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第3話:ドキドキ初デート(11)
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車はしばらく海岸線を走り、途中から山に向かう道路に入って行く。
窓に広がる景色は、キラキラ輝く海の風景から、今度は新緑のまぶしい木々のトンネルに変わった。
休日だが、対向車も少なく、2人だけのドライブを楽しめてラッキーだ。
隣に座る西森は、ずっと窓の外の風景を見ていて、
「新緑がキレイ・・・。
この辺りの木は皮の様子から見て、桜だと思います。
春だったら、桜のトンネルが見れたかもしれませんね。」
と、うれしそうに話すので、
おれは心の中で『連れてきてよかった』と思った。
そんな幸せをかみしめながら、クネクネ山道をひたすら登っていく。
ちょうど山の中腹に着いた頃だろうか。
突然、木々のトンネルが途切れ、眼下に海の風景がパーッと広がった。
「わ!すごい!」
西森が思わず声を出したので、おれもつられて、
「マジで海が、キレイだな!」
と、思わず言葉がこぼれる。
1人で見るより、2人で見た方が感動も2倍になるものなんだな。
すると、西森がおれの方に顔を向け、
「私、休日に出かけることなんてめったになかったので、こんな素敵な景色を見せてくれて、ありがとうございます。」
と、急にお礼を言ってきたので、おれはビックリして思わず急ブレーキをかけそうになった。
西森、ズルい!
さっきから、いつもの『ツンツン表情』じゃなくて、『かわいさ100%』の態度を連発するから、おれのハートはずっとドキドキしっぱなしだ!
でも、悔しいことに、西森はちっともドキドキしてないんだろうなぁ。
ずっと外の風景に目を向け、
「ほんと、キレイですね・・・」
と、1人うっとりしている。
その時だ。
突然、目の前の美しい風景を遮るかのように怪しい建物が窓の外に現れ始めた。
その建物は、安っぽい西洋のお城みたいな形をしていて、風景とのミスマッチが半端ない雰囲気を漂わせている。
西森もそれに気づき、
「先生、あのお城みたいな建物、何ですか?
ホテルって書いているけど、明らかにこの山の景観と不似合いで、変な建物なんですけど」
と、聞いてきたので、おれは思わず、
「え!西森、あの建物が何か知らないのか!?」
と言ってしまった。
と同時に、『あ、やばい!』と口を手で覆う。
やばい、やばい、やばーい!!
西森は、あの建物がつまり・・・その・・・
『ラブホテル』だということを知らないんだ。
それなのに、おれが「知らないのか?」と口走ったせいで、変に興味を持って、根掘り葉掘り質問されたら、ヤバいぞ!
元々、教えることがそんなに上手くないのに、あの建物のことを健全な言葉で西森にちゃんと伝えられる自信は無い。
だからといって、西森にぶっちゃけトークをするわけにもいかないし。
そう思ったおれは、
「そ、そうだな。あのホテルは、ちょっと形が変だということで、この辺でも有名なんだ」
と、当たりさわりのない返答をしてみた。
すると、西森は、「ふーん・・・」と言って、窓の方に向けていた体を元に戻し、シートの背に深くもたれかかった。
よかった・・・、そんなに興味を持たなかったみたいで。
ホッとした瞬間、
「先生は、今まで何人の人と付き合ったことがあるんですか?」
と、西森から予想外の質問が飛んできた。
窓に広がる景色は、キラキラ輝く海の風景から、今度は新緑のまぶしい木々のトンネルに変わった。
休日だが、対向車も少なく、2人だけのドライブを楽しめてラッキーだ。
隣に座る西森は、ずっと窓の外の風景を見ていて、
「新緑がキレイ・・・。
この辺りの木は皮の様子から見て、桜だと思います。
春だったら、桜のトンネルが見れたかもしれませんね。」
と、うれしそうに話すので、
おれは心の中で『連れてきてよかった』と思った。
そんな幸せをかみしめながら、クネクネ山道をひたすら登っていく。
ちょうど山の中腹に着いた頃だろうか。
突然、木々のトンネルが途切れ、眼下に海の風景がパーッと広がった。
「わ!すごい!」
西森が思わず声を出したので、おれもつられて、
「マジで海が、キレイだな!」
と、思わず言葉がこぼれる。
1人で見るより、2人で見た方が感動も2倍になるものなんだな。
すると、西森がおれの方に顔を向け、
「私、休日に出かけることなんてめったになかったので、こんな素敵な景色を見せてくれて、ありがとうございます。」
と、急にお礼を言ってきたので、おれはビックリして思わず急ブレーキをかけそうになった。
西森、ズルい!
さっきから、いつもの『ツンツン表情』じゃなくて、『かわいさ100%』の態度を連発するから、おれのハートはずっとドキドキしっぱなしだ!
でも、悔しいことに、西森はちっともドキドキしてないんだろうなぁ。
ずっと外の風景に目を向け、
「ほんと、キレイですね・・・」
と、1人うっとりしている。
その時だ。
突然、目の前の美しい風景を遮るかのように怪しい建物が窓の外に現れ始めた。
その建物は、安っぽい西洋のお城みたいな形をしていて、風景とのミスマッチが半端ない雰囲気を漂わせている。
西森もそれに気づき、
「先生、あのお城みたいな建物、何ですか?
ホテルって書いているけど、明らかにこの山の景観と不似合いで、変な建物なんですけど」
と、聞いてきたので、おれは思わず、
「え!西森、あの建物が何か知らないのか!?」
と言ってしまった。
と同時に、『あ、やばい!』と口を手で覆う。
やばい、やばい、やばーい!!
西森は、あの建物がつまり・・・その・・・
『ラブホテル』だということを知らないんだ。
それなのに、おれが「知らないのか?」と口走ったせいで、変に興味を持って、根掘り葉掘り質問されたら、ヤバいぞ!
元々、教えることがそんなに上手くないのに、あの建物のことを健全な言葉で西森にちゃんと伝えられる自信は無い。
だからといって、西森にぶっちゃけトークをするわけにもいかないし。
そう思ったおれは、
「そ、そうだな。あのホテルは、ちょっと形が変だということで、この辺でも有名なんだ」
と、当たりさわりのない返答をしてみた。
すると、西森は、「ふーん・・・」と言って、窓の方に向けていた体を元に戻し、シートの背に深くもたれかかった。
よかった・・・、そんなに興味を持たなかったみたいで。
ホッとした瞬間、
「先生は、今まで何人の人と付き合ったことがあるんですか?」
と、西森から予想外の質問が飛んできた。
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