキッとしてビクッとなってしまった。
「あ、すいません」
あわてて、西森が手を引っ込める。
ドキンドキンと、2人の心臓の音が部屋いっぱいに響き渡っているような感覚がした。
とその時、
「あ、お風呂から出られたのですね」
と、宿の従業員の人が声をかけてきた。
「あ、ハイ。
いいお湯でした、ありがとうございました」
なんとなく、西森とドキドキタイムに入りそうでヤバかったので、旅館の人が登場してくれて助かった。
おれも西森も平常心に戻ったようだ。
しかし、ホッとしたのも束の間、
「お部屋の用意が出来ましたので、案内しますね。
ベッドのお部屋で、ダブルベッドですけどよろしかったかしら?」
と告げられた。
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